チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

日本はいい国です

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池上本門寺入り口、前方の石段に注目

 

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かなりの段数がある。5年後は無理か。

 

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400年以上前の石段らしい。

 

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江戸時代初期建立の五重塔

 

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本堂から

 

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境内の石灯篭、形がいいと思った。

 


日本はいい国です

 

■マンゴーが食べられなかった
梅雨明けの東京は概ね最低気温25度、最高気温は33,34度といったところだ。今日(11日)の予報は最低が29度、最高気温は37度となっている。病院やレストランで非接触型の検温器で体温を測られるが、これでは全員微熱持ちということにならないだろうか。
チェンライはもう暑季を過ぎ、雨季に入っている。今週の予報を見ると平均の最低気温は21度、最高気温は27度前後であるから、東京よりチェンライのほうが涼しい。マンゴーやライチ(茘枝)、ラムヤイ竜眼)の季節は過ぎたのだろうか。こちらのスーパーでマンゴーやライチを見かけたが目玉が飛び出るような価格だった。チェンライではタダ同然だったのに。

あーあ、あの頃はモテてモテて、女なんか見向きもしなかったが、今はハナもひっかけてくれんのう、と嘆く老ミュージシャンの心境か。自分はモテたことがないので実感はないが、当たり前だったことがそうでなくなると、いくらかの喪失感はあるものの、やはりあの時は恵まれていたんだ、という小さな幸福感を感じる。経験は大切だ。

■料理はセンス
だがノスタルジーに浸っている暇はない。生活者として暮らしているのだから、買い物、掃除、洗濯、料理と自分でやらなければ誰もやってくれない。
2,3カ月前までは雨季に入るころにはチェンライに戻れるのではないかと、調味料はキャンプのBBQで使うような小瓶を買っていた。でも8月出発のチェンマイ行きチケットがキャンセルになった頃から、これは長丁場、年越しは日本かも、という覚悟を決めた。ソースはお徳用の大瓶を買った。ソースや味ぽんなど調味料には多くの種類がある。タイでは日本食材店であっても種類が少ないので、選択範囲は限られる。でも日本は自分の好み、料理に最適な調味料が数十種の中から選べる。自分のセンスを満足させる料理は自分ばかりでなく家族を幸せにするだろう。

自炊をしなくても街にはありとあらゆる料理がある。訪日した外人が異口同音に言っている。「日本のコンビニやスーパーで売っているものはどれも美味しいんだよね」。コンビニでは映画館で食べる菓子パンくらいしか買わないが、弁当コーナーは充実しているし、美味しそう。またおかずとご飯が光り輝いていて、食中毒の恐れは皆無だ。パンだって体重を気にしなければ4つか5つ買ってしまうだろう。

タイにいるとき、バイクで1日数百キロ飛ばすことがあった。国道沿いのコンビニに停車し、乳酸飲料と菓子パンを購入する。でもいろいろな菓子パンを食べたけれど、うまいと思うパンはなかった。体のために短時間で糖質をとる、味は2の次だ。タイのパンに期待してはならない。チェンマイには、在住邦人がこぞってアンパンを買いに行くというパン屋さんがあった。奥さんは日本人、タイ人のご主人は日本で修業していたという。チェンライの大手スーパーに「ヤマザキパン」が出店しているが、味はいまいちという気がする。

■安全、安心の日本
日本はいいなあと思うことはほかにもある。帰国以来5カ月、停電、断水がない。チェンライでは一天、俄かに掻き曇り、車軸を流すかのような驟雨が辺り一面を襲う。するとふっと部屋の灯りとパソコンの画面が消える。停電だ。雨が降っていなくても遠くで雷鳴が聞こえただけで灯りが消えることもある。晴れていても工事で1日電気こないからね、という日もある。電気が来ないとポンプが作動しないから水道も止まる。電気は問題なくても断水3日という経験もした。
東京にいて雷が鳴ったことがあった。あ、停電になるかな、と思わず身構えた。でもここは東京だ、停電なんかあり得ないよな、と思わず笑みがこぼれる。日本に住んでいれば当たり前のことが外国ではそうではない。

