チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

博物館見学

チェンマイ国立博物館本館正面

入り口にある釈迦座像

ランナーの聖仏、プラ・セン・サン

同上

触地印の釈迦像

館内展示

 

博物館見学


チェンマイ国立博物館
チェンマイ国立博物館は北部タイを代表する博物館と言われている。自分の住むチェンライにはチェンライ国立博物館はない。市内からバスで1時間半、メコン川に面するチェンセーンにチェンセーン国立博物館がある。ナーン県、ランプーン県にも国立博物館がある。概ね、県内で見つかった仏頭、仏像が展示されている。昔は王国であったから王族の遺物等も展示されている。

チェンマイ国立博物館には10年ほど前に行ったっきりだ。50年ほど前に完成した博物館で、皇太子時代の上皇上皇后陛下とお二人をここに案内したプミポン国王の写真が飾られていたという記憶がある。何が展示されていたか記憶が定かではない。
動物園、植物園、スネークセンター、ドイステープのお寺など、チェンマイの観光名所は結構回っているが、日本から来た友人と博物館に行ったことはない。博物館はチェンマイ環状線11号号線沿い、名刹、ジェット・ヨット寺院の並びにある。いつも通り過ぎるだけであったが、たまには博物館で勉強しよう。

■あまり人気がないのか
チェンマイ国立博物館の口コミは少ない。歩いていくには遠すぎるし、バスの便もない。高速道路ではないが11号線は80キロ以上で車を飛ばしているから、ソンテウを拾うことも難しい。タクシーアプリを駆使できる観光客でなければ博物館の行き来は難しい。

11号線の外側を通り、ジェット・ヨット寺を左に見て徐行に入る。うっかりすると博物館入り口を通り過ぎてしまう。博物館の敷地は広く、本館以外に図書館や研究施設がある。本館前は庭園となっていて、大きな池をまたぐ太鼓橋には日本のイメージが感じられる。

本館はランナー様式の堂々たる建物だ。入り口のドアを押すと中は広いエントランスとなっていて、正面に金色仏が鎮座して来訪者を迎えてくれる。左に受付があった。マスク着用を促され、慌ててマスクを取り出す。入場料は英文パンフレットでは100Bとなっていたが、一部改修中のため無料だった。タイの国立博物館の入場料は、概ね外人100B、タイ人20Bの2重価格となっている。
肩下げ鞄等の荷物は受付後ろの無料ロッカーに入れる。展示物の撮影はフラッシュを使用しなければOKとのこと。タイでも携帯の普及につれて撮影可能の施設が増えてきているように思う。

まず、エントランス正面の釈迦座像をじっくり見る。14,5世紀のランナー仏、触地印を結んでいる。ブロンズ製、金の彩色が施されている。ランナー仏は素朴ではあるが精神性に乏しいといわれている。でもこのブロンズ像からは珍しく品格を感じた。
入って左の展示室に大きな仏頭がライトアップされている。ランナーの聖仏、プラ・セン・サンである。14,5世紀のランナー仏、ヤンクワン寺から発掘されたという。この仏頭もなかなかいい。仏頭の両側にある展示ケースには大小、様々な仏像が並べられている。表情も様々だ。

ランナー様式というが統一された仏像彫刻の流れがあるようには思えない。いわゆる仏師の名前など残っていないし、仏師の家系など聞いたこともない。北タイの磁器、セラドン焼きや素朴な陶器、ヴィアンカロン焼きの皿も展示されているが、陶工の家系も窯も歴史から消えている。技術を重視し、職人を尊敬する歴史を持つ国は日本以外にないのだろうか。

旧石器時代から
仏教関係の美術品の他には陶磁器、王室の家具、王様の金刺繍のガウンなどが展示されている。また他の国立博物館と同じように先史時代の打製石器や人骨などが展示されていた。人骨は土の中に半分埋まっている状態、この展示方法はタイ全国共通のように思われる。ここの人骨はレプリカと思うが県によっては実物の遺骨をそのまま展示している。先祖でも何でもないいわば馬の骨みたいなものだから遺骨に畏怖や畏敬の念は全く持たないのだろう。

館内での写真撮影は自由であるが照明の関係で写真が撮りにくい。またタイ語と共に英語の展示説明文があるのは助かるが、どう見ても石仏であるのに「ブロンズ製」という説明文があった。展示物を入れ替えた時に説明文はそのままにしたのだろう。日本の博物館と比較してはいけないが、それにしてもやっぱり日本は、と感じてしまった次第。

尚、2階建ての広い館内には2,3組のタイ人がいただけ、旧市内を闊歩しているファランは全く見かけなかった。各所にベンチがあるし、3Gやジオラマ、オンデマンドUチューブなどAI機器からの情報も随所で得ることができる。北タイの歴史を概観できるし、今は無料だから行ってみる価値はあると思う。