チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

東京とチェンライ

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みなとみらい

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横浜港

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秋の日展から

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顔を望遠で

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日展から

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顔をアップで

 

 

東京とチェンライ


■日本ていいね
1年8カ月を東京で暮らした。やはり日本はいいな、と思った。映画館で観た映画は146本、映画の原作となった小説は図書館で借りて読んだ。読みたい本が読めるということは贅沢なことである。食べるものといったら日本ほど恵まれたところはない。海の魚はふんだんに食べられる。各国の洗練された料理、美味しい和菓子、お茶、珈琲まで水準以上のものが楽しめる。

街を歩いてもミジメっぽい服装の人は自分以外にはいない。横浜のみなとみらいで公園のベンチに座り、行きかう人を眺めていたことがあったが、みな洗練された服装で、髪形にも個性が感じられる。街角には画廊や小美術館がある。武蔵小山のような下町でも家の前に置かれた鉢に季節の花が植栽されていたりする。
要するに民度が高いのだ。美を愛でる気持ちは心と懐にいくらかの余裕がないことには叶わない。

「もしかして、日本ほど恵まれている国はないですか?」という質問がクオーラに出ていた。回答は以下の通り。


ひと頃、海外に行く機会が多々ありましたが、日本に帰ってくるたび「あぁ、やっぱり日本って恵まれてるなぁ~」と感じましたね。それで自分なりに「日本が恵まれている理由」について考えてみました。
では、何が恵まれているのかというと、それは「水が飲める」という事と、「治安が良い」という二つの理由があるからなんです。
「水が飲める?当たり前だろ?」なんて思う人もいるかもしれませんが、実際に海外に行ってみると、先進国でも水道水が飲めないなんて事、結構あります。
次が「治安の良さ」です。そりゃ日本でも怖い場所はあると思います。しかし海外とは比べ物になりませんし、しかもここ数年、日本の治安は更によくなってきていると感じます。
海外でつくづく思ったのは、夜一人で安心して歩けるのは日本ぐらいじゃないか、ということです。
「水が飲める」「治安が良い」なんて、聞いてみたら当たり前の事かもしれませんが、意外と日本に長く暮らしていると、こうした事って当たり前すぎて考えなくなってしまうんですよね。(引用終り)

同調圧力が高い
自分も東横線の中でサラリーマンの会話が完全に理解できるとわかった時、ああ、日本にいるんだ、と感激した。他人の会話は外国語、始めから聞く気がないという生活を10年以上していたのだから、言葉がわかる、それだけでも新鮮な驚きだった。日本はいい、本当はずっとこのまま日本に住んでもいいかな、と思ったことさえあった。でも今、こうしてチェンライに暮らしはじめると、東京の生活も悪くはないけどね、と冷めた目で見ている自分に気づく。

日本での生活は心の余裕がないように感じた。何事もきちきちしていて、それは正確、安心、安全に繋がっているのであるが、ゴミの出し方、本の返却時期、エスカレータの立ち位置、右側通行、規則のあるなしに拘らず、どう振舞えばいいかと気を遣う。「自転車は左側通行だろー」と狭い道でオジサンが買い物のおばさんに怒鳴っている光景を見た。そういえば自転車で出かけてもどこに駐車するかに気を遣う。ちょいと置いただけで「ここに停めた自転車は撤去されます」の掲示通りになる。息子の大型スクータに乗っていたら2回も警官に捕まった。警察国家か、日本は。

■忖度しなくてもいい
2カ月ほど友人の勧めでテニススクールに通った。週1度、1時間半のレッスン、数人のグループで準備体操、ボレーの左右打ち分け、フォア、バックの練習、動作の総てが茶道のお点前の如く流れるように進んでいく。一つも無駄な動きがない。マナーは徹底しており、チェンライのコートのように球を足で蹴るような人はいない。東京でテニスをやっていることはブログに書かなかった。もう足腰の痛みで歩行も覚束ない友人もいるのに、テニスで、などと書くとまるで健康自慢になるのでは、忖度してしまったからだ。

チェンライに戻って週5回、2時間のテニスを続けている。青い空の下、タイ人やファランと緊張感の欠けるゲームをしていると日本での忖度は何だったの、という気になる。バイクに跨って3車線の道路を80キロで飛ばす。汗に濡れたTシャツが乾いて心地よく体が冷える。今、自分は自由に生きている。生きているうちは心の赴くままに過ごしてもいいのではないか。

コートで中国系米人のアンディが「東京とチェンライ、どっちがいい?」と聞いてきた。答えは「Both!」。スイス人のジョンが「ディプロマティックな答えだな」。本当にどっちがいいかなんて答えられないのである。