チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

英語力は必要不可欠か

 

花祭りから

同上

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英語力は必要不可欠
■英語能力指数
タイの日本語総合情報サイト、NewsClipはよく見る。今回はそのニュースの引用並びに感想。

引用開始
EF英語能力指数 日本「低い」、タイ「非常に低い」

スウェーデンの教育大手EFエデュケーション・ファーストが成人の英語能力を指数化した2022年版の「EF EPI英語能力指数」で、タイは111カ国・地域中97位で「英語能力が非常に低い」とされた。

2021年にEFの英語テストを受験した210万人の結果を分析した。点数に応じ、英語能力が「非常に高い」、「高い」、「標準的」、「低い」、「非常に低い」の5つに分類する。英語を母国語とする国・地域は対象外。

1位はオランダ、2位はシンガポールだった。ほかにスウェーデンポルトガル、ドイツ、クロアチア南アフリカポーランドなど11カ国・地域が「英語能力が非常に高い」とされた。
「英語能力が高い」はフィリピン(22位)、マレーシア(24位)、スイス(29位)、香港(31位)など18カ国・地域。
「英語能力が標準的」はイタリア(32位)、スペイン(33位)、フランス(34位)、ウクライナ(35位)、韓国(36位)、ロシア(40位)、インド(52位)、ベトナム(60位)など29カ国・地域。
「英語能力が低い」は中国(62位)、日本(80位)、インドネシア(81位)など27カ国・地域。(引用終り)

活きた英語の力を測定するTOEICのデータでも日本とタイはアジアで英語能力のビリとブービーを争っている。でも英語能力が低い、は決して恥ずかしいことではない。日本とタイは欧米の植民地でなかったから宗主国の言語を強制されることがなく、生活で英語を必要としなかっただけの話。日本、タイでは英語ができなくても高等教育を受けることができ、いい職業につける。英語ができなくとも生活上の不便はない。宗主国の言語を使わない限り、高等教育も出世もできない旧植民地国はいくつもある。旧植民地以外の英語得意国は多民族とか外国人の流入が激しく、共通語がないと食っていけない、安全でないといった欧州の国が多い。

そう思うと英語能力が低い、は独立自尊の表れともいえる。大体、日本で英語が必要なのは商社マンとか外交官とか一部の人で、彼らも必要だから使えるようになる。一般の国民が英語無しでも日常生活が営めるということは素晴らしいことではないか。

■統計、データの噓
こういった英語能力ランキングを見るたびにどういった層が受験したのか気になる。発展途上国で英語の能力テストを受けようという人は中流以上の階層で、米国や英国に留学しようという目的を持つ人が多いのではないか。また、韓国のように英語能力で給料が上下する国では学習意欲が初めから違う。

日本では英語能力テストの受験者の階層は小学生から老人まで様々だ。会社によっては新入社員はもちろん、課長以上の役職者は強制的にTOEIC 受験を余儀なくされる。社内も取引先も英語で仕事をしていないのだから、当然平均点は低くなる。

TOEICの資料では業種毎、役職毎の平均点数が示されていた。英語教師の平均得点が700点台後半と高得点圏内にあるのはよくわかる。また、20代の若手社員の平均点が著しく低いのもよくわかる。高校までに覚えた英語は大学の4年間で忘れてしまう、は自分の経験からしても正しい。

でも会社の役員クラスになると平均点が凄く高くなる。このデータを見て日本の会社の役員はみな英語に堪能だとは誰も思わないだろう。要するに海外に駐在経験のある商社の役員さんなどが「ちょっと腕試しに受けてみるか」と受験したに違いない。役員となれば社内の能力テストなど受ける必要はないし、受けても新入社員並みの点数しか取れない人は初めから受けない。要するに役員クラスの平均点が高いのは腕に覚えのある人しか受験しないからだ。

■AIの進歩
13年前にタイに来た頃は、グーグル翻訳が無かったから、女中さんとの意思疎通は「指差し会話帳」が頼りだった。今は英語なら日本語で言うと携帯がほぼ同時に英語に直して発音してくれる。チェンライに元英語教師の方がいるが「もう英語教師は要らない時代です」と嘆いていた。旅行会話ならイヤホンと小型マイクで用が済む時代はもうそこまで来ている。PCで瞬時に英文和訳、邦文英訳も可能となっている。AI技術の開発速度からすれば英語ばかりでなくタイ語同時通訳システムの実用化も遠くないと思う。

自分が現役の頃は、なまじ英語ができるばっかりに変な国に飛ばされるという危険があった。でもこれからは、英語はAIに任せ、英語能力が人事評価項目から外され、実務能力重視の時代になるのかもしれない。