チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

トーナメント四方山話(3)

渾身のサーブ

豪州のギブソン選手

荒川晴菜選手

ウクライナの選手

気迫を感じる

肩幅が広い

 

トーナメント四方山話(3)

■ネット視聴時間が減った
タイに住むようになって日本はいい国だと再認識している。イチローも「米国に住んで益々、日本が好きになりました」と言っている。周りの邦人を見てもそれほど反日の人はいない。タイは親日国だ。どうして日本人に温かく接してくれるのか、と思えば先人のお陰と気づく。また異国にあると、日本ならと思うことは多々ある。タイではビザ取得一つとっても係官や入管事務所によって対応が違う。日本ならどの窓口でもどの係官でも、また誰に対してもルールに基づいて同じ対応をしてくれる。

日本ほどいい国はないのにどうしてタイに住むの、と日本国籍を取得したネパール女性に諭されたことがある。日本はいい国とわかっている。タイとの比較、世界の中の日本という視点で見て日本が好きなのである。

昨今のウクライナ戦争や領海侵犯を繰り返す中国のユーチューブを見て考えることはあるが、4月中はテニス観戦に精出したので、以前よりネットを見る回数が減っていた。ネットの国際ニュースではまず、爬虫類を思わせるプーチン大統領とか薄ら笑いを浮かべる習近平主席の顔を見ることになる。気分が害される。こんなユーチューブより、大谷翔平クンが投げた、本塁打を打った、といった映像を見るほうががよっぽど気分がいい。同じように、日本の若者が頑張っている、という姿をチェンライの世界テニストーナメントで見ることができた。

朝のテニス仲間は若くても50代、似たり寄ったりの年代だ。まあ爺さん中心のチンタラテニスに慣れていたので、プロの華麗なプレーを間近に見ることができ、心が洗われる思いだった。翔平クンと同じくプロのフォームは美しい。

■試合前のウォーミングアップ
グランドスラムの試合をネットで見ることがあった。ボクシングの対戦前の如くプレーヤーが主審と顔を合わせて、サーブ順を決める。ネットではそれからすぐ試合となる。でも本当はすぐ試合になるのではなく、両選手でウォーミングアップをする。始めはボレー、そして片方がロブを上げてもう一方がスマッシュ、ラリー、それから交代でサーブを打ちあう。形式美を感じるほど順番と型が決まっている。そういえば日本滞在中、テニスクラブに週1回90分のレッスンに通った。そこでもまず始めにボレーの練習、ラリー、スマッシュの練習と型と順番が決まっていた。試合前のウォーミングアップを見て自分の知らない決まり事があるのだと知った。

東京のテニスクラブは朝から夕方まで90分毎の入れ替えで、コート上に人が途切れることはない。それに引き換え、9面あるチェンライの市営コートは朝の10時から夕方の4時過ぎまで全くの無人となる。暑い日中にタイ人は、テニスはもちろん、街中を歩くことすらしない。日中は誰もテニスをしないと聞いて日本の女子プロは一様に驚いていた。

日本では公営のコート確保は抽選で有料が普通。10年以上週5日、このコートでテニスをしているが、いつも空いているし、管理費とか維持費などを請求されたことはない。こういった大らかさはタイの良い処、といっていいのではないか。

■金持ちのスポーツか
若い頃、テニスはやんごとなき人々の遊びと横眼に見ていた。今でも低所得者のスポーツではないように思う。日本選手のプロフィールを見ると幼児の頃にお稽古事としてテニスを始めている。少なくとも中産階級以上だ。
現代では、才能あるテニス少年、少女は高校に入るか入らないかで米、豪、スペインなどに留学する。日本にもテニス専門の高校、大学がある。相当裕福な家庭でなければ留学、進学の費用は払えないだろう。

トーナメントに出場しているアジアの選手の中には見るからに裕福な家庭の子女という感じの人がいる。日本選手は基本、個人参加だ。でも外人選手の中には、コーチはもちろん家族帯同、女中さんも一緒ではないかという選手もいた。
自分が接した限りでは、日本の男女の選手はみな礼儀正しく、いいご家庭のお坊ちゃん、お嬢さんという印象を受けた。

でも、テニス選手がすべて紳士淑女というわけでもない。気が狂うほどの暑さの中、6-5から日本選手に追いつかれ、6-7でセットを落とした米国人選手はラケットを叩きつけ、スエアワードを連発し、主審にも食って掛かっていた。続く2セット目で最初のゲームを落とすと、ラケットを思いきりコートを隔てる幕に叩きつけた。隣のコートでちょうど幕近くに置いたタオルを取りに来ていた女子選手が、バシンという音にビビっていた。プロもいろいろだ。