チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ドイ・パータン再び

岩の間からラオス領を見下ろす。生憎の霧で何も見えない

道しるべ

102山頂で

下るときメコンが見えた

本来であれば尾根伝いに向こうに見える山へ登る

プーチーファ、標高1628m

 

ドイ・パータン再び

■国境の山

チェンライ県はミャンマーラオスの両国と国境を接している。タイ国最北端、チェンライ県のメ―サイはミャンマーへの入り口だ。メ―サイから30キロほど離れたチェンセーンからはメコン川を見下ろす高台からミャンマーラオス、そしてタイの国土が一望できる。東南アジアの三国峠といった趣だ。もちろんメ―サイ、チェンセーンは県の観光名所である。

でも誰もが知っている、少なくともタイ人にはおなじみのチェンライの観光名所といえばプーチーファだろう。プーチーファとはタイ語で「空を指す山」だ。チェンライから東へ約110キロ、タイ・ラオス国境に位置する標高1628mの切り立った断崖絶壁の山だ。乾季、特に正月の早朝は、ラオス側は雲海に覆われ、その雲海から昇る朝日を拝もうと多くのタイ人が押し寄せる。その美しさ、壮大さの故をもって「死ぬまでに行きたいタイ北部絶景6選」のトップに挙げられている。

だが、雲海の素晴らしさではプーチーファに勝るとも劣らないと、最近評価が高くなったのがプーチーファから30キロほど離れた、同じくラオスと国境を接するドイ・パータンだ。ドイ・パータンはタイ語で「切り立った山」を意味する。やはり標高1600mを超える断崖絶壁からラオス領を見下ろせる景勝地だ。

プーチーファ、ドイ・パータンにそれぞれ20回以上訪れているNさんもドイ・パータン推しの一人だ。昨年11月、彼とIさんに連れられてドイ・パータンにバイクツーリングをした。

 

■日本人会有志遠足

またドイ・パータンに行きませんか、というお誘いをI さんから受けた。今回はバイクではなく、Gさん、Kさんの4人連れ、現地でバイクのNさんと落ち合う。ご来光を見るには朝暗いうちに麓で待機しなければならない。平均年齢70を越えた身には辛い。だからご来光は始めからパス、ちょっと山に登って、ふもとの雲南料理を食べるのが主目的の遠足だ。

昼前にドイ・パータン登山口についた。ここから10分ほど登ると大きな石の開口部であるチョンパボンに出る。俗にいう「天の岩戸」で岩と岩の間から、曲がりくねったメコンを遠望できるのであるが、ラオス側が霧に覆われていて何も見えなかった。ここから15分ほど歩いて山頂の102ビューポイントに出る。ドイ・パータンには山頂に102とか103の名前がついている。日露戦争203高地ではないが、これらの山頂はその昔、タイ軍が攻め上るパテト・ラオと戦火を交えた要衝で、当時の塹壕や土嚢が残っている。

トレッキングなら2時間ほどかけて3つの山頂を尾根伝いに巡り歩くのであるが、平均年齢70歳超であるので、102でラオス側を見下ろして麓に戻った。ほんの30分の間に霧が晴れて、メコンを眼下に眺めることができてラッキーであった。

 

■昼餐のあとプーチーファへ

ドイ・パータンは中国系の少数民族が住んでいて、タイ語、中国語が話されている。この村は梅の里で、Nさんに連れられて梅酒用の青梅を買いに来たことがある。この村に土城飯店という雲南料理のレストランがある。Nさんご推薦の店だ。食事を一緒に、と日本人会会長のTさんご夫婦が待っていてくれた。自分も入れて7人の賑やかな昼餐となった。この店の看板料理は豚足煮(雲南猪脚)だ。中国駐在経験の長いGさんもこの味には大満足、マントウがほんのり甘い。さらに揚げマントウを頼んだら練乳がついてきた。ドーナッツのようでこれも美味しい。自分はさらに白飯を頼んで豚足の汁をかけて食べたので、体重が1キロは増えたと思う。

ドイ・パータンは標高1600mを越えているそうであるが、その麓にある土城飯店も標高1300mはある。山裾から上がってくる風は冷たく、長袖が必要なくらいだった。チェンライより数度は気温が低い。雨季の間の晴れ間、空気は澄んで冷たさが心地よい。チェンライ市内では体感温度42度とかの日々を過ごしていたので、この冷涼さは同じ県内とは思えないほどだった。

Gさん、Kさんは、ドイ・パータンもプーチーファも初めて、というので、昼食の後、プーチーファに寄った。山頂まで400mのところに駐車場がある。400mなら老人でもなんとか登れる。プーチーファの断崖絶壁に足が竦むが、岩頭からの眺めは素晴らしい。ハイシーズンには、登山道、山頂はぎっしり人で埋まるという。でも今は季節外れ、日曜というのに、山頂で出会ったのは小学生の子供3人を連れたフランス人一家だけ。そういえば土城飯店でもドイ・パータンでも我々だけしかいなかった。雄大な自然をほぼ貸し切り状態で満喫、チェンライはいいな、と改めて思った遠足だった。