チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ドーピング剤

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ドーピング剤

シャラポワが禁止薬物
女子テニスで元世界ランキング1位のマリア・シャラポワ(28)=ロシア=が7日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのホテルで記者会見し、1月の全豪オープンのドーピング検査で、禁止薬物の陽性反応が出たことを明らかにした。米メディアが報じた。

ホー、シャラポワって28歳になっていたのか。自分も年取るはずだ。動画と静止画像の両方が撮れるというキャノンのDVカメラのCMに出ていたのは10年も前のことである。赤い服を着て「ダブルOK」と連呼してたっけ。あの時彼女は16歳、清楚で可憐。タシケントの街角に行けばシャラポワそっくりの少女があっちにもこっちにも歩いていると聞いて、ウズべキスタンに行った、というのはウソであるが、あまりテレビを見ない自分があのCMを今でも覚えているということは、強烈な印象があったということだろう。

シャラポワが使用したドーピング薬品は「メルドニウム」という。狭心症の薬としてラトビアグリンデクスという製薬会社で製造、販売されている。ロシア、リトアニアでは認可されているが、日本では認可されていない。
効能としては、慢性心不全心筋梗塞、気管支肺疾患等に対し、体液性免疫を活性化し心臓を保護する作用がるという。要するに血液の循環を活発にする作用がある。心臓ばかりでなく血の巡りがよくなるため、脳の代謝を活性化して、元気が出る。アスリートや通常の人でも、持続力、耐久力の向上、疲労からの回復力向上、抗ストレス性の向上が見込める。ワシントンポスト紙によると、メルドニウムは1980年代にアフガンに侵攻したソ連軍兵士に、耐ストレス目的で定期的に服用されていたという。

■禁止されてなければ
最高の技量と持久力を争うプロ選手であれば、ドーピング指定薬から外れていれば当然服用したい薬だ。ロシアでは認可されているし、事実、多くのオリンピック選手が使用していたという情報もある。40年ほど前の五輪水泳で東ドイツが突然、金メダルを量産した。また金メダルラッシュで名をはせた中国女子陸上の馬軍団も記憶にある。これらはすべて国家を巻き込んだドーピング漬けの成果であったことが今では明らかになっている。東ドイツの水泳選手はその後、若死もしくは廃人、生まれた子供も奇形児ばかり。

メルドニウムは2016年1月1日からWADA(世界アンチドーピング機構)によって、禁止薬物リストに追加された。シャラポワがドーピング検査で陽性とされたのは1月16日の全豪オープンのさなか。メルドニウムがドーピング剤に指定されたことを知らなかった、というが10年にわたってメルドニウムを服用してきたのだから、禁止と分かってからやめても陽性反応は出ただろう。糖尿病の家系なのでメルドニウムを飲み続けていたというが、医師の医療用の処方では、通常、4-6週間の服用とのこと。医師が10年間もメルドニウムを処方し続けることは考えられない。体調維持に人一倍神経を使うプロであるシャラポワが薬の効能効果を知らないはずがない。メルドニウムは病気治療のためではなく、テニスのパフォーマンスを上げるために飲んでいたと言って間違いないだろう。

タイに来てテニスをやるようになり、ユーチューブでもプロテニスの試合を観戦する。チェンマイに行く楽しみの一つはホテルのサテライトテレビで、プロテニスのゲームを見ることである。シャラポワはキャーとか奇声を上げながらサーブを打ち込んでいたが、あのハイテンションは薬のせいであったか。

■一般の人も
メルドニウムはロシアのインターネットサイトでは結構人気があり、入手に時間がかかるものの、250咤40錠が約4千円、500咤60錠が約9千円で買える。入手しやすいし、シャラポワが10年間も飲み続けても、目立った副作用がないところを見ると、アスリートばかりでなく、一般の学生や勤め人も飲んでいるのではないか。脳の代謝が活性化し、ストレスを感じない。つまり、試験や面接で上がったりしない、いつも通りか、それ以上の能力を発揮できる。入試の前に、重要なクライアントへのプレゼンの前に、プロポーズの前に一錠・・・・

早くからメルドニウムを知っていたら、好きな女の子に「あんた、バッカじゃないの」などと言われずに済んだかもしれない。でもそこまでしてねえ、という気もする。
そこまでしてねえ、という気持ちは大切と思う。多くの日本人アスリートにもドーピング剤の誘惑があったと思うが、清原選手のような例外を除き、怪しい薬にには手を出さない。そこが日本人の道義性の高さというものではないかと思う。