チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

海外の日本国民

チェンライ花祭りから

蘭の花

種類が多い

やはりきれい

自分の好み

黄色い蘭も

 

 

海外の日本国民


■海外在留日本人数
平成元年の海外在留日本人数は長期滞在者、永住者を含めて60万人弱でこの数は年々増え続け、令和元年には140万人を越えた。でもこれ以降、感染症の影響もあり、140万人を割っている。
まあざっくりと海外に住む邦人は140万、日本に住む国民には一人当たり特別定額給付金10万円が給付された。当時、日本に帰国していた自分も給付を受け、PCを買った。でも海外に住む邦人は日本国民でないのか、給付の対象にならないのか、という声が出て、140万人X 10万円、1400億円の予算措置がとられた。でも海外在留邦人に給付金はわたっていない。いろいろ理由はあろうかと思うが、在外公館には公平に正しく10万円を該当者に渡す手段がないからだろう。在留邦人と言ってもこの数は現地で在留届を出している人に限られる。

在留届は義務ではないからチェンライでも長らく住んでいながら届を出していない人はいる。その人は当然、給付対象にはならない。また、在留届を出してあっても住民票が日本にあって、日本で給付済みの人もいる。どうやって2重給付を防ぐか。
自分としては在外公館に出頭した邦人に、マイナンバーで2重給付でない旨を確認し、旅券への給付済み印と交換で現金で渡せばいいと思う。でもマイナンバーはない、在留届もない人はどうなるか。そういう人は給付通知も受け取れない。

通知がなかったから給付を受けられなかったと文句を言う人は必ず出てくる。誰もが不平を言わない公平な給付法はなかなかむつかしい。その前に在外公館がこんな面倒な作業をするはずがない。だから予算措置がとられても実際の給付は行われていない。

■権利の追求と行使
在留邦人を見捨てるのか、という声はあると思う。でも平成10年に改正された公職選挙法で海外在留日本人も国政に参加できることになった。しかし在留邦人140万人の内、在外投票人名簿に登録しているのは10万人、そして実際に投票した人は2万人と有権者の2%以下である。海外在留日本人は票にならないのだから、政治家が親身になるはずがない。

在外選挙人名簿への登録も簡単ではない。住民票のある市町村と在外公館で書類のやり取りや確認作業がある。在外選挙登録証は市町村から外国の住所に送付される。手間とお金がかかっている。チェンマイ総領事館に投票に行ったことがあるが、数人の係員、バイトの人が所在なさげに、偶に来る老人を見ていた。国民の権利とはいえ、税金の無駄遣いだよな、という表情。海外在留日本人の支持で当選、という代議士が2,3人出るくらいに投票率が高くならない限り、海外在留日本人軽視は続くのではないか。

タイでは国政参加の投票は権利でなく義務である。投票実績がないと立候補権はないし、銀行からの借り入れにも支障をきたす。日本も投票の義務化とネット投票を組み合わせれば、海外日本人票も多くなるだろう。

■翻ってタイでは
前述の通りざっくり海外在留日本人数は140万人、そのうち米国に45万人、中国に12万人、豪州に10万人、そして4位のタイは7万6千人が在留している(外務省海外在留邦人数調査統計・令和元年版)。

タイの7万6千人の内、バンコクに5万5千人住んでいる。チェンマイは3千人強、といったところ。この数字はタイに住んでかつ在留届を出している人の数である。届を出さずに居住している人、1年に何度もタイ・日を往復している人を加えると、タイには常時、10万人以上の邦人が住んでいると言われている。

チェンライ県在住の邦人は300人弱、在留届を出していない人加えても600人ほどではないか。日本から来たテニスの女子プロが、「えー、600人もいるんですか」と驚いていたが、初めてチェンライに来た人にとっては日本人がいるだけで驚きらしい。

バンコクでは30種類以上の和文のフリーペーパーが発行されているというし、感染症前にはチェンマイでも複数のフリーペーパーが出ていた。日本人の集まりはバンコクでは高校、大学の同窓会を始め、無数にあるし、チェンマイでも目的の違いによって4つの日本人会がある。チェンマイの日本人会の組織率は居住者の約半数、それに引き換え、チェンライ日本人会の会員数は60名強で居住者の2割程度。会員の平均年齢は70歳を越える。バンコクチェンマイでは概ね大使館からの情報は邦人間で共有されるが、チェンライではPCのない人もいる。

総領事館でも日本人会でもコンタクトがない以上、何かの時は救いようがない。そういう日本国民にも目配りするのが政治だ、ともいえるけれども。