チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

覇権国のはざまで

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覇権国のはざまで

■沖縄は中国領土
以前から危惧されていたことだが、中国が尖閣諸島の次は沖縄領有を目指していることが明らかになってきた。
以下は、産経新聞7月14日付の「中国高官『沖縄は属国だった』」と題する記事である。

沖縄・尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権問題に絡み、中国国防大学戦略研究所所長の金一南少将が「沖縄は中国の属国だった」との“暴論”を展開していたことが13日までに明らかになった。現役軍高官の発言だけに、波紋を呼びそうだ。

中国国営ラジオ局、中央人民広播電台のウェブサイトに掲載されたインタビューによると、金氏は「釣魚島問題に関しては、必ず行動を取ることが必要だ。さらに大きな見地からみれば、今後(議論を)始めなければならないのは沖縄の帰属問題だ」と訴えた。

金氏は、日本が1879年以降、「琉球」を強制的に占領し、住民に琉球王室や当時使われていた清国の年号や銅銭を忘れさせるために「沖縄」と改名したと主張。日本の占領を認めるに足る国際条約はないなどと持論を展開した。

さらに「沖縄は当時、独立国家として中国の属国で、中国との関係が非常に近かった」と世論を扇動。中国のインターネット上には「琉球群島は中国の属地だ。日本は出ていけ!」「人民解放軍よ、早く琉球を解放して」などの過激な意見が寄せられている。(引用終り)

琉球は江戸時代、薩摩と清に朝貢していた。中国にとって「中華人民共和国琉球自治区」や、「中華民族琉球自治区」という言い方はごく自然なものなのだろう。チベットも清に朝貢していた歴史があり、それを理由として中共軍はチベットになだれ込み、今も暴虐の限りを尽くしている。

■覇権国のメンツ
ある人から「中国は歴史的に覇権国だったのです。それが普通と思っているからここ100年の歴史が異常だ、今はそれを正すだけと思っているのでしょう」という指摘を受けて、なるほどと得心した覚えがある。今、世界で覇権を求める国は中国と米国だけだろう。覇権国というのは身勝手なものだ。
民族自決、民主主義を唱えながらも米国はハワイを奪い、パナマを略取し、フィリピンを植民地にした。シンクタンクに勤めていた頃、米国の大学の先生に「米国は自由競争と言いながら低価格、高品質の日本車に高関税をかけ、輸出自主規制を強要し、ビッグ3を保護し、結果として米国の消費者の利益を損なった」と論難したことがある。先生は「それがヘゲモニー(覇権)というものだよ」とあっさり切って捨てた。力のあるものの前には正義、公正などそれほど意味はない。

世論調査によれば中国に悪印象を持っている日本人は8割を越えたという。でもいくら中国が嫌いな人でも「中国殲滅」などと言わないだろう。評論家石平氏の話では、中国人は「日本殲滅」と普通に言っているらしい。

中国が覇権国の歴史から逸脱した100年は「東夷」と見下していた日本に負けたことに始まる。1894年から95年にかけての日清戦争である。
それまでに清国は阿片戦争で列強に不平等条約を強制されていたが、日清戦争後は鉄道の敷設権や要地の租借権を奪われ、実質的な植民地に転落した。
恨むなら欧米列強を恨めと言いたいところだが、当時は白人崇拝の念があったから、こうなったのは全て日本のせいと怨念を持つに至った。

日中戦争でも負けた
大東亜戦争で日本は装備に勝る米国には負けたが、オランダ、英国そして中国には勝っている。

中国戦線では徐州作戦、中條山会戦、太原会戦、大陸打通作戦など主要会戦では日本軍がことごとく勝利している。なお、中共軍は太原会戦を除き、戦闘にはほとんど参加しておらず、当時は匪族扱いと言ってよい。数に勝る国民党軍に日本が連戦連勝だったのは、日本軍の装備が国民党軍のそれを上回っていたから、ともいえる。中共軍が力を持つのは、ソ連が日本の武装解除で得た大量の武器を中共軍に引き渡してからのことである。後に毛沢東田中角栄首相に日本の武器のおかげで国共内戦に勝てましたと謝辞を述べている。

ともあれ、負け続けた中国は覇権国中華の誇りを傷つけた日本を「殲滅」しなければ気が済まないという感情がある。
覇権国は力を背景に利己主義に走る。米国だって覇権国であるから「まあ尖閣諸島の領有権を認めるから、沖縄には手を出さないで欲しい」といった妥協で中国との対決を回避する可能性がある。極東辺境の無人島のためにどうして米国青年の血を流せるか。

中国の属国になるのか米国の属国にとどまるのか、それとも真の独立の道を辿るのか、日本は今、大事な岐路に立たされているような気がしてならない。

写真はアカ族の幼稚園にて