『○○の独裁を許すな、民主主義を我々の手に』。こうツィートしたり、発言したりすると、即座に削除され、悪ければ逮捕され、牢屋にぶち込まれる国は少なくない。〇〇に習近平、プラユット、金正恩を入れて、出来たら北京、バンコク平壌で叫んでみてほしい。
○○に安倍と入れて叫んでいる人は大勢いる。もし安倍さんが独裁者だったら、とっくに逮捕されている。何でも好きなことが言える。日本はいい国だ。今、香港では香港独立、香港民主化を叫ぶ人々が次々に香港国家安全法の遡及によって逮捕されている。日本で「香港民主化」を支持する声が少ないのは中国国外であっても、外国人であっても香港国家安全法の適用を受け、逮捕される恐れがあるからなのだろうか。

 

映画の話から・・・

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ダークナイト映画ポスター

 

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悪役ジョーカー

 

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靖国神社

 

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靖国、大鳥居

 

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遊就館入り口にある八九式十五糎加農砲

 

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靖国の桜

 


映画の話から・・・

 

■老後の楽しみ、映画館
映画は映画館に行って観る。暗い館内、大きなスクリーン、銀幕のスター。これが好きだ。3月に帰国してもう10本以上映画を観ている。武漢肺炎のために一時、閉鎖されていたが、今は感染対策に留意しながら営業している。飯田橋ギンレイホールとか目黒シネマでは古い名画が主ではあるが2本立てで千円(シニア料金)である。一つ置きの座席にジジババが座っている。満席になることはない。まだ自粛の影響があるのだろう。

TジョイPrince品川で「ダークナイト」を観た。映画評価は5点満点の4.3だった。映画もレストランも同じであるが、評価4以上なら優、3.5なら良と言える。ただ人には好みがあるから、どんな駄作、まずい料理でも「俺はこれが好きだ」と思えばそれはそれでいい。評価はあくまでも参考程度だが、やはり面白い映画は4以上の評価がついている。

ダークナイトは、3月に観た「ジョーカー」の連作であることを上映直後に知った。ジョーカーはアカデミー賞受賞の映画だが好きになれなかった。米国映画に出てくる悪役は徹底的にワルで救いようがない。気持ちが悪くなる。日本のドラマでは悪代官、商人が最後には黄門様に恐れ入って平伏するということがあるが、米国映画の悪人は絶対、改心しない。スターウォーズダース・ベイダーエクソシスト13日の金曜日のジェイソン、007シリーズのドクター・ノーも話し合いで関係改善が図れるような相手ではない。

レーガン大統領はかつてソ連を「悪の帝国」と言った。今、トランプ大統領と米国議会は中国を悪の帝国とみなしていることは間違いない。米政権のハン・ソロやバッドマンの活躍に大いに期待したい。

ただ、問題はジョーカーやスターウォーズシリーズと同じで、ワルはしぶとく生き残り、新たな逆襲を試みる可能性があることだ。つまり習近平体制が崩れた後も、同じか、更によくない政権が樹立される公算が強い。これは周の時代から現代まで、天子と士大夫、残りはすべて奴隷という4千年続く中国の歴史を振り返れば、また同じ王朝(政権)ができる、と考えるほうが妥当だ。

アテネとスパルタは20年以上、ペルシアとギリシャは50年くらい戦い続けた。日本も米国同盟に入って我慢強く、国益を追求してもらいたい。

■国民が悪い
映画がいつの間にか国際情勢の話に変わってしまった。昨今、マスコミは武漢肺炎の話題で持ちきりだ。解決策がないから適当なことを言って善良な市民を不安に陥れるという勢力がある。でも怪しげな話をみな聞きたがる。人のせいではなく自ら不安になりたいとみんなが思っているとしか思えない。テレビなど視聴率が取れるとなれば、一斉にそっちへ流れる。嘘と分かっていても「武漢肺炎で日本は滅びる、安倍首相は責任を取って辞任せよ」といった番組を捏造する。

捏造は言い過ぎじゃないかという向きがあるかもしれない。でもついこの間まで、モリカケ、さくら、麻雀検事長の問題をどう報じていたか。あの時、安倍首相はやめるべきだ、と言っていた人に結局、真実はどうだったのか、と問うてみたい。モリカケ問題の籠池夫妻は自分たちが間違っていたと改心したが、夫妻を持ち上げて共闘していた野党の皆さん、マスコミは籠池のかの字にも触れようとしない。

