チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

弥生三月ヘイズ(煙害)月

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昨秋の日展から

 

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表情、

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視線が

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それぞれ違う

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日本女性という感じ

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優しさが顔に滲む


弥生三月ヘイズ(煙害)月

■チェンライの3月
春寒次第に緩み、ひと雨ごとに春の息吹が立ち込めてまいりました。皆さまいかがお過ごしでしょうか(日本の場合)。

3月に入って遠くの山が霞むようになった。春霞というと秋の霧と並んで平安時代から和歌に詠まれてきた。春霞は空気中の水滴によって視界が悪くなることをいう。チェンライで山が霞んで見えるのは、靄や霧などの水滴によるものではなく、山焼きの煙によるものだ。もちろん健康に良くない。チェンライではこの時期、PM2.5 (小粒子状物質)情報を出して注意を呼び掛けている。このところ「心疾患や肺疾患を持つ人、高齢者、子供は、長時間または激しい活動を減らす必要がある」というレベルで推移している。

高齢者がテニスなどしてはいけないのであるが、咳き込むほどではないし、またこの季節がやってきたなあ、と思う程度。北タイは特にPM2.5の 濃度が高い。それはタイ国内ばかりでなく、ミャンマーラオスで行われている山焼きの煙がタイに流れ込んでくるからだ。

タイ国内でも山焼き禁止を毎年呼び掛け、罰金制度もあるのだが、貧しい山岳民族は山焼きを行って耕地と肥料を確保する。肥料は山を焼いた後の草木灰、タイより貧しいミャンマーラオスの農民にとっては山焼きができなければ作物が育たず、死活問題となる。自分の健康も心配であるが、問題の根本は貧困にあるのだから、あまり山焼きを非難することはできない。

■チェンライのおすぎとピーコ復活
3月の初めに兄が東京から戻ってきた。兄は昨年9月に帰国したから約半年、東京で過ごした。感染症騒ぎで海外との行き来が難しい時期に往復したには訳がある。母が亡くなったのを機に東京の家を取り壊し、新たに家を建てるためであった。数十年住み続けた家であるから、衣服、調度、書籍、写真、その他ガラクタが家に充満していてそれをまず片づける必要があった。本やCDは段ボール数十箱に詰めて業者に引き取ってもらった。写真も父母が写っているものはもちろん、自分の写真も殆ど捨てた。それでも自分だけでは処分しきれず、兄が3日の隔離を含む14日間の待機をものともせず、帰国し、在宅中は断捨離の処分作業に邁進した。それでも家財を捨てきることはできず、家電類や家具は取り壊し業者に依頼したという。

3月に家の取り壊しが始まり、兄も自分も家なき子になったので新しい家が建つ来年1月までは、帰国しても住むところがない。孫の面倒を見るという条件で子供の家に厄介になるのもどうかと思う。帰国の代わりに、世の中が落ち着けば海外に出かけようかと思っている。新型フォルツァでのツーリングも悪くない。

■議論相手
というわけでチェンライでの兄弟生活が復活した。なんといっても話し相手がいるのはいい。特に2月末のロシア、ウクライナ侵攻が始まってからは毎日、数時間は各種情報を集めて、ああでもない、こうでもないと予想してきた。一人で考えているのはつまらないが兄の見解も参考になる。

ウクライナ問題は見る側によって話が違う。ある情報が謀略の偽情報だったりする。多くの識者、ジャーナリストは産経の阿比留記者、馬渕元ウクライナ大使を始め、ロシアのウクライナ全面侵攻はないと言っていた。ロシアの侵攻によってロシアが得する合理的理由がないからだという。プーチンも侵攻はしないと言っていた。

夫婦喧嘩でも一方が100%悪いということはない。どちらにも理由がある。日本のマスメディアは国連条約を破り、一方的に侵攻したロシアが悪い、ウクライナは可哀そうという情報をもっぱら流している。真珠湾攻撃の時点から大東亜戦争を見れば、日本に非があると言われるかもしれない。でも日本は米国によって戦争に追い込まれたという経緯がある。

狂人プーチンが一方的に始めた戦争か。100年ほど経ったら、プーチンは救国の英雄と言われているかもしれない。信頼できそうなコメンテータが一様に言っていることは「この戦争の決着はどうなるかわからない」だ。欧米もロシアも嘘をつく、合意は守らない。考えてみたらロシアと中国は約束を守ったことがない。

同盟のない弱い国は強い国に蹂躙される。同盟していても都合によって反故にされる。頼りになるのは自分の力だけ、力なき正義は、正義なき力の前には無力だ。ウクライナの人に憲法9条があればロシアにやられなかったのに、という日本人はいるのだろうか。
ウクライナ侵攻から日本が汲み取る教訓は山ほどある。兄とこういった議論を交わせることは、この年になってみるとしみじみ有難いと感じる。