チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

命拾いと税関トラブル

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ラオス出入国管理事務所

 

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出国スタンプを押してもらうところ

 

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税関

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友好橋

 

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友好橋、中央に鉄道が通っている。

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友好橋

 

 

命拾いと税関トラブル

■自ら招いた危険
ラオスベトナムの旅も8日目、バンビエンを発って昼前にラオス、タイ国境に続くバイパスに出た。片側2車線、直線の続く舗装道路であるが、まだ作りかけとみえて、車線が1つになったり、未舗装の凸凹道になったりする。国境を行き交うトラックやコンテナ搭載車両が眼に付くがそれほど混雑しているわけではない。日本の国道に比べればガラガラと言っていい。これまでラオス国内では片側1車線の曲がりくねった悪路を走ってきただけにこういった広く、見通しのいい道路に出ると、後進国から中進国へ近づいている感を深くする。バンビエンとビエンチャンを結ぶ国道13号線とは比べ物にならないほど走りいい。ついスピードも上がる。

コンテナトラックの後ろを走っていた。大型コンテナを荷台に、もう一つのコンテナをけん引車両に乗せている。スピード規制はあってないようなものだから大型トレーラーでも100キロ以上で飛ばしている。ラオスでは車は右側通行である。トレーラーの右後方に付いてスクータを走らせていた。走行車線を走っている場合、先行車両の左後方から追い越しをかけるのがルールである。見通しの良い道であるし、もうすぐタイに入国できるという油断があったのか、100キロ以上で走行するトレーラーの右側から追い越しをかけた。トレーラーとフォルツァが平行に走り始めたその時だった。トレーラーが右折するのか我がスクータに車体を寄せてくる。思わず大声を上げた。ブレーキをかけるか。でも咄嗟に取った行動は自分でも不可解なものだった。右の路肩にスクータをバンクさせながら急加速したのだ。トラックはどんどん我がスクータに近寄ってくる、接触すれば即、転倒、後輪に巻き込まれたら即死だ。路肩の幅は2mくらい、その右は草むら、更にその右は木立が茂る無人の林、スピードを上げたフォルツァは、近づいてくるトレーラーと草むらすれすれの路肩のわずかな間隙をすり抜けた。あと1m追い越しが遅れていたら、木立に突っ込むか、トレーラーに接触していただろう。サイドミラーに、びっくりしたのかはるか後方に停止しているトレーラーがチラリとみえた。

心のゆるみがあった。交通ルールを守らない自分が悪かった。あんなところで右折してくるとは思わなかった、では言い訳にならない。見えない力に守られていたのだろう。反省と感謝を心に繰り返しながら、スピードを緩めた。

■書類の不備
ラオスビエンチャンとタイ、ノーンカイの間を流れるメコン河、そこに1174mの友好橋が架かっている。これを渡ってタイに戻る。昼過ぎにラオスのイミグレに着いた。出国手続きはそれほど時間がかからなかったが、スクータの通関で問題が生じた。ラオス入国の際に発行して貰うべき書類がないのだという。そういえば、ラオスで2,3度、交通検問に引っ掛かった。その折、警官が必要書類がないと言っていた(ような気がする)。その度にその書類は車に必要なもので、バイクには要らないはずだ、と強弁して通してもらっていた。入国の際、フエサイのラオス税関から発行された書類は全てケースの中に入れてきている。途中で無くすはずがない。係官は書類を手にしてついてこい、という。オフィスビルの中に行くと係官の上司らしい人がいた。やはり書類が不備のようだ。自分でも思い当たるフシがある。フエサイの税関係官に、どこから再入国するの、と聞かれた時、フエサイから、と答えた。係官は同じ国境を出入りするのなら、と渡すべき書類を省略したに違いない。これまで来た道を3,4日かけてフエサイに戻ればタイに再入国できるだろう。でもまたあの悪路をなあ。

■2時間の足止め
上司は自分では判断しかねるといったらしく、さらに上の階にある恐らく署長とおぼしき人のオフィスに連れていかれた。会議室付きの大きな個室だった。肩章がベタベタついた制服の署長は不思議なことに日本語が流暢だった。「大丈夫、心配いりませんよ、あれ、書類ではルアンナムターに行くとなってますねー」。
結局、係官が書類とスクータをもう一度照合し、問題なければ出国できることになった。ここまで2時間近くを要した。かなり消耗したが、来た道を戻らなくて済む嬉しさは格別。

係官は遮断機がある道路を指さして行け、と顎をしゃくった。遮断機の前で車が一時停車している。遮断機が上がったので車の通過に合わせてスクータで通り抜けた。後ろで係員が何か叫んでいたがもう出国手続きは済んでいる、構うものか。こうして友好橋の利用料を踏み倒した次第。