モリカケ問題と同じように、来年になれば、人々は「大して死者はでなかったし、コロナって何だったけ」とコロリと忘れ、新しいタネを見つけて政権批判をするのだろう。野党やマスコミが悪いのではなく、やはり自分の頭で考えない国民が悪いと言わざるを得ない。

■早く普通の国
はからずも5カ月も日本に滞在している。それでもなあ、と思うことは多々あるが日本という国の素晴らしさを実感し、日本人であることを誇りに思う。米国人に「どこの国の援助も受けず、世界を相手に3年半も戦った日本を誇りに思っている」と言ったことがある。その尚武の国、日本が今、里帰りとか盛り場に行ける、行けないなどのローカルニュースに一喜一憂し、領土、領海が侵されても反撃できず、拉致された同胞を救い出すこともできない。

映画館にも行くけれど、神社仏閣にも詣でる。護国神社には戦没者ばかりでなく、昔、疫病と闘い、倒れた人々も祀られている。今、医療従事者に感謝するのと同様に先人に頭を垂れるのは当然である。先人のお陰で今の自分たちがある。
先日も靖国に詣で、いまだ憲法の改正ができない日本を英霊に謝罪してきた。

東シナ海波高し、輝かしい国の歴史を思い起こし、国力を高め、一日も早く日本が普通の国になることを願ってやまない。

米中軍事衝突か

 

 

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日蓮宗大本山池上本門寺に参詣

 

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暑かったせいか人は少ない

 

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こんな絵馬も

 

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幸田露伴力道山の墓もある

 

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江戸初期の建立

 

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桜の季節に来てみたい

 

 

 

米中軍事衝突か

 

■危機感のない日本社会
チェンライにいても東京にいてもPCの前に座っていることは同じ。家にテレビはないがユーチューブでFNNニュースは時折見るし、NHKのラジオニュースも聞く。PCで見る解説では米中軍事衝突一歩手前、香港の国家安全法施行、尖閣喪失寸前と自分から見れば国家存亡の危機、まさに国難到来と思うのだが、日本のマスコミは武漢肺炎、豪雨被害、あるいは熱中症に注意といったローカルニュースばかりだ。

もちろん武漢肺炎は報道に値しないというわけではない。でも米国では連日数万人の単位で感染者が出ているし、累計の感染者は約500万人、死亡者はざっと16万人だ。ブラジル、インドも毎日何万もの感染者が出て、収束の兆しは見られない。感染者が累計で10万人を超える国は世界で25ヵ国、日本がPCR検査をさらに強化したとしても、感染者、死者数は世界から見れば、テドロスWHO事務局長が言うように「日本は模範」というレベルにとどまるだろう。

日本のニュースでは米中軍事対決より、武漢肺炎でお盆の帰省がどうなるかのほうが大事みたいだ。お盆の帰省はもちろん旅行や飲み会も自粛傾向にある。しかし、こういった事態に陥ったのは日本政府のせいではない。そもそも新型肺炎を隠蔽し、世界に撒き散らしたのは中国共産党ではないか。休業補償や給付金は中国に請求しても良いと思う。欧米では中国に賠償を求める訴訟が起きているようだが、日本ではまだなのだろうか。

■中国が世界を牽引する?
中国は武漢肺炎からいち早く立ち直り、経済的にV字回復を遂げているという。パンデミックのような非常事態では果断に強硬策を実行できる独裁国家のほうが効率的なのだ、と中国を持ち上げる意見もある。新型肺炎は米軍が武漢に持ち込んだ、という中国外務省の趙立堅報道官のツイッターには吃驚したが、あの国で報道官レベルの人物が思い付きで言い出すはずがない。武漢肺炎を奇貨として中国の栄光を取り戻そうという計画の一環ではないか。実際、マスクや医療物資、医療チームを受け入れた発展途上国の多くは中国共産党の言い分を認めているようだ。

日本やフランス、英国など27カ国は6月30日に国連人権理事会で、「香港国家安全維持法」を施行した中国に対し懸念を示す共同声明を発表した。香港の高度な自治を保障した「一国二制度」を弱体化させると指摘している。中国を恐れる韓国は加わらなかった。
一方、それに倍するキューバなど53カ国が同理事会で、国安法を称賛する共同声明を出し、主権国家への内政不干渉は、国連憲章の重要な原則だと主張した。中国による国際公約無視も、香港の自由と民主主義も重視されなかった。

