チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

スリランカ旅行(7)

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スリランカ旅行(7)

■長すぎる旅行記
スリランカを旅行したのは11月である。実質8日間の旅であったが、まだ1日目が終わらないのにもう6本もブログを書いている。この調子でいくと旅行記を書き終えるまでに数カ月を費やしてしまう。12月中旬にチェンライ日本人会の忘年会があった。そこで何人かの人に「あれ、何時、旅行からお帰りになったのですか」と聞かれた。旅行記が続いているうちは旅に出ていると思われるらしい。誤解を与えて申し訳ない。でも旅の写真を見ながら、ああ、あの時はと思い出すのもいいものだし、ついでに文章に残しておけば再訪のよすがともなるか、と冗長に書き連ねている。再訪の時間が自分に残されているかは別にして、自分の心覚えのために書いているということでどうかご容赦願いたい。

タイに来て10年、出かけたことのある外国は、ミャンマーラオスカンボジア、中国の昆明、これらは全行程あるいは一部を陸路で行っている。他にはインドネシアウズベキスタンだけだ。今回、スリランカに行ってみてやはり旅には行くものだと痛感した。行けば何かがある。それに行けるうちがハナ、2019年の目標は行こうと思ったらすぐ切符、だ。長期旅行における心配のタネはブログをどうするかであるが、旅に出れば少なくと原稿が10本は書ける。書いてから行くか、行ってから書くかは別にして、とにかく行ってみよう。

■スリー・マハー菩提樹
さて、旅行1日目アヌラーダプラの続きである。紀元前3世紀に遡る寺院、イスルムニア精舎を見物した後に向かったのはスリー・マハー菩提樹である。菩提樹の名前は菩提がゴータマ・ブッダの別名であったボーディー (Bhodhi)から来ている。つまり、「菩提樹」は「ゴータマ・ブッダの木」を意味する。お釈迦さまはこの菩提樹の下で悟りを啓かれた。タイのお寺には必ず菩提樹が植えられている。

でもスリー・マハー菩提樹はそんじょそこらの菩提樹とは格が違う。紀元前3世紀にアショカ王の妹君(王妃あるいは王女とする説もある)がブッダガヤにあるお釈迦様ゆかりの菩提樹の枝を持ち込まれた。それがスリー・マハーの樹齢2000年を越える由緒ある菩提樹である。元祖ブッダガヤの菩提樹は5世紀における仏教弾圧により切り倒されてしまった。その後、その子孫といわれる菩提樹が移植されてはいるが、近年、スリー・マハー菩提樹から育てられた菩提樹が里帰りしてインド、ビハール州、ブッダガヤにあるマハーボディ寺院(大塔寺)に植えられているという。本家、インドでもお墨付きの由緒正しき菩提樹だ。

スリー・マハー菩提樹に行くには参道入口で靴を脱ぎ、下足番に預けなければならない。まっすぐ寺へ続く参道は歩いて10分くらいかかる。小石混じりの道は裸足だと「イテテ、イテテ」ということになる。ガイドブックには猛暑のスリランカでは足の裏が火傷になるので靴下は必須と書いてある。それほど暑くはなかったが自分は木綿の靴下を履いていたので問題なかった。でも砂利道を歩くから安物の靴下は2日ほどで穴が空いてしまった。

参道の両側には遺跡を示す古い石柱や土台があった。またアジアのお寺に付き物の猿が何匹もいる。タイ、プラチュアップキリカーンのワット・カオ タキアップ、チェンライ、メーサイにあるワット・タムプラーなどには猿がうようよいて、目が合うと歯を剥き出して人間を威嚇する。襲われないよう人間は小枝を振り回して対峙する必要がある。でもスリランカの猿は種類が違うのか、人間から少し離れてひっそりと果物のタネなどを齧っている。猿は古寺の境内の風景に融け込んで、全く違和感を感じなかった。

■敬虔なスリランカ
参道の突き当りに白い塀に囲まれたお寺と寺全体を覆うような菩提樹があった。寺が小高く、塀に囲まれているのは象など野生の動物から菩提樹を守るためらしい。山門の男女別々の入り口をくぐる。タイでもミャンマーでも男女別の入り口があるお寺は見たことがないが、スリランカではごく普通のようである。
寺の内部、また建物の外でも100人近くのスリランカ人が座り込んで熱心に祈りを捧げていた。観光地ではあるがここはスリランカでは神聖な信仰の場である。イスルムニア精舎、ルワンウェリ・サーヤ大塔などでも多くの敬虔なスリランカ仏教徒を見た。白い服に身を包んだ彼らの真摯な祈りの姿には感動するものがある。

なお、このスリー・マハー菩提樹の種で育てた、或いは挿し木で増やした菩提樹が日本の通販で売られている。2千円ほどだが0度以下に下がらないところに置けば鉢植えで育つそうだ。傍らに置いて瞑想すれば悟りが啓けるかも。


写真はスリー・マハー菩提樹と寺入口、参道並びに参道脇の遺跡、祈る人、猿