チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

海外邦人の給付金は?

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秋に院展から

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望遠でアップ

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森の少女

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顔の部分をアップ

 

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横たわる少女

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顔をアップで


海外邦人の給付金は?

トリアージ
日本人は几帳面で誠実、公正、公平といった価値を重んじる。でもそれが高じると、融通が利かなくなり、本来の目的から外れてしまう。阪神淡路大震災で、公平に配れないからと被災民に援助物資を渡さなかった自治体があった。おそらく担当者はあとで公平に配らなかった、と責任を追及されることを恐れたのだろう。

あの大震災の時、病院はケガをした人が列をなして治療を待っていた。この場合、順番を守って先に来た人から診てもらえる。そこへ足が潰れたケガ人が運ばれて来る。広範囲に座屈した傷を負うと体内のカリウム濃度は変化して死に至る。すぐに治療しなくては命に関わるのだが、「わてのほうが先に来たさかいに」と順番を譲らない。大体、歩いて病院に来て並んで待つくらいだから負傷の程度は分秒を争うわけではない。みすみす重症者が亡くなってしまうという事態が生じた。この教訓があってその後、「トリアージ」が一般化したと言われる。

トリアージとは治療や搬送の優先順位をつけて、負傷者を分類することをいう。具体的には、比較的簡単な手当で生命を救える重傷者には赤のタグをつける。次は2~3時間、または数時間手当が遅くなっても生命に危険はないが、手術などのために入院が必要な負傷者には黄色のタグ、3番目は外来治療で対応できる軽傷者や歩行可能な人には緑色のタグをつける。
 トリアージでは、遺体や手当を加えても助かる見込みのない絶対予後不良者に対するケアは後回しということになるが、非情なようでも、ひとりでも多くの人の生命を救うために、やむを得ない処置だ。

■給付の優先順位
医療における優先順位の考え方は受け入れられるだろうが、給付金の優先順位と金額はそれほど簡単ではない。あの人はもらえたのに私はもらえない。法律では貰っておかしくはないが政党支援団体が給付金を受け取るのは如何なものか、等々。面倒だから一律18歳以下の国民に10万円を支給するということに案になったけれど、あの家は裕福なのに、とか不公平感はなくならない。個人消費を上向かせるためだから、どんな給付方法でもいいじゃないか、と自分は思うし、タイなど多少の不公平感があろうとなかろうと、国民の9割ほどが何かしらの給付を受けられるシステムを作り、それも使わないと損になる形だから個人消費は間違いなく増えたと思う。

昨年は国民一人当たり10万円の支給があった。自分もこの恩恵に浴し、PCを買い替えた。国外に住んでいたのにどうして貰えたの、と聞かれたことがあるが、それは住民票が品川区にあったからだ。品川区民には品川区から別途3万円の給付があった。もちろん有難く受け取った。
安倍首相は「国民なべて等しく一人10万円を給付します」と言った。でも海外に住む140万日本同胞は、この恩恵に浴していない。同じ日本人じゃないか、海外にいるからと言って国内の国民と差別されていいはずはない、と青山繁晴参議員が動いて140万X10万円、1400億円の予算措置が講じられた。しかし2021年末に至っても国外の同胞に給付金は届いていない。何故かというと、公平に10万円を配る手立てがないからだという。

■公平性を犠牲にしても
自分の周りを見ても日本人会に入っていないどころか、総領事館に在留届を出していない邦人もいる。在チェンマイ日本国総領事館はタイ北部9県を管轄しているが、在留届を出していない邦人の人数、氏名、住所は全く把握していない。だから10万円の配りようがない。在留届を出していても住民票がある邦人は日本で給付を受けている。だから在留届が出ている人に一律10万配ると二重受給者がでる。要するにどんな方法であれ、今の在外公館には在留者の氏名、住所を確認してもれなく、10万円を配布することができない。公平に配ることができないから配らない。よって責任も問われない。

自分が外務大臣だったらこう指示を出すだろう。この際、在留届を出している邦人には住民票のあるなしを確認して10万円を配布し、旅券に支払い済みのハンコを押す。在留届を出さない人には給付金は支給しない。権利を主張するためには義務を果たしてもらう。自助努力は必要だ。おそらくこれで9割以上の管内の邦人を把握できる。この名簿はタイに国難が起き、邦人の生命が危険にさらされるとき、救援を求める際の基礎資料となるはずである。でも多くの政治家や官僚のホンネは「海外に住む日本人、少なくともチェンライに住む老人なんかホントに同胞とみていいのかねえ」だからまず無理だと思う。