■多数決なら尖閣は中国領
この5月に中国の軍艦並みの公船が尖閣諸島で日本の漁船を追い掛け回し、日本領海から排除する行動に出た。この直後、中国外務省の趙立堅報道官は「日本の漁船が中国の領海で違法に操業していたため海域から出るよう求めた。日本の海上保安庁の違法な妨害にも断固として対応した」と、尖閣諸島が中国の施政下にあると公言した。中国公船の活動は世界に発信されている。世界各国は映像を見る限り、尖閣は中国の領土なんだ、少なくとも領土紛争があるのは確実だ、と思っている。中国の金に搦め取られている国は多い。国連の多数決で決めよう、ということになったら尖閣諸島は中国の領土になってしまうだろう。

中国は南シナ海東シナ海を自国の海にしようとする計画を1980年代初から着々と進めてきた。南シナ海にあるフィリピン領有の岩礁の埋め立てを始めたのは2013年、フィリピンがオランダ、ハーグの常設仲裁裁判所に中国の不当な海洋支配を訴えて勝訴したが、中国はこの判決を「紙屑にしか過ぎない」と一蹴して、軍事施設を建設し、海洋支配を確固たるものとした。中国にとって国際法は自国に有利なら取り入れる、自国に不利なら無視する。国連安全保障理事会常任理事国として拒否権を行使できるから、国連安保理からの制裁を受けることもない。警察とつるんだマフィアが一般市民をカツアゲするのと変わらない。

■米国が怒った
習近平国家主席が願ってやまない「中国の夢」とは中華人民共和国建国100年までに中華民族が「世界の諸民族の中にそびえ立つ」ことである。バカなことを言うなあ、と思っていたが、ここ100年の「恥辱の一世紀」を除けば歴史的に中国は世界最強国だったのだから元に戻るだけ、という感じかもしれない。

でも盗み、脅し、贈賄、人権無視などマフィア顔負けの手口で夢を実現しようとするわけだから、泣き寝入りする国ばかりではない。この続きはまた今度。

 

住民登録始末

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3分咲きか

 

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外務省前

 

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外務省

 

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望遠で

 

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右は外務省

 

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左が霞が関ビル、大きすぎ。

 

 

住民登録始末

 

■くすりふそく
3月初めにチェンライから台北経由で関西空港に到着、一泊して娘夫婦の住む長崎へ飛んだ。奇妙なルートになった理由は武漢肺炎拡大のせいで、台北から九州への便が運航停止となったためである。予定通りに3月下旬にタイに戻れるかなあ、と心配していたが、やはり数日の差で日本脱出はかなわなかった。

これほど長く日本に滞在するとは思っていなかった。まず直面した不都合は常用薬の不足である。昨年、ステント手術をしたため、血液をサラサラにする薬を飲んでいる。ついでに尿酸値、糖尿病の軽い薬も処方されている。2月に横浜大黒埠頭に停泊していたクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセスで集団感染が確認され、乗船客が下船できなくなった。乗船客は年配者が多い。日の丸の白地部分に「くすり ふそく しんこく」と手書きされた旗がデッキに掲げられた。2月時点では他人事と思っていたが、1月後に自分が「くすり ふそく しんこく」の状態に陥るとは思ってもみなかった。

薬を処方してもらうためには国民健康保険に入る必要がある。そのためには住民登録をしなければならない。品川区役所では帰国を証明する書類(旅券)があれば登録できますという。しかし問題は関空から「顔認証」で入国したため、旅券に帰国のスタンプが押されていない。

成田空港の出入国管理事務所に問い合わせると、「それは関西空港にもう一度行って押してもらうんですね」などという。そんな、と絶句すると、お上にはお慈悲もあるぞといった感じで、法務省出入国在留管理庁に出頭し、「個人情報開示請求」を行って入国の事実を証明してもらいなさい、と教えてくれた。初めからそう言ってよ。

虎の門界隈
法務省霞が関1-1-1、日比谷公園の真向かいにある。3月下旬、桜が3分咲き、4分咲きという麗らかな季節だった。法務省で申請手続きを終えた。2週間後に必要書類が自宅に送付される。暖かい日差しに誘われるように官庁街から赤坂方面を散策した。外務省前の桜も咲き始めていた。小和田雅子さんもこの桜を見ながら通っていたのかなあ、などと思った。自分の後ろを3,4人連れが歩いていた。聴くともなしに、「こういう時だけ経産は出てくるんだよな」、「ほんと、経産はいかんですな」という会話が耳に入ってきた。振り返ると男性たちは財務省へ入っていった。

