チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

スリランカ旅行(6)

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スリランカ旅行(6)

■シンハラ王朝
アヌラーダプラの地に都市を建設したのは、紀元前543年にインドからスリランカにたどり着いたウィジャヤ王(紀元前543年-紀元前505年)である。シンハラ人の祖先と言われるウィジャヤ王は、スリランカ全土を支配下に収めると、各地に入植地を建設した。そのうちの一つがアヌラーダプラだとされる。紀元前377年、ウパティッサ・ヌワラ王国のパンドゥカーバヤ王は、首都をアヌラーダプラへと移しその整備を行い、ここにアヌラーダプラを首都とする王国が成立した。

王国の権威はスリランカ全土に及んだが、その長い歴史の間にたびたび独立した勢力の出現を許すことになった。とはいえ、アヌラーダプラ王はこの時代の終焉(1017年)まで終始スリランカにおける最高権力者とみなされてきた。紀元前3世紀にインドのアショカ王の息子マヒンダにより伝えられた仏教はこの時代大きく勢力を伸ばし、王国の文化、法、そして統治に至るまで多大な影響を及ぼした。(以上ウィキペディアより)

インド亜大陸をほぼ統一したアショカ王アショカ王法勅といわれる碑文を残している。これはダルマの教えを石柱や摩崖に刻ませたものでインド各地、ネパール、アフガニスタンなどに残っている。法勅はブラーフミー文字で刻まれているが、アヌラーダプラで発見された前5世紀初頭の陶片にこのブラーフミー文字が記されており、この文字の使用例としては最古のものといわれている。インドとの交易があったことは言うまでもない。

■イスルムニヤ精舎
アヌラーダプラに数ある遺跡の中で最初に訪れたのはイスルムニヤ精舎であった。イスルムニヤ精舎は元々はスリランカに仏教が伝来して間もない紀元前3世紀に建てられた石窟の僧院だった。 僧院は後に寺院とされ、更に比較的最近になって石窟を覆うような形で、今の岩山をくりぬいた本堂が建てられた。別名「ロック・テンプル」、スリランカ最古の寺院でスリランカ人の尊宗を集めている。小乗仏教はこのイスルムニヤ精舎から東南アジアに伝搬していったと言える。

寺に登る階段の前で靴を脱ぐ。帽子も取らなければならない。階段右手は昔、僧侶が体を清めた沐浴池でその池におい被さるように岩山が迫っている。岩山の途中に窪みがあり、そこにコインが溜まっている。拝観者は通路から3mほど離れた窪みに向かってコインを投げる。投げ銭が上手く窪みにおさまれば幸運がくる(らしい)。Iさんと娘がコインを投げたがなかなか入らない。自分もルピー銅貨が無くなったあと、更にタイの50サタン、25サタン銅貨を駆使して何とかコインを窪みに投げ込むことに成功した。でもサタン銅貨ではご利益も少ないかもしれない。

この日は土曜だったせいか、スリランカの善男善女が多数参詣に来ており、寺の岩山に登る階段は人で一杯だった。岩山のてっぺんからは360度の展望が開け、遠くに仏塔がいくつか見える。わたる風も爽やかだ。


■イスルムニヤの恋人
寺の右手は博物館になっている。Iさんが男女のレリーフを指してこれが有名な「イスルムニヤの恋人」ですという。恋人の像とは、紀元前2世紀のドゥッタガーマニー王の息子サーリヤ王子と恋人マーラであると言われている。マーラが低い身分のカーストだったため、本来許されない恋だったが、王子は身分を捨ててマーラと結婚したのだとか。はちきれんばかりのバスト、細くくびれた腰、へそ出しルックのマーラが王子に寄り添う。王子はマーラの肩を抱き、得意げに歌を歌っている。レリーフから溢れる奔放なエロチシズムは、制作年代が4-6世紀となっているところからヒンズー教の影響を受けているのではないかと思う。ただ同じ構図の男女のレリーフはフロアにいくつかあり、王子とマーラの伝説ばかりでなく、戦場から帰った戦士とその妻、或いはシバ神とその妻パールバーティとする説もある。ともあれ、芸術的にはかなりのレベルであって、ついついタイにある石像、それも多くはクメールのものと比べてしまう。やはりスリランカは文明の栄華を誇った一大先進国である。

■外人価格
参詣人の8割はスリランカ人だったと思う。ここで拝観料を支払ったが、スリランカ人は無料だった。Iさんが8年前に来た時は外人も無料だったらしい。タイでもタイ人は無料、或いはタイ人割引、外人は数倍の外人価格といった施設は少なくない。タイ女性と結婚している人は奥さんに入場料の支払いを任せるため、ご亭主もタイ人価格になることが多い。でもスリランカでは「私、スリランカ人」といっても見た目が完全に違うから、タイと違って外人価格から逃れることはできない。



写真はイスルムニヤ精舎正面、イスルムニヤの恋人、岩山に登る途中、岩山のてっぺんから。