チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

年功序列

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年功序列

前号で賞味期限切れ商品を安く買えないものかと書いたら、早速友人より下記のようなメールが来た。
(引用開始)
賞味期限、貴兄の認識は、ちとあまい。日本では賞味期限が切れたら売れないのではなく、残りが少なくなったら、売れなくなる。商品によるが、1年持つものは、残り2、3ヶ月になると、店頭から姿を消します。で、賞味期限が少なくなった商品を集めて、特売をしている店があります。
http://www.tokubaiya.com/
これは、絶対に覚えておいたら良いよ。全てがそうでは無いが、時々、半額以下の商品が出ます。しかも、消費期限、残り、2ヶ月なんてね。先日 order をして、野菜ジュース、4月に賞味期限が切れる奴を2ダース買いました。
(引用終わり)

早速ホームページを開いてみると、期限切れではないが賞味期限切れ間近の商品が激安で購入できることが分かった。こういった情報は実に有難い。帰国したら早速利用したい。登録しておくと、「あなただけの特売情報」をメールで知らせてくれるとのこと。期限切れが近づくにつれて値段は安くなっていくようだが、最終的に賞味期限が切れたものはどうなるのだろう。期限切れ直前にみんな引き取り手が見つかるのだろうか。

さて、JICAの派遣者の任期は原則2年である。在任1年半を越えると、もうすぐですね、帰ったらまず何を食べますか、などの声がかかってくる。1年半を越えれば年はともかくとして、在ウ邦人長老の部類に入る。JICAに国会やNGOの調査団が来れば説明役として駆り出される。日本語弁論大会の審査員も頼まれる。日本人の勉強会の講師を頼まれる。歓迎会、送別会でも上座に座らされる、ということはないが一応、それなりの敬意が払われているような気がする。

日本では年功序列制度という麗しいシステムが崩れたといわれている。しかしまだまだ先輩に一目置くという美風は残っているし、どこの会社でもMBAを持つ20代、30代の部長の下で40,50のおじさんが働くという光景は一般的なものではないだろう。

考えてみればウズベクではサラリーマン生活なら30年以上かかる年功序列の階段をわずか2年で上り詰めることになる。なんと言っても他の隊員、SVより長くこちらにいるので、「俺の来たときのウズベクはこんなものでなかった」とか「4月からイチゴは出始めるが6月になって1キロ80円になるまで待て」とか「銀行で両替したら、その場で枚数を数えてあっているか確認しろ」などといわれると、新入りはハイとしか答えようがない。でも銀行では紙幣カウンターを使っていますよ、と口答えしたら「中西さん、こちらの機械が信用できると思っているのですか」と怒られたことがある。

自分もそうだと思うが、相手がそれ、ウソでしょうなどといわず、素直にはいはいと聞いてくれるものだから、親切心半分、先輩風半分でいろいろなことを新人にしゃべりまくる。長くいる、といってもたかが2年、数少ない体験を基にしてしゃべるので、あとで確かめてみたら実際は違っていたというケースもままある。でも年功序列のトップに立つ長老の言うことだから、みな表立っては非難しない。

それどころか、長くいるということで皆さん立ててくれ、各種会合ではスピーチを求められる。長老SVと新人SVの際立った違いの一つはスピーチの上手さである。慣れてくると声を大きく出して、メリハリを利かせ、ちょっと面白いことも入れる。なかなか聞かせるスピーチをする人が多い。新人は「・・・というわけで粉骨砕身、業務に専念する所存でございますので、よろしくご指導ご鞭撻を賜りますよう・・・」といったスタイルが多い。

自分も着任当初は謙虚だったような気がする。それなのに初心を忘れ、みなが長老と立ててくれることをいいことに、ちゃんと確かめもせずに自分の経験だけがすべてのように言いふらしたり、書き飛ばしたりしているのでないか。最近そういった内心忸怩たる思いがある。

あと2ヶ月余り、心を引き締めて粉骨砕身、業務に専念したい。