虎の門交差点を右に曲がり、霞が関ビルへ向かう。霞が関ビルは1968年の竣工、高層ビルの先駆けだった。このビルに入っている会社に就職したいと言っていた学友やIJPCの同僚などを思い出した。ちょうど昼時分、木々は青く、歩く人は若い。自粛以前であったから人出は多い。30年、40年前の自分もこのあたりを闊歩していた。地下の食堂街はお持ち帰りの弁当を売る店が増えている。新しい店が多い中で昔、よく行った万世麺店があった。今は行列する人はいないが、排骨拉麺でしばしノスタルジアに浸ることができた。

食堂街のフロアは垢抜けたカフェテリアとなっていた。サンドイッチ、菓子パン、サラダ、ドリンクを売るコーナーがあった。パンは同じ種類であれば寸分違わぬ形で整然と並んでいる。おお、まるで宝石と見まごうばかりに美しい。並べ方のセンスの良さはチェンライでは決してみられない。まだ帰国して1月も経っていないころだから、街を歩いてもスーパーに入っても初訪日のタイ人並みに感動していた。

■住民登録のメリット
4月中旬に区役所で住民登録を済ませ、同時に国保に加入した。自動的に介護保険にも加入した。タイから持参した薬が無くなった頃、「お兄さんの健康保険証があれば薬は出せます」と好意で言ってくれた医師もいた。でも自分の保険証が手に入ったので、中国人の真似をしないで済んだ。

住民登録をしてよかったと思うことはまだある。政府が当初、「著しく減収した世帯に30万円を給付する」としていた方針を転換し、緊急経済対策として「国民1人あたり10万円の給付」を行うことになった。思いがけず、滑り込みセーフで自分にも給付金が支給された。もっとも2次補正予算には海外在留邦人への給付金が盛り込まれているが、早めに頂けるに越したことはない。
また8月からの申請になるが、品川区民は3万円の給付金が10万円とは別に給付される。まさか自分で申請手続きを行うことになるとは思っていなかったが、これも住民登録のおかげだ。

更に、数日前、友人のアドバイスで営地下鉄全線、都内のバスに無料で乗車できるシルバーパスを入手した。住民登録のおかげで東京生活に馴染みだした感がある。

日本国民、東京都民、品川区民である喜びを感じる。

日本モデルが世界に貢献?

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バンコクの反政府デモ

 

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同上

 

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世界遺産忍野八海

 

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結構な人出

 

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ニジマスの群れ

 

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水温12.5度

 

 


日本モデルが世界に貢献?

 

■都合よくいかない
コロナの世界的な収束は見られないし、米中両国は今、一触即発の危機のさなかある。半年前はまさかこんなことになるとは予想もしていなかった。まさに「世の中は何か常なる飛鳥川昨日の淵ぞ今日は瀬になる」だ。


昨日が今日も、そして同じように明日が続く、こんなことが幸せだった、と思う時が来ているような気がする。それにしてもタイから帰国し、5カ月の長期に亘って品川の茅屋に逼塞する身から見ると、日本は危機感がなくてのんきな国だなあ(いい国だ)、と思う。今月、山梨の忍野八海に行ったとき、若いカップルや家族連れが1枚1000円もするザル蕎麦を食べていたし、昨日は昼食に近所の寿司屋に行ってみたらほぼ満席だった。給付金効果かもしれないが、民のかまどはにぎわいにけり、だ。

タイでは非常事態宣言発令中で、5人以上の集会が禁止されているはずだが、全土で反政府デモが起きている。これは経済悪化に伴って、プラユットの軍事政権への不満が高まっていることが背景にある。これまでのデモと違って、要求の中に「不敬罪の撤廃」が掲げられている。長年のタブーであった王室批判の声が民衆の中から上がってきたことは注目に値する。このような民主化要求は武漢肺炎以後、世界の潮流となるような気がする。タイ政治が混乱すると自分のチェンライ帰還が遠くなるのであるが、自分の都合で世の中は動かないのだから仕方がない。

 

