チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

多民族国家ロシア

メーサイのタイ・ミャンマー国境、閉鎖中

国境を隔てるメ―サイ川、手前の泥のところまで氾濫した

ゴールデントライアングル、手前がタイ領、突き出した部分がミャンマー領、写真右側がラオス

対岸のラオス領には中国資本の高層ビルが

雨季でメコンの流れは速かった

観光の目玉、大仏の前も観光客はまばら

 

 

多民族国家ロシア

■相反する情報
学校に通っていた頃は純真だったので、先生は偉い人と思っていたし、年上の人は良く物事がわかっているものだと思っていた。長じて、仕事で大学の先生とお付き合いしたし、不遜にも教壇に立つという経験を通して、先生には偉い人もいるだろうが、そうではない人もいることを知った。年を取れば分別を弁えた大人になれると思っていたが、この年になってもわからないことだらけだ。自分が混乱するのは頭が悪いだけではなく、いわゆる専門家とか識者という人たちが結構いい加減なことを世に広めるせいだと思う。

例えばウクライナ戦争であるが、今年の始め頃、ロシア専門家は、「プーチン大統領は賢明で優秀なリーダーだから、ロシアがウクライナに攻め込むことなどありえない」と言っていた。2月24日にロシアのウ国侵攻が始まると、「1週間で戦争は終わる。道路が氷結している期間にロシアの戦車が一気に首都を制圧する」と言っていた。短期決戦どころか、8カ月も続いていて、収束の見込みは立っていない。

戦況に関しても日本のマスコミやネットは西側情報のオウム返しだから、ウクライナ優勢を伝えている。でも、実際のところウクライナ軍は20万人以上の死傷者をだしており、すでに限界、一方ロシア軍の守りは堅い、という情報もある。どちらも大本営発表、お互いを「テロ集団」と呼び合っていて、何が本当かよくわからない。ロシア兵は残虐というが、ウクライナ人だって第2大戦で暴虐の限りを尽くしたソ連兵だったのだから、アゾフ大隊の話を聞くまでもなく、結構、ひどいことをしているに違いない。

ソ連の思い出
初めてソ連の地を踏んだのは1970年の9月だった。当時、ナホトカ経由でモスクワから欧州各国に飛ぶという経路が一番安かった。横浜からハバロフスク号という船に乗ってソ連に渡った。

モスクワで2,3日足止めされた。ソ連の外貨獲得策の所為である。モスクワ市街や赤の広場を歩いてみて、ソ連の人ってこんなにいろいろな民族がいるのか、と驚いた。ソ連というと赤の広場を行進する長身のスラブ人兵士のイメージしかなかったが、実際のソ連は白人だけでなく韃靼人、朝鮮人トルコ人などアジア系の人も少なくなかった。

ロシアは広いから数え方にもよるが401の民族がいるという。ロシア国民の85%を占め、民族的ロシア人と呼ばれるグループも実は43の民族集団からなっている。他にはヤクート人、ガラチャイ人、アルタイ人とか様々な民族がいる。チェンライに住んでいるので、アカ族、モン族、リス族、カレン族などの区別はつくようになったが、ロシアの民族となると皆目見当がつかない。

ウズベク族はロシアにもいるが多くはウズベキスタンに居住しているのだろう。何処の国もそうだが、主流を占める民族が幅を利かせて、基本、少数民族は差別される。

少数民族の悲哀
ウズベキスタンの首都、タシケントには戦没者慰霊碑があって、壁に戦死者の名前がびっしり刻まれていた。ウズから第2次大戦に出征した若者は多かった。民族ロシア人ではないからスターリングラード、クルクス、レニングラードなどの前線に送られ、戦死者も多かったという。

先月21日に、ウクライナの戦場に予備役約30万人を派遣するための「部分的動員令」をロシア政府が発令したことはご存じの通り。ロシア38都市でプーチン動員令に対する抗議活動が行われ、車や自転車でロシアを脱出する若者が後を絶たない。

あるロシア女性のユーチューブを見ていたら、シベリア地方の少数民族の村では、村に住む11人の若者(これが村の若者の総数らしい)が夜中に当局の家宅訪問を受け、全員徴兵事務所に連行されたという話をしていた。

モスクワやサンクトペテルブルグのような大都市でこのような強制連行を実施したら大騒ぎになり、抗議活動に火を注いだことと思う。少数民族の悲哀はどこにでもある。
部分的動員令についてはかなり杜撰で、年寄りや病気の人まで徴兵されているというが、これも西側情報であるからどれだけ正しいのかよくわからない。

日露戦争の時からロシアには「督戦隊」がいて、戦線を離脱しようとする自国軍兵士を後ろから狙撃した。ウクライナ戦争でも督戦隊が活躍しているという。当初、ウクライナ戦線に送られたロシア兵はシベリア方面から来ていたそうだ。督戦隊は正規ロシア人たるスラブ系ロシア人から構成されているのだろう。

マスコミも西側情報を垂れ流すだけでなく、人種差別の面からウクライナ戦争を解説してくれたらと思う。