チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

4月と言えば

 

ソンクラーン期間のサンサーイ市場、店も客も少ない

ソンクラーンのタンブン

木の枝を挿し、バケツ一杯の砂を奉納する。砂は寺の工事に使われる

タンブンする母娘、お母さんが美人なので撮った

パーユの強風で折れた枝

パーユで倒れた木、根は殆ど張っていないことがわかる

 



4月と言えば

■水かけ祭り

今年もタイ正月であるソンクランとは無縁で過ごした。日本のテレビニュースでもソンクランの水かけが放映されていたそうであるが、タイ全土、津々浦々で水かけをやっているわけではない。チェンライでも市内のサンコンノイ通りなど特定の場所にピックアップトラックが集結し、対向車、歩道からの盛大な水かけ合戦が行われる。家の前を走る1020線には荷台に子供たちとドラム缶をのせたトラックが続々と市内に向かっていた。

自分もチェンライに来た頃、知人のピックアップに乗って水かけに参戦した。当時から酒を飲んでの水かけはやめよう、氷入りの水はやめようとかいろいろと禁止事項はあったが、ルールはあっても守られるかどうかは別、のタイであるから、水かけ密集地帯では渋滞の車の運転手にラオカオを勧めるのは当たり前、交通整理にあたっている警官にもコップ酒が渡され、警官も笑顔で受け取り飲み干す。こういった大らかというかハチャメチャの世界が繰り広げられたものだ。

鹿児島からテニス合宿に来られているご夫妻も水かけ合戦に参加されたそうだ。びしょ濡れになって楽しまれたようだが、氷入りの冷水を背中から掛けられて、思わず絶叫、ホテルに帰ってみたら微熱が出て翌日は静かに寝ていたという。文字通り、年寄りに冷や水だったようだ。

ソンクラン?家で静かに過ごしていましたよ。チェンライに来た頃、先輩は物憂げに答えていたものだ。自分もタイに暮らして10余年、同じセリフを呟いている。

 

■30度なら涼しいけれど

ソンクラン期間中も朝の日課のテニスには行ったが、さすがにタイ人は来ていなかった。ソンクランは水かけで有名だが、本来は宗教行事であるから、お寺にタンブンに出かけたり、年長者に糸を手首に巻いてもらったりと、結構忙しいようだ。ソンクラン期間中に近くのサンサーイ市場に行ってみたら、大半の屋台は休みで客もちらほらしかいない。1月元旦、旧正月の中国春節よりも少ないのではないか。やはりタイの庶民にとってはタイ正月ソンクランが一番、新年(ピーマイ)を意識するときのようだ。

ソンクランは暑季真っ盛りである。気温は40度に上がる。暑くて勉強などできないから学校も夏休みである。暑いから水かけは氷水でない限り、掛けるほうも掛けられる方も爽快かもしれない。以前、暑季なのに気温が上がらず、日中30度前後の曇天のもとで水かけをやったが何となく気分が乗らなかったことを覚えている。

タイ中部では最高気温40度半ばというところもあったようだが、北タイ、チェンライでも40度前後に気温が上がった。フォルツァ350には温度計がついている。道路の照り返しもあり、気温40度でも体感温度はそれ以上となる。熱風の中を80キロで飛ばしても全然、爽やかでない。

 

■とうとう雨が降った

早く雨季が来ないかな、スコールが来ないかな、と心待ちにしていたところ、4月も下旬となってやっとパーユ(暴風雨のスコール)がやってきた。うだるような暑い日の夜半、急に風が吹いてくる。チェンライでは年間を通して殆ど風が吹かない。木々を大きく揺らす強風はパーユの前兆とすぐわかる。風は雲を呼び、雲また雨を呼ぶ。やがて稲妻の閃光、それに少し遅れて雷鳴が聞こえてくる。そして数分もしないうちに大粒の雨が降ってくる。時には雹を伴うこともある雷雨である。何十日も晴天続き、それも後半は煙害に霞む太陽の下での高温だったから、我が家の庇にバラバラと当たる雨音を聞いたときには思わずガッツポーズをしたくらいだ。「好雨知時節」は杜甫の「春夜、雨を喜ぶ」の一節でスコールとは全く関係がないのだが、北タイの片隅で、オー、やっと雨が降ってくれた、と嬉しい気持ちになって脈絡もなく「好雨時節を知り」と呟いてしまう。

このところ長期にわたって200-300、時には危険レベルの300を越えていたAQIが、ほぼ健康に問題なしの100以下に下がった。少し道路の見通しもよくなった。

これからも暑い日が続くとは思うが、夕方から夜にかけてスコールが来る日も増えてくるだろう。チェンライは日本の田舎の家にカキの木があるように、マンゴーを植えている家が多い。この雨でマンゴーが日に日に大きくなって熟れてくる。雨季にはマンゴスチン、ライチ、ラムヤイと南国の果物が出回ってくる。常夏の地で年中、Tシャツと短パンで過ごしていても果物で季節の移り変わりを感じる。

パーユも暑季と雨季の分水嶺、雨のあとの涼気を楽しめる季節がやってきた。ああ、嬉しい。