■日本は成功例
武漢肺炎以後をめぐって、様々な意見が飛び交っている。だが野党、マスコミはモリカケもサクラも麻雀検事長も安倍降ろしにつながらなかったものだから、感染者が増えた、GoToトラベルは失敗だ、とウィルス対策にケチをつけて政権批判に躍起となっている。反安倍勢力の都合のいいように世の中は動かない。武漢肺炎はどこから発生したのか、文句の付け所が違うのではないかと自分は思うが、そう思わない人は多いらしい。反安倍の人には申し訳ないが日本のウィルス対策は国際的に高く評価されている。
中国共産党の手先だとして評判の悪いWHOのテドロス事務局長でさえこう言っている。


7月28日付産経新聞から。
WHO事務局長、流行の加速を懸念 日本「依然として成功例」
テドロスWHO事務局長=3日、スイス西部ジュネーブ(共同)
 【ロンドン=板東和正】世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長は27日、新型コロナウイルスの感染について、過去6週間で世界全体の感染者数が約2倍になったとし、「流行が加速し続けている」との見方を示した。一方、感染者が増加する日本の現状については、死者数が最小限に抑えられていると指摘し、「依然として成功例だ」と評価した。
 WHOが1月30日に世界「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言してから今月30日に半年が経過する。テドロス氏は4月に続いて、今週末に緊急委員会を再招集し、感染状況を検証することも明らかにした。緊急委は約3カ月ごとに招集される仕組みになっている。
 「新型コロナは私たちの世界を変えた」とするテドロス氏は、マスク着用や「社会的距離」の確保などを改めて各国に訴え、「これらの対策を守る国では感染数は減少するが、守れなければ増加する」と強調した。
 テドロス氏は日本の感染状況について、死者数が低水準に抑えられているとし「感染者の数ではなく、どれだけの命を救うことができたかが最も重要だ」と強調。オーストラリアと並んで日本の対応を「模範」と評価した。

 

■日本モデル
正論8月号の「欧州が驚嘆した『日本のナゾ』」で三井美奈産経新聞パリ支局長が、パリにいて感じるのは、日本を見る目がガラリと変わったことである、とウィルス対策に関し、日本の評判が爆上げになっていることを伝えている。英紙ガーディアンは納豆を食べる文化が免疫力を高めた、NYタイムスは欧米と違って早くからマスクを着用していた、等々。いつもは日本の悪口ばかり書く独紙、ウェルトも「ドイツ政府は日本に学ぶべき」と、安倍政権が生産拠点を中国から日本に戻す動きに関心を示しているという。

米国では日々の感染者が数万人、死者はすでに15万人を超え、欧州でも2次感染が懸念されている。三井記者は世界が「日本モデル」を求めているにも拘らず、日本はその発信力が弱いと案じている。しかし「3密」は英語で「3C」(Closed spaces、Clouded places、Close-contact settings)と訳され、WHOもフェイスブックで「3つのCを避けよう」と呼びかけている。
3C普及で日本はコロナ抑制に貢献した、と言われることになるのか。

何日君再来(いつ帰れる?)

 

 

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この人が頼り

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山中湖近くからの富士山

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上の写真の山頂右上部、望遠で。

 

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花の都公園

 

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忍野八海、富士の雪解け水

 

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30秒は我慢できない

 

 

何日君再来(いつ帰れる?)

 

■4回目のキャンセル
8月発の成田ードンムアンーチェンマイのチケットを確保していた。6月にネットで購入し、コンファームも来ていた。しかしこの確認メールの2週間ほど後に、乗機予定のノックスクートが清算に入った。需要回復が見込めないという。国際便が飛ばなくなることを予想して、代金返還の保険に入っていたから、他社便に振り替えてくれるのかしら、などと期待していたが7月下旬になって、旅行代理店からフライトはキャンセル、返金は半額となります、という一方的通告があった。LCCだし、倒産してしまったのだから仕方がない。当初の3月便をはじめとして、4月、7月とこれまで3回、航空チケットがキャンセルされている。

恨むなら中国共産党を恨みなさい、か。でも自分よりも切実な思いでタイに戻りたいと思っている邦人やタイ人は多数いることだろう。現在、タイ政府は外交官、一部ビジネスマン、タイ人配偶者を持つ人を中心に特別入国を認めている。自分もチェンライに配偶者がいたら戻れたかもしれないが、結婚しておくべきだったなあとは思っていない。

