チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

コラム「変見自在」から

パヤオの夜市

洋服売場

マスク姿が多い

寿司の屋台

サツマイモのボール

揚げ物



コラム「変見自在」から


今回は元産経新聞記者、高山正之さんが週刊新潮に連載しているコラム、「変見自在」からの引用です。高山さんは我が出身高校の大先輩なので、勝手に親近感を持っています。
(引用開始)
「戦争とは別の手段で行う政治」とかクラウゼウィッツは言った。しかし彼がそう規定する前から戦争には伝統的な形があったように思う。
例えば旧約聖書民数記でモーゼは「戦争とは相手民族の淘汰だ」と 言った。
だから敵兵士を皆殺しにするだけでなく、民族の種を持つ男の子は赤ん 坊に至るまで殺させた。人妻も子種を宿している可能性があるから殺した。処女は神から兵士へ の贈り物で、「生かして楽しめ」とモーゼは言った。モーゼはまた相手民族の家畜も食糧も富も洗いざらい奪わせた。

戦争とは政治の手段である前に神が許した「殺戮と略奪と強姦」だった。ただ相手は同じセム族だ。異民族は必須条件ではなく「勝てる相手」な らどこの誰でもいいみたいだ。
それでロシアのイワン雷帝は同じスラブのノブゴロド市を滅ぼすときも モーゼの教えに従った。まず彼の親衛隊が入り込んで城門を閉め、誰も逃げ出せないようにした。
その上で5週間にわたって強姦と略奪を恣(ほしいまま)にし、貴族から 市民に至るまで数万人を殺戮した。

 そう言えば米宣教師ベイツは東京裁判で「日本軍は南京城を封鎖して略 奪と強姦を恣にし、6週間にわたって市民を殺し続けました」と偽りを 語った。
何を大ぼらと日本人は思うけれど、イワン雷帝を知る白人たちには怪し む理由はなかったようだ。

 そんなロシア人と最初に出会った日本人は北辺を守る松前藩藩士らだった。
1806年、択捉島紗那で露艦2隻が砲撃してきた。樺太居留地利尻島 も攻撃され、略奪された。殺戮略奪に戸惑いはないという風情だった。

 次に彼らは対馬を襲った。露艦ポサドニクが浅茅湾に侵入、芋崎の永久 租借と女と食糧を差し出せと対馬藩に要求した。対馬藩が要求を断り、退去を求めるとロシア人は交渉役を殺害して、後 は好き放題に略奪していった。幕府は苦境に立つが、最終的に英公使オールコックの計らいで英艦2隻 が出かけて追い払った。

 これを機に日本は本気で夷狄に備えて富国強兵策を取り、43年後の日露 戦争で芋崎の屈辱を倍返ししてやることができた。非白人国家に負けた屈辱は大きい。スターリンは日本が米国の経済封鎖 で弱るのを見てノモンハンで挑んできたが、また負けた。司令官ジューコフは「あんな苦しい戦いはなかった」と敗北を認めている。

 その6年後、ロシアは日本降伏という好機を得た。武装解除した日本軍 は「勝てる相手」のはずだった。ロシアは日ソ中立条約を一方的に破棄して、まず満洲に攻め込んだ。
銃を置いた日本軍将兵60万人は奴隷としてシベリアに送られ、10年間も 強制労働を強いられた。明らかな国家犯罪だ。

 スターリン南樺太も千島も北方四島も取った。上が図に乗ると下のロシア人もいい気になる。当時は世界最大級の孫呉 火力発電所に乗り込んで発電プラント1基をバラして持ち去った。残る1 基は支那人が盗み、今は洛陽で発電を続ける。

 哈爾濱(ハルピン)、新京に進駐すると彼らは邦人の家に押し入って略奪 し、女を犯した。日本人が南に逃げると彼らが後を追う。今の北朝鮮でロシア兵の狼藉は さらに拡大した。RKB毎日放送の上坪隆の『水子の譜(うた)』にはロシア兵に犯され妊 娠した19歳の女性の話がある。麻酔もない状態で堕胎手術を望んで、母子 ともに死んだ。やっとロシア人の魔手から逃れながら、同じように妊娠の重荷に耐えき れず帰還船から身を投じる悲劇が何件もあった。

 ウクライナに侵攻した露軍兵士は市民虐殺だけでなく、「略奪した楽器 をベラルーシ経由で国に送った」とか、戦地での婦女暴行被害とかの報道 が続く。

 ロシア人は素朴な民とかじゃない。ノブゴロドの昔から何の変りもな い。粗野な民でしかないのだ。(引用終り)

 

一神教の民族の戦いは概ね高山さんの述べる通り。77年前のソ連軍にはウクライナ出身の兵士も多数いた。露軍兵士だけが虐殺、略奪行為をするわけではない。露軍兵士がやるならウクライナ軍兵士(特にアゾフ大隊)もやっている可能性はある。更に両軍には、あまり報道されないが外国からの傭兵が従軍している。ISISの兵士は「ISISに入ると女はやり放題だぜ」と嬉しそうにテレビで語っていた。高邁な理想を傭兵が持っているとは思えない。

日本の報道はロシア=悪、ウクライナ=善の2元論ばかりだ。そんなに簡単に割り切れるか。どこが悪かったのかがはっきりするにはあと100年くらいかかるかもしれない。