チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

スリランカ旅行(13)

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

スリランカ旅行(13)

■ダンブッラの石窟寺院へ
シーギリヤの頂上から登山道入り口まで20分ほどで下りられた。登りに1時間はかかったことを思うと楽なものだ。シーギリヤは王宮ができる前、それから王都がアヌラダーブラに移ってからも僧院として使われた。それで山道のあちこちに瞑想の石窟、コブラの岩など見所がある。またシーギリヤ名物「スズメバチの巣」も見える。朝、涼しいうちに登るように、と旅行案内に書いてある。これは暑いからというだけではなく、気温が高くなるとハチの活動が活発になり、人の列をスズメバチが襲うことがあるからだ。実際、ハチに刺されて病院に担ぎ込まれた人もいるらしい。ハチの来襲があると登山道は閉鎖される。その時入場料30ドルの払い戻しはない。泣き面にハチだ。いやハチに泣き面か。ともあれ、多少道草してもシーギリヤ観光は午前中には終了する。

土産物店で賑わう駐車場で車が待っていた。ここから世界遺産、ダンブッラへ向かう。距離は約20キロ、シーギリヤを離れてすぐにダンブッラ新市街に入る。市街から1キロ、右手に金ぴかの大仏が見える。この金ぴか大仏が石窟寺院への入り口であるが、寺を右に迂回してなだらかな登り階段のある裏口へと向かった。裏口にもちゃんと入場券売り場があり、約千円の拝観料を支払う。登りの石段はシーギリヤほどきつくはない。登るにつれて、ダンブッラのジャングルの視界が開ける。晴れていればシーギリヤが見えるという。約15分、石段を登り切ると岩山の中腹に石窟寺院があった。まず、履物を預け、番号札を貰って裸足になる。履物は自分で持って歩くこともできるが、下足番への心付け、100円程度を倹約しても仕方ない。

■5つの石窟が有名
ダンブッラの石窟寺院の歴史は紀元前1世紀に遡る。南インドのタミル人による攻撃で都を追われたワッタガーマニー・アバヤ王は仏教僧に助けられ、ダンブッラの洞窟に身を潜めた。後に都をタミル人から奪還した王は仏教僧たちに助けられたことを感謝し、この洞窟を仏教寺院として整備した。そのうちの5つの石窟に重要な仏像が安置され、壁面、天井に色鮮やかな絵画がびっしりと描かれている。山門を潜ると崖に張り付いた長い回廊を持つ寺が目の前に現われる。回廊右手が石窟となっている。資料を基に5つの石窟を概観する。

第1窟デーワ・ラージャ・ヴィハーラ
「神々の王の寺」という意味の名を持つ、ダンブッラ最古の石窟。壁と同じ自然石を彫った涅槃像は14mもある大きさで存在感がある。左右の足が微妙にずれているし、目が閉じられていないところから寝仏と思うが涅槃像(入寂後の釈迦像)と書かれた資料も少なくない。足の裏が赤いのはお釈迦様がスリランカの赤土の大地を歩かれた証拠なのだそうだ。大地が暑くてお釈迦さまも足の裏をヤケドした、という説もあるがこのほうが真実ではないか。

第2窟マハー・ラージャ・ヴィハーラ
「偉大な王の寺」という意味の名を持つ、ダンブッラ最大の石窟。入り口から奥へ行くほど天井が低くなり、56体の仏像と壁や天井一面に、ところ狭しと仏陀の生涯やスリランカの歴史が描かれている。迫ってくるような壁画は圧巻。洞窟内の中央部には壺があり滴が落ちている。岩山の頂近くにも関わらず天井からしたたり落ちる水滴は涸れることなく、「ダンブッラ(水の湧き出る岩の意味)」の名の由来もここにある。重要な儀式にこの水が使われる。僧侶はこの水だけで何も食べることなく何日も過ごす事ができるとか。娘は知り合いの霊能者からこの水はルルドの泉以上の霊格が高いと聞いてきたそうだ。数年前の写真では壺が石窟内にポツンと置かれていたが、今は金網で覆われている。勝手に汲んで行く人がいるからだろうか。

第3窟マハー・アルト・ヴィハーラ
「偉大な新しい寺」という意味の名を持つ、18世紀後半の王キルティ・スリ・ラージャーハーにより造られた石窟。全長9mの寝仏がある。寝仏には天井が迫っていて窮屈そうに見える。寝仏を囲むように57体の仏像がある

第4窟バツィーマ・ヴィハーラ 
「3人の王の寺」という意味のキャンディ王朝の末期(19世紀前後)に造られた石窟。奥にある真新しい黄金の像は、以前、手のひらに観光客が乗って写真を撮り、法力がなくなったとして元の色を全部剥がして塗り直した。塗りが真新しいのはそのせいとか。

第5窟テワナ・アルト・ヴィハーラ
1915年に造られた新しい石窟。第4窟、第5窟は、第1、第2、第3窟に比べると規模が小さく、新しいこともあって仏像の芸術的価値が落ちる。全く有難味がないように感じたのは新しいと聞いたせいだろうか。



写真はハチの巣、石窟寺院外観、石窟内、霊格の高い壺、