出入国緩和
日本政府は新型コロナウイルス抑制のため実施している出入国緩和の第1弾の交渉国を、ベトナム、タイ、豪州、ニュージーランドと位置づけ、6月より交渉をスタートさせている。第1弾の交渉入りに際し、政府は1日の入国者の上限を250人程度としていた。そして第2弾として台湾、中国、韓国などとビジネス往来再開に向けた協議を始める。第2弾の交渉国となる国は日本と経済関係が深く、新型コロナウイルスの状況が落ち着いている台湾、中国、韓国、シンガポール、マレーシア、ブルネイミャンマーカンボジアラオス、モンゴルのアジア10カ国と地域。実際に各国との往来が始まるのは空港での検査体制が整う秋口になるとみられている。

往来再開に際しては、ビジネス目的を優先し、次が留学生としているため、観光目的の訪日客の受け入れが再開されるのは、さらに先になる見通しという。
日本では感染第2波が発生しているから、各国は日本に対する警戒レベルを引き上げ、入国制限措置を強める方向にある。第2波のせいで少しタイが遠くなった。

■タイの状況
タイ保健省は2020年7月23日、新型コロナウイルスに関する記者会見を行い、新たに確認された感染者数は8人で、これまでの感染者の合計は3269人。死亡者は0人で、これまでの合計は58人。入院治療中は106人。3105人は既に回復して帰宅しているとのこと。

新規に感染が確認された8人は、全員が海外から入国した人。内訳は、エジプトからの4人、スーダンから2人、アメリカから2人で、全員検疫施設に隔離中。
タイ国内での感染者はここ2カ月ほどゼロとなっている。水際作戦が成功し、ウィルスを抑え込んでいると言えるだろう。

■外人は来るな
タイ人は見えないもの、例えばピー(おばけ)に対する恐怖心は日本人に比べて格段に強いように思う。新型肺炎を恐れることも日本の比ではない。感染者、死者ゼロが続くチェンライではナイトバザールは閉まったままだし、スーパーでのマスク、体温チェックは必須だ。
新規感染者が帰国者、外国人ばかりという実態を受け、入国制限の緩和に対してはタイの人々の拒否反応は強いようだ。スアンドゥシットラチャパット大学の世論調査センターが発表した調査結果によれば、「感染再拡大を防止するため外国人の入国は禁止すべき」との意見が94・5%に及んだ。調査はインターネットを通じて7月14~18日に実施され、全国の1459人が回答した。

日本の観光業のGDPに占める割合は3%程度、GoToトラベルもやらないよりやったほうがましという程度だが、タイ経済における観光業の重要度は日本の比ではない。外国人はタイに来てくれるな、は本気だろうか。

ピパット観光スポーツ相はこのほど、タイが年末まで外国人観光客を受け入れない場合、観光関連産業の約6割が閉業を余儀なくされかねないとの見解を示した。
タイ国政府観光庁によれば、今年はタイを訪れる外国人が前年比で約8割減の820万人、観光収入は3960億バーツに落ち込む見通し。また、ピパット大臣によれば、国民総生産(GDP)に占める観光業の割合であるが、2019年の18%が、今年は6~7%となる可能性が高いとのことだ。(バンコク週報より)

このような折、タイ政府は新型コロナウイルス対策で発令している非常事態宣言の期限を7月31日から8月31日まで延長する方針を発表した。3月26日の発令後、4回目の延長となる。国民の不満を抑える強権独裁続行、いつ戻れるかわからない。

 

 

追憶のオリンピックマーチ

 

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 ポスター、デザインは亀倉雄策

 

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日本選手団入場

 

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旗手は体操の小野喬選手

 

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聖火最終ランナー、酒井義則君、この人も亡くなった

 

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体操の小野夫妻、清子夫人は参議院議員3期、内閣府特命担当

大臣等を歴任

 

 

追憶のオリンピックマーチ

 

本日23日は本来であれば東京五輪の開会日だった。入場行進ではオリンピックマーチが流れたことだろう。記念すべきこの日に2007年9月にウズベクで書いた「オリンピックマーチ追想」を加筆訂正して再録したい。

■日いずる国の行進曲
気分を昂揚させたい時に聴く音楽の中にオリンピックマーチがある。ウズベクでは授業に出かける日の朝によく聞いた。現在、はからずもウィルス騒ぎで東京滞在を余儀なくされている。今、オリンピックマーチを聴けば当時の活力に満ちた日本を懐かしく思い出し、こっちも元気が出てくる。

