チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

永住、それとも帰国?

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山中湖村から

 

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望遠で

 

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ダイヤモンド富士にはまだ早い

 

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日没後の富士

 

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富士吉田新倉山浅間神社

 

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山中湖から

 

 

永住、それとも帰国?

 

■クオーラ
Quora(クオーラ)は2009年にアメリカで創業された知識共有プラットフォームサービスだ。知識を「持つ人」と知識を「必要とする人」が出会えるようにする。次に、異なる視点を持つ人々が一堂に集まれるようにする。最終的には、世界中の人々が知識を共有できるようにする。そうすることで、人々がお互いをより深く理解し、人生をより有意義なものにできる。これを理想として立ち上げられたサービスである。

仕組みは極めて簡単、誰かが質問をネット上に上げ、その質問に誰か回答する。実名が原則である。日本語版もあって、自分のメールにもQuoraが入ってくるようになった。回答者がみな専門家というわけではないし、質問者が専門的な立場からの助言を求めているわけではないので、多様な質疑応答があって面白い。

クオーラの理想、「人々が知識を共有し、お互いをより深く理解し、人生をより有意義なものにできる」は、共和党、並びに民主党の支持者がお互いの立場をよく理解し、より有意義な人生を送れるかどうかを考えてみれば、難しいんじゃないの、とは思う。でも疑問を持つ人がいて、その疑問に誠実に回答する人がいる。世の中、捨てたものではない。

■永住は青い鳥か
海外で永住するにはどこがいいですか? 海外で一度暮らした日本人はなぜ日本に帰りたくなくなるのでしょうか? 永住しようと決めた人が日本に帰ってくるのはなぜですか?海外移住したい、海外に住みたい、という質問があると毎回「海外移住は甘くない、なめんな」みたいな回答で埋め尽くされるのはなぜですか?

上記のような質問がよく出されている。おそらく海外に行ったことのない若い人からの質問だろうと思う。海外に永住することが幸せにつながると漠然と考えての質問だろう。

回答をいくつか読んでみたが、回答者は己の経験を話しているだけで絶対的な真理ではない。回答に納得がいかない、説明責任を果たしていない、と不満を持つ質問者もいるようだ。もっとも質問者もあいまいな質問にあいまいな答えが返ってくればいい、程度で質問している可能性はある。

■海外旅行にも行かない
外務省「旅券統計」によると2019年12月末時点の国内在住日本人の有効旅券数は、2948万2840冊となり、旅券保有率は23.7%となった。海外在住者等を含めた日本人の有効旅券数の総数は、1.0%増の3022万5171冊で、3年ぶりに3000万冊の大台を回復した。それでも旅券保持者は国民の3人に1人以下である。旅券を持っている赤ん坊や学童は少ないだろう。また旅券を持っていたけれども失効した、という人を考えると、海外に行ったことのない日本人は国民の4割はいると推計される。

2019年に海外に渡航した邦人は約2千万人である。渡航先は概ね米国、韓国、台湾、タイなど特定の国に集中している。観光が大半で永住先を探す調査旅行は少ないだろう。日本は、何度も繰り返すが、民度が高く、安全、清潔、正直、勤勉 マナーの良さ、食事の質などほぼ世界トップの水準にある。何が悲しくて海外に移住しようと思うのか。

経産省がシルバー世代の海外移住を促進したことがあったが、結果は「日本の生活のほうがいい」に軍配が上がっている。言葉も食べ物も違う外国で暮らすストレスは、安穏と暮らせる日本とは比べ物にならないくらいきつい。

■それでも永住する人は
チェンライの邦人で永住を覚悟している人は配偶者がタイ人という人が多い。日本人夫婦は80歳に近づくと帰国する。やはり日本の医療水準は高いからだ。それに「みぞおちから下腹に差し込むような痛みが・・・」といった細かい病状がタイ語で説明できない。
また、18歳で米国に渡って40年、家族も友人もすべて米国住まい、日本に帰っても知り合いがいない、こういう形で永住となっている人はいる。一から交友関係、地縁、血縁を回復していくのも大変だ。

日本のような同調圧力はなく自由、多様な人生経験ができる、チャレンジが容易、広大な空間が楽しめる、食事について不満はない、こういった理由で異国に永住する人もいる。
米国生活は長いが、銃社会が嫌で、また高額医療がネックとなって日本に帰国したという人もいる。誰もが納得できる回答はない。

とにかく日本は狭苦しくて息が詰まる、海外に行けば青い鳥が待っている、ということはまずない。若者よ、まずは旅券を取って海外でいい経験(身ぐるみ剥がれるとか)をしてみる、そして永住できるだけの年金、資産を得るためにしっかり働いてください。自分が回答者ならそういうが、年金の食い逃げ世代が何を言うか、とあまり賛同は得られないだろう。