チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

愛車を手放す

花祭りから

同上

同上

同上

同上

まだマスク着用が多い

 

愛車を手放す

■購入の思い出

2009年1月に母と兄を伴ってチェンライに来た。この地で暮らすには車は必須だ。公共交通機関がないし、タクシーも走っていない。確か到着2日目にホンダの販売店に行き、展示してあった黒のホンダシティを購入した。シティは1500ccのセダン、店にはその1台しかなかった。タイのいいところはお金を払うとその場で乗って帰れることだ。

さすがに展示車であったから多少のメカチェックがあって、お金を払って2時間後に家まで届けてくれた。展示車であっても値引きは無し、家までのガソリン代も車の代金とは別に支払った。日本の販売店であれば値引きと共にガソリン満タン、各種のサービス品が付くと思うが、タイでは「売ってやる」の殿様商売、やはり日本と違うなあ、と多少のカルチャーショックを受けたものだ。

余り兄弟で母の介護をやりすぎると、女中さんが仕事をしなくなる、と忠告してくれる人がいたので、始めの頃は結構、兄とあちこちに出かけた。チェンライは盆地で回りの山には滝が流れている。それほどの落差はないが滝は滝、到着すると裸になって滝つぼで体を冷やしたものだ。一説にチェンライ三十六滝とあって、それを制覇しようと頑張った。

そしてある滝へ行く途中、山道に突き出していた石に車の底をぶつけ、バンが割れて大量の油が流失という事故を起こした、車は哀れ、修理店のトラックに引かれて行き、兄弟は修理店の車で送ってもらった。それ以来、ピタリと滝巡りをやめてしまったが、あの頃は兄も自分も元気があったなあ、と懐かしく思う。

その後、スズキのカリビアン(ジムニー)の中古車、それから兄がホンダのシビックを購入し、我が家には3台の車があった。母が亡くなる前は弟夫婦がチェンライに短期滞在を繰り返していたので兄弟3人に1台ずつ車があるほうが便利だった。それで我が家には車3台、それにバイクが1台という時代が長く続いた。

■独り暮しになるので

病院通いはもちろん、時にはお寺の参拝、メコン河見物など母をドライブに連れ出したこともある。思い出深いシティであったが、この1月に手放した。感染症騒ぎで兄や自分がチェンライに一人住まいという時期が2年ほど続いた。一人で車3台、バイク1台の面倒を見る、はほぼ不可能。1昨年11月、1年8カ月ぶりに自分がチェンライに戻ってみたら、ジムニーもバイクもバッテリーが上がっていたし、シティの車内は白いカビに被われていた。バイクは買換え、ジムニーは大幅な修理、シティは洗車、シビックは何とか稼働、それにしても昨年3月に兄がチェンライに合流するまで、車3台の世話には気を使った。

母が亡くなって4年目になり、弟夫婦は高松に戻っているし、兄もチェンライには旅行で来ることがあるだろう、と言って日本に戻ることになった。

日頃、兄はシビック、自分はカリビアンに乗っている。シティは週に1度乗ればいい方だ。周りのタイ人はそれを見ているので、もし不要なら譲ってほしいという人が何人か現れた。

■60万円で売れた

シティはここ4、5年、出番が少なくなったものの14年乗り続け、走行距離は18万9千キロを越えている。日本なら中古車としての価値はないだろう。日本のネット中古車査定で調べてみたが、査定不能、どうやら中古車には該当せず、「廃車」になってしまうようだ。

いろいろと曲折はあったが、思い出のシティはブアさんの村の人に引き取ってもらった。譲渡価格は日本円にして60万円、実はこれより高いオッファがあったが、最初に欲しがった人に譲った。丁寧に扱うので日本人所有の車は普通より高値で取引される。それにしても19万キロ走った車が60万とは。日本車は、40万キロは走ると言われている。

自分のもう一つの愛車、ジムニーは1989年製、34年落ちの車だが快調、通常の燃料はLPGだがリッター換算では24キロ走る。距離計が10万キロでゼロに戻るため、定かではないが恐らく実際の走行距離は50万キロを越えているだろう。

シティは丈夫な車で、1万キロ毎の点検でエンジンオイルを交換し、ボンネットをバタンと閉めたら、次の1万キロ点検まで開ける必要がなかった。バッテリやタイヤは交換したが、特に高額な修理費用が掛かったという覚えはない。シティの1年毎の車検費用は強制保険、代行料を合わせて日本円で7千円弱だ。日本だと13年を越える車は重量税が高くなり、車検法定費用は数万円、点検整備、代行代に3万円、部品、修理代は10-20万円かかる。2年分だがタイに比べて高すぎる。

国とメーカーの新車を買わせる陰謀ではないかと思うが、これは別の機会に。