■日本礼賛番組
最近、「世界!ニッポン行きたい人応援団」、「すごいぞ日本」、「日本に来た外国人が驚いたこと」といったユーチューブを見ている。何かというと日本はダメだ、遅れている、果ては独裁のアベ政治は許さない、などという反日日本人がいる中で、外国からの日本賞賛の声を聴くことは嬉しい。子供でも誉めて育てる方が、お前はダメな子だ、と貶して育てるよりもいい子に育つ。外人に褒められたからと言って、今からいい子に育つわけではないが、少なくとも気分は良いし、自分では当たり前と思っていたことが案外、すごいことだったりする。また、外国人のほうが深く日本の伝統文化を理解していることに気づき、自分の勉強不足を恥じることもある。
外人が感嘆することというと、例えば、ハイテクトイレ、夜間独り歩きしている子供や若い女性、接客の丁寧さ、時間通りに来る交通機関、どこにでもある自動販売機、通りにごみが落ちていないなど、秩序、清潔、親切、安全、誠実、こんな言葉に代表される事柄のようだ。
自分もチェンライに住んで、8年目、タイのユルさを好ましく思うこともあるが、雑然とした街並みや生育状況バラバラの稲田などを見ると、何事も整然とした日本が恋しくなる。
先日、電球を買いに家電量販店に行った。これと同じ電球はありませんか、と聞いたら、店員は即座に「マイミー(無い)」。でも陳列棚を見たら同じものがあった。無いと言えば外人との面倒事は生じないし、働かないですむ、ということか。散髪を10時に予約しておいたが、開店時間は10時半だった。前を走る車の窓からバナナやライチの皮が飛んでくる。こんなことはごく普通。
■訪日外国人の9割は非白人
2015年に訪日した外国人の数は約1974万人。そのうち4人に1人の25％が中国から、以下、2位韓国20％、3位台湾19%、4位香港8％、それにシンガポールを加えれば全体の75％が日本人と同じ肌の色の韓国、中国系で占められる。他のアジアやアフリカ系を加えれば訪日外国人の9割は白人ではない。
ところがテレビ局が街角、空港で話しかける外国人と言えばどういうわけか白人ばかり。「Youは何しに日本へ」という無遠慮を絵に書いたような番組があるが、これも白人中心。「世界!ニッポン行きたい人応援団」でも日本にご招待される外人と言えば東欧、中南米を中心とした白人だけである。
日本人にもタイ人と同じく白人コンプレックスがあるのだろうか。タイでは白人をファラン(フランス人)と一括りにして呼ぶ。子供からファラン(外人)と言われたことがあるが、日本人は多少色が白くても通常、タイ人からファランとは呼ばれない。
そういえば、2000年前後TBSで放映されていた「ここがヘンだよ、日本人」ではアフリカやアジア、印パキあたりの外国人が出演していたが、過激な発言の応酬で番組が壊れることがあった。やはり欧米、ま、豪州、ニュージーランドあたりの白人に限定しておけば、番組作りがスムースに行くということか。テレビ局に言わせると、アジア系外国人は英語が通じないので、と言い訳をしているがそれだけではないだろう。白人優先に関しては何か文化的背景があるような気がする。
■親日国タイ
さて、訪日観光客の4位香港8％(150万人)の次が5位米国の5％で100万人、そしてタイが第6位4% の80万人となっている。2010年にタイから日本に来た観光客は21万人だったから4倍近くの伸び率だ。更に注目すべきは2回以上日本に行ったことがあるというリピーターが7割近くを占める。タイの片田舎に侘び住まいする身であるが、周りで日本に行った、というタイ人は少なくない。カタコトの日本語で話しかけてくる人もいる。
その親日国タイで「日本に行ってはいけない！」というユーチューブが話題になっていた。
1.日本食が好きな人は行ってはいけません！
なぜなら・・・
2.特に女性はアメ横の多慶屋。通称「紫のビル」には絶対に行ってはいけません！
なぜなら・・・
3.日本のＵＦＯキャッチャーを知ると、タイのＵＦＯキャッチャーでは遊べなくなってしまいます！
なぜなら・・・
4.初めて京都を訪れた人はきっと失望します！
なぜなら・・・
と15項目にわたって日本に行ってはいけない理由を述べているのだが、結局のところ、日本大絶賛になっているという話。切ないほどの日本傾倒ぶりだ。タイ好きの日本人はいるが、日タイを比較すればタイの片思いと言っていいだろう。
日本に行きたい、というタイ人は多いが、「世界!ニッポン行きたい人応援団」で日本にご招待して貰うのは・・・、白人でないからまあ無理かなあ。
