チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

一時帰国と映画

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一時帰国と映画

■葬儀終わる
母の葬儀のため一時帰国した。母の葬式はタイで終わっている。日本に墓があるので簡単な納骨式を行って遺骨を納めよう、と考えていたがお寺のほうでそれではいけない、型通りの通夜、告別式を、と強硬に主張されたのでそれに従った。近頃は家族葬といって葬儀や法事を簡略化、あるいは葬儀自体をしないという家庭が増え、お寺の経営は厳しいらしい。限られた親族と近所のお知り合い2,3人だけだったが、それでも告別式の参列者は20人ほどになった。自分も20年ぶりくらいで黒の式服を着用した。へー、そういう服も着るんだ、と子供たちに感心されたくらい。

タイの葬式では坊さんに拝礼したり、袈裟等を奉納することが儀式の主体。棺桶に入っているいわゆる「ホトケ様」は主役ではない。棺桶が本堂の隅に放っておかれていいのかと思うくらいだった。この点、日本では寺のご本尊の前に母の遺骨、遺影が、左右対称に仏花、供花、花輪が置かれ、いかにも葬儀という感じで自分としても気が落ち着く。それほど大きくはないがタイのベンジャロン焼きの華やかな壺を骨壺としたので、葬儀とはいえ明るい雰囲気が出ていたように思う。方丈は兄の高校の先輩で昔からの付き合い、墓石に母の戒名を掘り込んでくれたのは自分の小学校の同級生とまさに地元の関係、自宅と寺(墓地)が歩いて3分の距離だから、何かとコンパクトに収まった。これで葬儀は一段落したことになる。

■短期間の帰国だったが
公式行事は通夜、告別式の2日だけだから、すぐに帰国してもかまわなかった。でも格安航空券は日によって値段が違う。片道ずつ安い日を選んで買ったらチェンライ、成田間が往復のチケットが3万4千円になった代わりに滞在期間は9日となった。会いたい方は大勢いたが、そのうち何人かにはお目に掛かり、空いた時間には映画を見に行った。今回は「MEG・ザモンスター」、「ミッション・インポッシブル・フォール・アウト」、「ヒトラーと戦った22日間」、それに「バッド・ジーニアス、危険な天才たち」の4本を見た。

バッド・ジーニアスは2017年制作のタイ映画だ。タイ・アカデミー賞14部門のうち史上最多12部門を受賞、アメリカ、カナダ、ドイツ、ベルギーの映画祭でも作品賞を、日本でも福岡国際映画祭で観客賞を受賞している。東京での封切館はわずか1つだけ、その新宿武蔵野館に行ってみた。タイ映画は珍しいし、ネットで前評判が高いとは知っていたが、午前中に新宿へ行ったのに切符はすべて売切れ、わずかに19時45分からの最終回に席が残っていた。

■あらすじ(ネットから)
小学生の頃からずっと成績はオールA、さらに中学時代は首席と天才的な頭脳を持つ女子高生リン。裕福とは言えない父子家庭で育った彼女は、その明晰な頭脳を見込まれ、晴れて進学校に特待奨学生として転入を果たす。新しい学校で最初に友人となったグレースを、リンはテストの最中に“ある方法”で救った。その噂を聞きつけたグレースの彼氏・パットは、リンに“ビジネス”をもちかけるのだった。

それは、より高度な方法でカンニングを行い、答えと引き換えに代金をもらう――というもの。“リン先生”の元には、瞬く間に学生たちが殺到した。リンが編み出したのは、“ピアノ・レッスン”方式。指の動きを暗号化して多くの生徒を高得点に導いたリンは、クラスメートから賞賛され、報酬も貯まっていく。しかし、奨学金を得て大学進学を目指す生真面目な苦学生・バンクはそれをよく思わず…。そして、ビジネスの集大成として、アメリカの大学に留学するため世界各国で行われる大学統一入試<STIC>を舞台に、最後の、最大のトリックを仕掛けようとするリンたちは、バンクを仲間に引き入れようとするが…。
クライマックスに用意された28分に及ぶ史上最大のカンニング・シーンに、観る者は手に汗握り、心臓の鼓動が早まるばかり、とネットの紹介記事にはある。

■イチオシ
この映画は青春映画、心理サスペンス、階級社会を告発する社会劇、あるいは米国のファンタスティックフェスト最優秀スリラー作品賞を得たようにスリラー映画としても楽しめる。貧しい女子高生リンの成長物語でもあって、結末に向かっていくにつれてリンが次第に美しく、精神性のオーラを強めていく様子も自分としては見所と思う。またリンに対する貧乏教師の父の愛情には思わず胸が熱くなる。笑ったり、泣いたり、ハラハラドキドキと様々な場面がテンポよく展開する。

日本のタイ好きはぜひ新宿武蔵野館へ足を運んでください。決して後悔はしません。



写真、最後の2枚は映画comより借用