チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

1日10キロに負ける

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1日10キロに負ける

■船旅でミングウォンへ
ミングウォンはマンダレーの北11キロの地点にある古都である。行くには船が便利、エーヤワディー川を1時間かけて遡る。マンダレーで日英が戦ったことを知る身としてはエーヤワディー川よりもイワラジ河会戦のイワラジ河のほうがしっくりくる。

タクシーで船着き場へ。船は往復で1万チャット(1400円)、9時に出航して12時半にミングウォンから戻る。イワラジ河の水は乾季のため少ないが、河幅はチェンセーンから見るメコン河よりも広い。切符を手に河岸に立つファランと中国人が30-40人、隣に立つ年配の男性がどう見ても邦人のような気がしたので、「船は9時発ですよね」と話しかけた。あれ、よく日本人と分かりましたね。65歳まで働いて、その後、老人大学の先輩に薦められて海外旅行に目覚め、アジアを中心に短期旅行を繰り返しているとか。。それにしても老人の独り旅は珍しい。いえ、定年になったら二人で旅行をしようね、と言っていた女房を亡くしまして…と言葉を濁した。奥様の分も頑張って旅しているのですね、というと顔を伏せてしまった。相手のことを考えずに何でも口にしてしまう。悪い癖は治らないものだ。

彼はパガンから来たとかで、大小無数のパゴダを照らす朝陽、夕陽が楽しめるシュエサンドーパゴダなどの仏塔は軒並み立ち入り禁止になっている、と教えてくれた。なんでも仏塔から米国人が転げ落ちて亡くなったせいだとか。あの階段の恐怖は謂われなきものではなかった。3年前に、5年後はもう登れないかも、とブログに書いたが自分の体力とは関係なく、一方的に登れなくなってしまった。

■旅の必須アイテム
ミングウォンは巨大なパコダの土台、90トンの大きな鐘、仏教世界を再現した白亜のパコダという3つの巨大スポットが徒歩圏内に集中していることで人気がある。ミングウォン・パヤーはレンガを積み上げて造った仏塔基壇、高さは50mある。150mのパゴダを建造しようと思ったが王様の死去により中止、以前はてっぺんまで登れたようだが、地震でひびが入り、今は立ち入り禁止、ミャンマーでは次第に高いところへは登れなくなっていくようだ。シンピューメェ・パゴタは王妃の死去を悼んで建造されたパゴダ、仏塔に続く段々の山は須弥山を表しているとか。パヤーにしろパゴダにしろ階段の上り下りは結構きついが、独り旅老人Aさんの足取りは実に軽い。

行きは1時間、帰りは川を下るから45分でマンダレーに着いた。Aさんがシュエナンドー僧院、クトードー・パゴダ等、市内中心の名所へ行くというので旅は道連れ、ということになった。彼は携帯を取り出し、グラブというソフトを使ってたちどころに船着き場にタクシーを呼びよせた。彼は、位置をグーグルで確認し、翻訳ソフトで現地語を操り、エアチケット、ホテルも携帯で予約するという。携帯がなければ旅行できませんよ。そうか、携帯を使いこなせればどこでも一人で行けるのだ。

マンダレーヒルを駆け上がる
サンダムニパゴダからマンダレーヒルへ着いたとき、ちょっとした事件が起こった。タクシーはマンダレーヒル入口で停まった。ここから8合目のエレベータのある場所に行くにはあと5千チャット出せ、という。Aさんは憤激してそれじゃここから歩く、とタクシーを下りた。集まってきたバイタクは一人2千チャット(140円)で上まで行くという。自分はバイタクで行きたいな、と思ったが仕方なくAさんに従う。

マンダレーヒルは高さ約230mで麓から頂上まで1700以上の階段がある。シーギリヤや金比羅さんよりハードだ。マシラの如くひょこひょこ階段を登るAさんについていくのが精一杯だった。インパールで戦った兵隊さんのことを思えば何のこれしき、とは思ったが思いの他の難行苦行、息は切れるし、汗は流れる。頂上からの夕日は美しかったが、日の入りと同時に階段を駆け下りて、元の場所に着いたときは真っ暗になっていた。

その後、喉をビールで潤しながら聞いたところ、Aさんは旅をするために、毎日10キロ、2時間歩いているそうだ。地元加古川市のウォーキング2デーマーチという40キロ歩くイベントにも毎年参加しているとか。

筋肉痛は2日後に来ると思っていたが、翌日には脹脛が痛んだ。2日目は機関車が動き始めに相当のエネルギーを使うがごとく、歩き始めに難儀した。週5日のテニスは毎日10キロ2時間のウォーキングには勝てない、これは厳然たる事実だ。

お金と時間があれば旅ができるというものではない。やはり体力、気力、旅に出ようという熟年のご同輩には、ウォーキングを強くお勧めしたいと思う。




写真はイワラジ河、ミングウォン・パヤー、シンピューメェ・パゴタ、サンダムニパゴダ、マンダレーヒルからイワラジ河を臨む、マンダレーヒルで夕陽を待つ人々