チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

国際シンポジウムを聴講

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国際シンポジウムを聴講

■人間関係と酒食
経産省系のシンクタンクや直接金融の財団法人に出向していた時、よく政治経済、環境、ベンチャー関連のシンポジウムに出席した。こういった会議に参加するのも仕事のうちだった。講演やパネルといった公式行事のあい間に開かれるコーヒーブレイクやパーティでいろいろな人と会って最新情報の交換を行う。会議には同じような顔ぶれが集まるから自然と親しくなる。大学研究室やオフィスに、宴会で知り合った人を訪ねて、とりとめのない話をして、講演、寄稿の約束を取り付けたりする。

気が合いそうな人であれば大学の先生であれ、外人であれ、飲みに誘う。人間、話せばわかる、といったものではない。「話せばわかる」ではなく、人間、「飲めばわかる」ではないかと思う。「シンポジウム」の語源はプラトン哲学書「シンポシオン」に遡るが、その意味は「共に飲むこと」だそうだ。彼の著書「シンポシオン」は「饗宴」と訳されている。飲み食いは相互理解の第一歩だ。

■チェンライの国際シンポジウム
前置きが長くなったが、5月のある日、京都大学とタイのラジャマンガラ工科大学の共催による「第9回エコ・エネルギーと材料科学および工学に関するシンポジウム」(9th Eco-Energy and Material Science and Engineering Symposium)がチェンライのウィアンウィンホテルで開催された。
たまたま、兄の知人がこのシンポジウムのチェンライ開催を知り、参加を勧めてくれた。自分もこういった会議には数知れずというほどではないが、何度も参加しているので、久しぶりにアカデミックな雰囲気に浸ろうと、兄にくっついて足を運んだという次第。
もちろん招待者ではなく、受付で「レジストレーションフィー、一般参加者300ドル」と書いてあるボードを見てちとビビったが、用紙にサインをしただけで、お食事券やB5版150ページの予稿集の入ったシックな布袋を受け取ることができた。こういったタイのおおらかさがなんと言ってもうれしい。

シンポジウムには日、タイ、米、韓など内外から150名を越える関係者が集合した。
初日の午前、パーデュー大学のコーワン教授が「将来の持続可能な発展のための建築」、垰田教授が「光触媒によるPCB処理」、小西京大教授が「福島原発の現状」といったタイトルでそれぞれ基調講演を行った。

午後と2日目は「エネルギー技術」、「ナノテク、材料技術」、「環境と社会的影響」など7つの分科会で、150題もの発表が行われた。発表者は会場でもポスターセッションを行っていた。タイの学生が中心であるが、ポスターはカラーの写真印刷で、見やすさに気を使っている。
共催者代表である京都大学の副学長、吉川先生の説明によると、タイの学生の発表内容、プレゼンテクニックは、ここ数年、見違えるように向上したという。このシンポジウムは留学生だったラジャマンガラ工科大のソンマイ先生と京都大学がごく小さい規模で始めたものであるが、今ではモンクット工科大、チュラロンコン、チェンマイ、カセサート、タマサートなどタイの主だった大学はもちろん、世界各国から研究者、学生が集うタイを代表する学術シンポジウムとなっているという。

プラトン先生もきっとご満足の饗宴
1日目の夜にホテルでレセプションがあった。我々はどういうわけかラジャマンガラ工科大のソンマイ先生夫妻、京都大学の小西先生、韓国大邱大学のチェ教授達が座る上座のテーブルに案内された。タイ料理はおいしいし、きれいなお姉さんがいくらでもビールを注いでくれるし、といったことですっかりご機嫌になり、チェ先生には韓国語、ソンマイ先生にはタイ語のカタコトでサービスにこれ努めてしまった。壇上ではタイヤイ族のお嬢さん4名によるあでやかな民族舞踊が演じられ、其のうちタイの女性教授や日本の大学の先生によるカラオケ大会が始まった。日本の先生が「昴」を歌おうとしたが、テレビ画面がタイ語のためか絶句。それに引き換え、タイの先生は教授になるには歌唱力の審査があるのか、と思うくらいみな歌がうまい。

やがてタイ、日、米、各国の学生や先生、10名くらいが壇上に上がり、ピッチャーに入ったビールの一気飲み国際対抗戦を始めた。この競争にはチェ先生も参加していたと思う。シンポジウムのレセプションに出た覚えは数々あるけれど、これほど盛り上がったパーティは初めてだ。タイ独特のホスピタリティだろう。

福島原発の現状」の基調講演をされた小西先生がお隣りの席、原子力の安全性について目からうろこの貴重なお話を聞かせて下さった。しかし、酔っていたので記憶があやふやだ。誰かが飲ませてくれたら思い出せるかもしれない。


写真一番上が「オーガナーザー、講演者」、下へ「会場風景」、「ポスター・セッション」、「レセプション」、「民族舞踊}、「一気のみ」。