隣家の大麻
サンサーイ朝市の大麻、1鉢20B
同上、3鉢なら50B
サンサーイ市場
魚も売っている
女性下着も売っている
マリファナ解禁(2)
■近所に生えてる
タイではガンジャと呼ばれるマリファナが身近なものになってきた。医療用にマリファナを吸引するとか、大量でなければ栽培、販売、所持が許されている。チェンライの土曜市ではあちこちでマリファナの苗が売られていた。その後、近所のサンサーイ市場に行ってみたら、小型トラックが止まっていて1鉢20B の苗を十数鉢ほど並べていた。
隣家の庭にこんもりした高さ50センチほどの草が生えていた。メバーンのニイさんに確かめるとやはりマリファナだという。スープや野菜炒めに入れると美味しいけれど、数枚以上入れるとラリってしまう、というようなことを言っていた。今年の6月にタイのマリファナは御禁制が解けたのだが、ニイさんはその前に食したことがあるのだろう。
我が家はシンタニというこちらではどちらかというと高級に属する団地にある。先日、家の周りを散歩していたら、うちの裏の家でも数本のマリファナを栽培していた。探して歩くほどのこともないが、団地内でマリファナを栽培している家はかなりあるのではないかと思う。
マリファナは成長の早い植物だ。昔の忍者は毎日、大麻を跳び越す訓練をした。どんどん成長するから跳躍力もそれにつれて付いてくる。タイの走り幅跳びやバレーボール選手が採り入れてもいいトレーニング方法ではないか。
■麻薬としての歴史はない
大麻は日本人にとって大変身近な植物であった。縄文時代から繊維原料、食料として栽培されてきた。綿花が戦国時代に伝わるまでは日本人は大麻から作った麻の衣服を用いていた。大麻は古来から神の宿る神聖な植物であるとして神社の注連縄に用いられたり、大相撲の化粧綱、漁網、蚊帳、和弓の弦、下駄の鼻緒や麻縄、紐、糸など、多くの用途で利用されていた。
日本の大麻とマリファナの大麻は種類が違う、日本の大麻には麻薬成分はないと言われているが、そうでもなさそうだ。延宝4年(1676年)刊行された「萬川集海」(忍術書)には、大麻の葉を乾燥させて粉にした「阿呆薬」なるものの記述があり、食事などに混ぜて薄茶3服ほど摂取させると「気が抜けてうつけになる」と書かれているとか。
また緒方洪庵の息子や適塾の塾生が大麻を原料とした喘息煙草の開発、製造、販売を始めた。そして戦前まで、大麻に含まれる薬効成分を抽出した薬が、喘息やアレルギーに効く薬として市販されていた。江戸時代から大麻に麻薬効果があることが知られていながら、どうして欧米のマリファナのような嗜好物とならなかったのかはわからない。
■日本文化の破壊工作
「古事記」や「日本書紀」のいずれにも登場する「天の岩屋」のシーンは、日本人なら誰でも知っている。 「須佐之男命の暴虐に怒った、天照大御神が天の岩屋に隠れてしまう。そのため、世界は、暗闇に閉ざされてしまった。困った八百万の神々は、天照大御神に出てきてもらう方法について相談し、天児屋根命が天の岩戸の前で激しく踊った。それを見た八百万の神々は笑い、その笑い声を聞いた天照大御神が岩戸を開けて出てくる」。天児屋根命が踊った時に手にしていた榊には麻で作られた幣が結び付けられていた。
大嘗祭で陛下がお召しになった神聖な神衣、麁服(あらたえ)は大麻で織られたものである。神社の注連縄も神主がお祓いに使う祓串も大麻(正式にはおおぬさという)である。神代の時代から大麻に日本人は親しんできた。
その大麻を禁止したのは誰かというとマッカーサーだ。マッカーサーは社会の害毒と言って大麻を禁止した。サラセンがペルシャにイスラム教への改宗を迫った時に、ゾロアスター教では神の使いとされた犬を不浄のものとし、石で撃ち殺すよう命じたことを思い起こさせる。マッカーサーには日本の神々と通じる大麻を麻薬に堕し、蔑む悪意が透けて見える、神道潰しだ、と評論家高山正之氏は言う。ヒロポン(メタンフェタミン)は野放しで繊維を取るための大麻は禁止、は確かに底意地の悪さを感じさせる。日本を取り戻そう、は大麻栽培解禁から、というつもりはないが、このようなGHQの日本文化潰しはまだいたるところに存在しているのだろう。
尚、マリファナには痛みの緩和や睡眠導入、食欲増進といった効果がある。不安や精神的なショックを和らげるともいわれ、鎮痛薬や吐き気止め、気管支拡張薬、抗炎症薬として、また最近の研究では新型肺炎への薬効があるという。医療大麻合法国はタイを始め、世界に20数カ国ある。オミクロンが心配なら大麻の吸えるタイに来ては如何でしょう。