チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

トーナメント四方山話(2)

岡村恭香選手

同上

小林ほのか選手

牛島里咲選手

荒川晴菜選手、マッチポイントを制した直後、ガッツポーズに笑顔

フランス、ビハン選手

 

 

トーナメント四方山話(2)

■ウェアで認識
ワールドテニストーナメントは4月4日から5月1日まで4週に分けて行われた。土日も含め毎日、コートで観戦した。我ながらよく続いたと思う。やはりプロの華麗で力強いプレーを見ることは刺激になる。ああやればいいんだな、というほどの技量は持ち合わせていないが、それでも何か学べるかもしれない、という気持ちはあった。朝は6時半からいつもの仲間とテニス、その時間には選手も来て他のコートで練習をしていた。日本の女子選手もこの時間に現れていたので、顔が会えば挨拶をする。日本の若い女性がにこやかに挨拶してくれるなんて日本でも殆どなかった。

プロ選手が各国を転戦するとき持ち運ぶ荷物の重量は30キロを超えるそうだ。ラケットも6本以上はあるし、着替えのテニスウェアの数もある。でも女子プロを見ているうちにテニスウェアは2,3種類しか持っていないことに気付いた。気に入った同じウェアを何着持っているかもしれないが、遠くからウェアを見て、あ、XXさんだとわかるようになった。これは外人選手も同じ、それぞれお気に入りの同系統ウェアを着用する傾向がある。

ダブルスで優勝した岡村恭香選手は一回戦のときから目立つウェアを着用していた。美人であるし、ウェアも垢抜けている。ググってみたら彼女のスポンサーにアパレル産業があった。ウェアはすべて提供されたものなのだろう。岡村さんは試合のない日、ロングのワンピースに日傘を差してコートに現れた。なかなかシックでタイ人もカメラを向けていた。

■トーナメントと感染症
タイでも感染者が減少傾向にあるが、トーナメントでクラスターが発生したとなれば大変だ。そのため、プレイヤー、大会関係者、観戦者すべてに週に一度のATKテストが義務付けられていた。自分も最初は市内の病院で検査を受け、陰性証明を提示して観戦者証を得ることができた。その後はコート前のテントで土曜日ごとに選手たちと一緒に100B支払ってATKテストを受けた。選手だからといって優先的に検査してもらえるわけではない。検査の順番待ちで20分ほど、また結果が出るまで5分ほどかかる。この間は日本の女子プロとの雑談タイムである。何せ日本にいる間も若い女性とお話しする機会は殆ど無かったのだからこういう機会は逃せない。チェンライにいて本当に良かった。

テニスコート入り口からマスク着用が原則である。またコート上で試合前に主審と選手が集まって、どちらが先にサーブをするかのコイン投げを行う。その時は選手も主審もマスク着用である。しかし、3週目、4週目となるとマスクをしない選手が出てきた。概ね、ファランである。インドの選手もマスクなし。真面目にマスクをしているのはタイと日本の選手くらいだ。主審も特に注意する様子はない。我が国ではマスク着用は義務でないからタイでもマスク無しでいいでしょう、という感じである。自分も観戦中はマスクを下げていた。気温が37度を越える日もあり、マスクの中が汗まみれになるからだ。

当初は入り口でマスク着用をうるさく指導されたが、自動検温器が入り口に設置された後はマスクで注意されなくなった。というより、多くの選手がマスク無しで出入りするようになったので、大会関係者も「もういいんじゃない」ということにした、ような気がする。

■炎天下のプレー
日陰の観戦席にいても汗が流れるというのに、選手は炎天下で2時間のプレー、夏の甲子園どころではない暑さだ。野球なら2時間動きっぱなしということはないが、テニスでは一対一の戦い、休む暇はない。ダブルスを含め1日2試合をこなす選手もいる。その持久力、体力には脱帽する。コートは通常、朝と夕方に人が来るだけ。9面あっても10時から16時までは無人となる。タイ人は暑い時間はテニスなどしないし、街中でも日中歩く人はいない。

選手だって暑さには苦戦する。試合中、体の不調を訴えてリタイアする選手も見たし、集中力が途切れて自滅する選手もいた。
女子プロの小林ほのかさんは「思い通りにポイントが取れた時、普通は『カモーン』と叫ぶのですが、声を出すとエネルギーが取られるのではないかとセーブしました」と話していた。また、観戦席で隣り合わせた牛島里咲選手は「暑さって慣れるもんですか」と訊ねてきたから、皆さん、暑さ対策には苦労したようだ。

でも暑い時期は果物の美味しい季節でもある。彼女たちが一様に「マンゴーが安くて美味しい」というので、自分も毎日マンゴーを食べるようになった。若い女性にすぐ影響を受ける性格のようだ。