チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

日本食が世界を救う

 

 

 

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今年1月に行ったミャンマーチェントンの市場、喜捨を受け取る

 

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チェントンの市場、白い髭根はニラの根、炒めて食べます。キンピラのような味です

 

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大根は日本に比べ小ぶり

 

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川魚だけ

 

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被り物で山岳民族名がわかる.モン族か

 

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右はカボチャの蔓か。




 

日本食が世界を救う

 

■料理の写真
緊急事態宣言が一段落したある日、友人と昼食をとった。目の前には高さ15センチあろうかというハンバーガーが置かれた。チェンライではまず見ることはできない。感動のあまり言葉も出ない。友人が言った。「写真撮らないの?」。彼は自分がブログを書くことを知っている。そういえば自分の食べた料理をアップすることはあまりない。


日本に戻って美味しいものを食べさせてもらっている。知人宅であれ、レストラン、寿司店、ラーメン店であれ、料理は美しく盛り付けられている。このような繊細かつ美的な盛り付けはタイの一般的なレストランではあまり見られない。タイ料理といえば肉と野菜を鍋に放り込み、オイスターソースをかけてガチャガチャと炒め、そのまま皿に移して一丁上がりが普通。キャベツが皿の端っこにぶら下がっていても気にしない。カエルスープを頼んだらカエルの片手がお椀の端にかかっていたこともある。今思うとあのスープは写真に撮っておくべきだった。もしあの手が動いたら、ホラーブログが1本出来上がったに違いない。

 

■毎食ブログ
百田尚樹さんの著書「バカの国」では日本のあらゆるバカがやり玉に挙げられている。今、手元に本がないのでうろ覚えだが「自分の食べたものをブログにアップするバカ」があった。かなり痛快な罵倒で面白く読んだ。書くことがなくなると自分の食べたものを毎日載せるようになる、確かにそういったブログは少なくない。でも自分は百田さんがバカと罵倒するほどのこともないと思っている。

樋口一葉は日記に日々の食事内容を書いている。彼女が1年の間にタンパク質を摂ったのは2回だけ、それも鮒の煮つけかなんかだったらしい。5千円札の顔になるよりその頃に5円のお金があったほうがずっと嬉しかったに違いない。現在の毎食ブログも百年くらい経ったら価値を生むかもしれない。それに人の食べたものに興味がなければ読まなければいいだけのこと。読まなきゃいい、はどんなブログにも言える。


■サヴァランの美味礼賛
世の中にあまたある料理随筆の中で、フランスの政治家で美食家のジャン・アンテルㇺ・ブリヤ・サヴァランの著した「美味礼賛」はよく知られている。フランス料理など食べたこともない20歳の頃に読んだ覚えがある。この本の原題は「味覚の生理学、或いは、超越的美食学をめぐる瞑想録;文科学の会員である一教授によりパリの食通たちに捧げられる理論的、歴史的、時事的著述」というものだ。著者名も長いが題名も長い。
内容はグルメガイドブック、料理の紹介というより、むしろ食事にまつわる事柄について哲学的考察を進めてゆく随筆であって、かなり読み応えがあった。


サヴァランのよく知られている名言に「君が何を食べるか言ってみたまえ。君が何者であるかを言い当てよう」がある。食べているものでその人の人となりがわかるという意味だ。日本でいえば文化文政のころに書かれた本だから、食事で階級が知れるということではないか。でもこの名言を敷衍してその国の食事が国民の性格を形作るといった解説もある。

 

■疫病収束の秘密
6月17付ヤフーニュースに英国在住のジャーナリスト、谷本真由美さんの「コロナショックで日本食に群がるイギリス人…世界で見えはじめた“日本爆上げ時代”到来の予兆」があった。記事によると、新型コロナウイルスが依然として猛威をふるうなか、「アフターコロナ」を見据えた欧州では、なぜか日本の評価が爆上がりしているという。


武漢肺炎以後、世界的に健康重視の風潮が高まっているのは確かである。その中で日本人は健康長寿、ウィルスの抑え込みにも成功した。その秘密はなにか。


「すでにイギリスでは、激安スーパーでも高級スーパーでも日本食用の食材がバカ売れしています。 日本人=コロナで死んでない=健康だからにちがいない=多分日本食を食べているから健康なんだ=カツカレーとラーメンを食べれば死なない! ――というような突き抜けた思考回路になっている人もいるのです」。


納豆と米で日本人の遺伝子が形作られたという学者もいることだから、欧米人も是非、日本食を食べ続けてほしい。サヴァランなら「納豆と米を食べている?なるほど、それだからあなたは民度が高いのですね」と言ってくれるだろう。

食物で性格や精神が変わるかどうかわからない。でも食物と健康には密接な関係がある。数多ある我が同胞の毎食ブログを分析すれば健康長寿への示唆が得られると思うが、そういった研究をする欧米の学者はいるかしら。