チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

兄帰る

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院展から

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女性の絵を中心に撮った

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余り美人はいなかった

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少女像

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横顔

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顔の部分をアップで


兄帰る

 

■逆の運命
チェンライに滞在していた兄が9月の初旬に帰国した。昨年3月、2週間ほどの予定で帰国した自分がチェンライに戻れば、入れ替わりに兄が日本に戻る予定であった。わずか数日の差で自分は日本から出られなくなり、兄はチェンライ留め置きとなった。安寿と厨子王のごとき離れ離れの生活は、以来1年半に及ぶ。母が亡くなってタイで暮らす必然性がなくなった時、兄は日本に戻る、自分はそのままチェンライでのロングステイを続けるという選択をした。それが数日の差で逆になってしまった。

昨年の夏までは早くタイに戻れないものかと焦っていた。でもその頃から感染症は長期戦になるということがわかってきたし、日本の生活が快適になってきた。ここ10年、時にはタイから帰国したが、年に1回ほど、それもごく短期の滞在であったから、生活者としての感覚を忘れていた。暮らしてみるとやはり日本はいい、そのせいか最近は日本の良さ再認識という記事ばかり書いている。

食べ物がおいしい、街がきれい、治安が良い、と訪日外国人並みに感心していた時期は過ぎ、素晴らしい日本の四季、その気候から醸し出される心の細やかさなどに今は感動する。外国人の「日本のここがすごい」といったユーチューブでも日本の四季に言及し始めたら、その人の日本理解度は5点満点の4以上ということになる。

■いい面はどちらにも
さて、兄は年に3 、4回は帰国していた。それが2年近く、国内旅行もできず、チェンライに蟄居していたのだから、退屈ではなかったかと心配していた。でも家事は女中さんがやってくれるし、ゴルフ、テニス、そしてタイ語の授業と規則正しく快適な生活だったようだ。ゴルフは邦人仲間と、テニスは顔見知りのタイ人、白人と、時にはタイの小学生や中学生がお相手をして下さいとゲームに参加する。多分、日本のコートでは70過ぎの年寄りに小中学生が寄ってくることはないだろう。

また、タイマッサージのおばさんが週3,4回、家に来てくれる。兄は、2時間もみほぐしてもらうと体が軽くなる、有名プロスポーツ選手には専属マッサージ師がついているわけが分かった、と言っていた。自分もチェンライにいた時は週1のタイマッサージが楽しみだった。2時間で300B(約千円)かかるが、決して惜しくはない。自分は友人の勧めで、大田区にあるテニスクラブに入会し、週1回、1時間半、コートに立っている。テニスの翌日は腰や足がちと痛む。こんな時、チェンライが恋しくなるわけである。

■費用が掛かる
兄はタイで出国前に義務付けられているPCR陰性証明をとった。検査料は日本円で1万円以上、入国に際してもいろいろなチェックがある。スマホに登録すべきこともある。スマホがない場合、日本政府が貸してくれるが賃料は1万5千円と結構高い。兄はこの際だからとiPhonを購入した。空港での諸手続きが済んだあと3日間、政府の指定したアパホテルみなとみらいに隔離された。アパは11平方メートルのシングルルーム、タイではどこの部屋でもラケットが振り回せる家に住んでいたから、狭くて苦痛だったと言っていたが、ホテル代、食事代を含め費用はお上持ちだから贅沢は言えない。

3日間の隔離が終わって、自宅に戻れるが、公共交通機関の使用は禁止。通常は都内一律1万2千円の特別ハイヤーを頼むのであるが、無料の巡回バスがあることを知り、我が家から徒歩10分のところで降ろしてもらうことができたという。随分と節約になったと大喜びしていたが、金銭感覚がすっかりタイ仕様になっているようだ。

■禁止事項
自宅に戻っても11日間の隔離は続く。感染していないかの観察期間である。自由な外出はできない。
禁止事項として、公共交通機関の利用、待機場所からの外出、家族・友人との接触、不要不急の行政手続きが挙げられている。小室圭くんも米国から戻ってきたら14日間はマスコミと接触できないと思う。

実際には人の少ない朝の散歩とか、食材の買い出しなど最低限の外出は黙認されているようだ。でも1日に4度、位置確認、健康状態報告、写真による本人確認など入国管理センターとのやり取りがある。公共交通機関に乗ったりすると位置情報で把握され、ちと面倒なことになるらしい。ともあれ、本人は外出を控え、家人(弟である自分)との接触をできるだけ避けて、ネットと読書で過ごしている。

タイでも実効再生産数が下がっているので、入国制限緩和の方向に向かうと思われる。でもまだ14日間の自費でのホテル隔離、高額保険の付保など、まだまだ日本入国に比べ、ハードルが高い。しばらくは日本で兄弟2人の暮しが続く。