チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ミャンマーの旅(4)

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ミャンマーの旅(4)

■人は左、車は右
懐にある程度の余裕がある我々熟年4人組は、雇いあげのタクシーでミヤワディからゴールデンロックのあるキンプンを目指すことにした。当日9時にホテルに来た車は7人乗りのバンタイプ。かなり古びているが日本の中古車である。どこでも日本車が走っている。ある調査によるとミャンマーの登録車数50万台のうち9割以上が日本車という。2011年の民政移管で中古車輸入が増えたこともあるが欧米諸国から経済制裁を受けている間、タイから細々と日本製中古車が輸入され、それを何十年も大事に乗ってきた、という経緯もあるらしい。

日本車ということは当然、右ハンドル。ところがミャンマーは車は右側通行となっている。右側通行で右ハンドルというのは危険で、運転もしづらい。日本の道路で左ハンドルの外車を運転するのと同じだ。追い越しするにも、前方を確認するには、大きく対向車線にはみ出さなければならない。片側2車線の道路が整備されていればまだしも、ミヤワディからヤンゴン間は、ほんの2,3年前まで隔日片側通行のお寒い道路事情だった。

アジアで日本と同じ左側通行の国は、マレーシア、シンガポール、香港、インド、パキスタンなど英国の植民地だった地域が多い。同じく英国の植民地であったミャンマーも左側通行だったが、1970年に当時のネ・ウィン政権が旧宗主国の名残を消そうと、自動車通行を左側から右側へと変更したという。

バンには運転手の奥さんと思しき女性が助手席に乗っていた。遠出する亭主の車に便乗して途中まで行くのかと思っていたがおりる気配はない。やがてわかったことは左側に座った奥さんが前の車を追い越す際、対向車線を確認し、亭主にグー・パーで安全確認を行う、夫婦で安全運行ということだ。

ミヤワディ市内を抜けると山道にかかった。以前はこのあたりがネックとなっていたのだろうが、タイの援助で整備されたという道路は全く問題がない。却って平地の道の両側に家が立ち並ぶ村や町の中の道路のほうがでこぼこが激しい。古い車だからスプリングかダンパがいかれているのでは、とガソリンスタンドに停まった時に車の下を覗きこんだくらいだ。道路事情はその国の経済状況を反映する。ミャンマーがタイに追い付くには相当な時間がかかるのではないか。

■奇跡の岩、ゴールデンロック
モン州キンプンにチャイティヨー山がある。その山の頂上に高さ6.7メートル、周囲25.6メートルの今にも転がり落ちそうな大岩があり、その岩の上に高さ、7.4mの仏塔が建っている。仏塔と大岩は金色に輝いている。これがゴールデンロック(チャイティヨー・パゴダ)だ。何度も地震にあっているが、仏様のご加護でまだ転げ落ちていない。ミャンマーではヤンゴンのシュエダゴン・パゴダ、マンダレーのマハムニダ・パゴダに次ぎ、三番目に重要な仏教巡礼地とのこと。

バンを下りて山の麓から参拝専用トラックに乗る。一般の車は通行禁止。五十鈴鋼材と書かれた4トントラックには板のベンチが7列、1列に6名座る。満員になり次第出発。一気に1000ⅿ近く山を登る。さすがの日本車でもローでないと登れない急坂もあり、ちょっとしたジェットコースター気分を味わえる。約1時間で山上へ着く。ここから徒歩で岩のある聖域まで登っていく。外人の中には20ドル払って4人で担ぐ輿に乗る人もいる。金毘羅さん参りほどではないが、結構な距離だ。聖域への入場料は6000チャット、約500円。

階段を上ったところに聖域に向かうゲートがあり、ここで裸足となる。今回スニーカーを穿いてきたがこれが大失敗。この後もお寺に行くたびに靴と靴下を脱がなければならなかった。旅慣れた同行者たちは皆サンダル、スタスタと歩いて遠ざかっていく。

■夕陽の中で
ゲートからゴールデンロックまでは10分足らずであるが、細い道を登る人、下る人で原宿表参道並みの混雑。大岩の手前は大理石の広場になっていて、何千人もの善男善女が思い思いに茣蓙を広げ、夜っぴてのお籠りに備えていた。ミャンマー人ばかりでなく、タイ語も聞こえるし、思ったより西欧人が多い。

ホテルは山の上のチャイティヨーホテル。場所柄で一室100ドル超と高い。一度荷物を置いて、夕焼けのゴールデンロックを撮影すべく、再度大岩に向かう。2日前はチェンマイのロイクラトン最終日で満月、この夜も大きな月が空にかかる。参詣人や坊さん等の団体が益々、増える。

夕陽を受けて金色に輝く大岩をバックに坊さんもファランも参詣人も写真を撮る。遠景の大岩が手のひらに乗るようなアングルで写す人も多い。誰かかやって、これは面白いと広まったのだろう。(続く)




写真はピックアップトラック、あとはゴールデンロックと広場