1964年の東京五輪は、戦後の日本が復興し、ようやく先進国の仲間入りをし、日本が一つになった、まさに昭和の頂点といえるイベントだった。全国民の胸の高鳴りを象徴する曲こそオリンピックマーチだった。

 

■56年前の入場行進
1964年(昭和39年)10月10日、千駄ヶ谷の国立競技場で、第18回オリンピック東京大会の開会式が行われた。前日までの雨はきれいに上がり、空はまさしく日本晴れ。この時期、日本は戦後の復興を終わり、高度成長まっさかり。オリンピックの開催は、伸び盛りの国・ニッポンを世界に印象付ける絶好の機会でもあった。参加94カ国、選手総数5,558名で、それまでの記録を塗り替える空前の規模だった。

哀調を帯びた和風のファンファーレが鳴り響いたあと、午後2時に75,000人の観衆が見守る中、古関裕而作曲の東京オリンピックマーチが流れ、オリンピック発祥の地、ギリシャを先頭に、94カ国の選手役員7000余名の入場行進が始まった。実況は、NHKの名アナウンサー・北出清五郎。「世界中の青空を全部東京に持ってきてしまったような、素晴らしい秋日和でございます。 ...」の名言はもちろん、色とりどりのユニフォームや民族衣装で行進する各国選手団の描写も実に感動的だった。

「1964年10月10日午後2時、いよいよ選手団入場行進開始であります。先頭はオリンピックを生んだ栄光の国ギリシャ、紺地に白く十字が浮かび上がったギリシャ国旗が今、日本の、東京の、メインスタジアムのトラックのレンガ色に鮮やかにコントラストを見せております。参加94ヵ国、7060人の世界の若人の力と美のパレード」

「オリンピック初参加、ひときわ高く湧き上がる拍手、アフリカ大陸西岸、カメルーンであります。たった二人の行進、小さな国に大きな拍手、健気(けなげ)であります。全く健気であります」・・・・

 

■先人の夢が実現
最後に日本選手団357名が登場。ここで行進曲は再びオリンピックマーチに戻る。
「いよいよ最後、日本人選手団の入場であります。栄光への道を求めて苦しい試練を耐え抜き、今、堂々と胸を張って歩く日本の若者・・・・」日の丸をイメージした深紅のブレザー、主将を務めたのは体操の小野喬、実に整然とした入場行進で場内の興奮は最高潮に達した。

北出アナウンサーの最後の言葉は泣かせる。
「5年前、東京大会が正式に決まり、それから5年、日本人一人一人の総ての努力はついにこの日のために払われた感じがいたします。アジアで初めて開かれた世紀の祭典、平和と人間愛と技術と、第18回オリンピック東京大会、この日を迎えるその道はまことに長く、本当に険しくさえあったのであります」
長く険しい道には幻の五輪となった1940年の五輪東京大会が暗示されている。

 

■復興と平和の祈りを込めて
オリンピックマーチは明るく躍動的で、構成といいメリハリの効いたメロディーといい、世界の数あるマーチと比べても遜色無い名曲だ。

作曲者、古関はこの曲についてこう語っている。
「開会式に選手が入場する一番最初に演奏され、しかもアジアで初めての東京大会であるということから、勇壮な中に日本的な味を出そうと苦心しました。そこで曲の始めの方は、はつらつとしたものにし、終わりの部分で日本がオリンピックをやるのだということを象徴するために、君が代の一節を取り入れた。私の長い作曲生活の中で、ライフ・ワークと言うべきもので、一生一代の作として精魂込めて作曲しました。」

オリンピックマーチは閉会式でも演奏され、東京オリンピックは、この曲に始まってこの曲で終わっている。その後このマーチは誰が作曲したのかとの問い合わせが世界各国から殺到し、古関の名前は一挙に知れ渡った。またオリンピック以後このマーチは、全国各地の運動会等でも流され、この曲を知らない人はいないであろう。聴くときに我々の心が熱くなるのは作曲者を含む当時の日本人の愛国心、誇りがこの曲に込められているからだと思う。

 

オリンピックマーチの視聴はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=g0uRDANnEbU

https://www.youtube.com/watch?v=m7GlLDgzI6E