チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

引き際が大切

 

 

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近くの市場で、卵1個が12,3円する。3割ほど高くなった

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おかずやさん、家で作らず買うのが普通

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烏賊の丸焼き、1本160円前後

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ブアさん宅のバナナ

 

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ラムヤイの花、いい匂いがする

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パパイヤもなっていた


引き際が大切

■書きも書いたり
ブログを書き始めたのは2006年4月のことである。その後、ウズベクから日本へ帰国していた約10カ月を除き、週2回のアップ、16年で1300本余りとなった。ウズで暮らしたのは2008年3月までの2年間、初めての海外長期滞在だったせいか、見るもの聞くもの珍しく、毎日、退屈することはなかった。なんでだろう、どうしてだろう、日本人の自分がおかしいのか、と考え込んだこともある。仕事も初めてのパーマネントの教職ということで、緊張もしたけれど可愛い学生さんに恵まれて刺激的かつ楽しい生活であった。

ブログを始めるにあたって友人から忠告を受けた。ブログの長さは新聞のコラムと同じく1回800字程度に収めるように、長いと読者がうんざりする。でも言語抽象能力が不足しているのか短く纏めきれず、ついつい1回1850字、400字詰原稿用紙にして4枚半、友人の忠告にも拘らず、その後もこの冗長ブログが継続している。時には10回、20回と書き続けるシリーズものもある。特に旅行記はとても1本や2本のブログに収めることはできない。ダラダラと書き続けて、自分でももうこのテーマは打ち切り、他のことを書かなくちゃ、などと思うこともある。

■若い人を立てる
「継続は力なり」というが、ブログを続けて何か力が付いたという気は全然ない。継続は力なり、といった人は誰か。諸説あるが、住岡夜晃という浄土宗の坊さんの「讃嘆の詩」にその言葉があるらしい。『「念願は人格を決定す 継続は力なり」真の強さは正しい念願を貫くにある』という文脈にある。

そうか、継続が力になるためにはまず、「念願」が必要だ。念願というほどではないが、テニスは、もう少しうまくなりたい、程度の希望はある。チェンライに来た当初より、少しはラケットに球が当たるようになっている。リターンはすべてホームラン、ダブルフォールトを4回続けていたロバートも、今はラリーが続く。彼を見ると継続は力なり、を実感する。念願も大切だが時間の要素は大きい。

まあ、10年以上テニスを続けてきて、全然進歩がないのでは、それはテニスをなめていることになる。60を過ぎて始めたテニスだから、そんなに上達しないものの、70を過ぎた今でもまだ発展途上にあるように思う。でも気が付いてみればコート仲間で最長老は自分となっている。技術向上に体力が追いつかない。まだ、勝ったり、負けたりしているうちはいいが、そのうち、ナカと組むと必ず負けるよなー、と言われるときが来ると思う。そうなる前に、静かにコートを去りたいと思っている。曽野綾子さんも、老人は若い人を立て、落ち葉が若葉を育てるように自然と身を引きなさいと書いておられる。

■イミグレでテニス仲間に
イミグレに行くと待合室で顔見知りに会う。たまたま、テニス仲間だったジョージが来た。マスクをしていたせいか自分を全く認識していなかった。彼は窓口に行くと、ビザが切れたのだが何とかならないか、と訴えている。
ジョージは我々兄弟がチェンライに来た時、テニスに付き合ってくれた。こっちは下手だから、彼らに追いつけるのは何時のことか、とわが運動能力の欠如に暗い気持ちになったこともある。当時の彼は、ジャンプして強烈なサーブを決めていた。でも80を越え、テニスが下手になってきた。イラつくことも多くなり、カウントを自分が有利なように間違うことが再々、また、ライン上の球は自分の有利なようにコールする。タイ人は苦笑しながらも「マイペンライ(問題ない)」と笑顔で受け入れる。それでも勝てなくなって、コートに来てもゲームには参加せず、別の場所で有料のコーチとラリーをしていた。でもその姿を見なくなって久しい。

久し振りにみるジョージは昔のヒール(悪役)の面影はなく、痩せてしょぼくれて見えた。「ドクターが、ビザが切れる前後の日を目の検査日に指定したものだから、忘れてしまったのだ」などとクドクドと言い訳をしている。ビザが切れて20日以上経っている。形の上では不法滞在、国外退去を求められても仕方がない。女性係官も持て余して、「メーサイの本事務所で確認してください」と追い返していた。
コートでは遅くやってきて順番を待っているタイ人を尻目に、ゲームに割り込む。傲岸な米国人を絵にかいたようなジョージだったが、イミグレで憐れみを乞う彼を見て心が痛んだ。ずっとヒールでいてほしかったのに。

自分ももうすぐああなるに違いない。ブログが書けなくなったら、球に追いつけなくなったら、静かに身を引かなくては、心からそう思った。