チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

住民登録始末

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3分咲きか

 

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外務省前

 

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外務省

 

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望遠で

 

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右は外務省

 

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左が霞が関ビル、大きすぎ。

 

 

住民登録始末

 

■くすりふそく
3月初めにチェンライから台北経由で関西空港に到着、一泊して娘夫婦の住む長崎へ飛んだ。奇妙なルートになった理由は武漢肺炎拡大のせいで、台北から九州への便が運航停止となったためである。予定通りに3月下旬にタイに戻れるかなあ、と心配していたが、やはり数日の差で日本脱出はかなわなかった。

これほど長く日本に滞在するとは思っていなかった。まず直面した不都合は常用薬の不足である。昨年、ステント手術をしたため、血液をサラサラにする薬を飲んでいる。ついでに尿酸値、糖尿病の軽い薬も処方されている。2月に横浜大黒埠頭に停泊していたクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセスで集団感染が確認され、乗船客が下船できなくなった。乗船客は年配者が多い。日の丸の白地部分に「くすり ふそく しんこく」と手書きされた旗がデッキに掲げられた。2月時点では他人事と思っていたが、1月後に自分が「くすり ふそく しんこく」の状態に陥るとは思ってもみなかった。

薬を処方してもらうためには国民健康保険に入る必要がある。そのためには住民登録をしなければならない。品川区役所では帰国を証明する書類(旅券)があれば登録できますという。しかし問題は関空から「顔認証」で入国したため、旅券に帰国のスタンプが押されていない。

成田空港の出入国管理事務所に問い合わせると、「それは関西空港にもう一度行って押してもらうんですね」などという。そんな、と絶句すると、お上にはお慈悲もあるぞといった感じで、法務省出入国在留管理庁に出頭し、「個人情報開示請求」を行って入国の事実を証明してもらいなさい、と教えてくれた。初めからそう言ってよ。

虎の門界隈
法務省霞が関1-1-1、日比谷公園の真向かいにある。3月下旬、桜が3分咲き、4分咲きという麗らかな季節だった。法務省で申請手続きを終えた。2週間後に必要書類が自宅に送付される。暖かい日差しに誘われるように官庁街から赤坂方面を散策した。外務省前の桜も咲き始めていた。小和田雅子さんもこの桜を見ながら通っていたのかなあ、などと思った。自分の後ろを3,4人連れが歩いていた。聴くともなしに、「こういう時だけ経産は出てくるんだよな」、「ほんと、経産はいかんですな」という会話が耳に入ってきた。振り返ると男性たちは財務省へ入っていった。

虎の門交差点を右に曲がり、霞が関ビルへ向かう。霞が関ビルは1968年の竣工、高層ビルの先駆けだった。このビルに入っている会社に就職したいと言っていた学友やIJPCの同僚などを思い出した。ちょうど昼時分、木々は青く、歩く人は若い。自粛以前であったから人出は多い。30年、40年前の自分もこのあたりを闊歩していた。地下の食堂街はお持ち帰りの弁当を売る店が増えている。新しい店が多い中で昔、よく行った万世麺店があった。今は行列する人はいないが、排骨拉麺でしばしノスタルジアに浸ることができた。

食堂街のフロアは垢抜けたカフェテリアとなっていた。サンドイッチ、菓子パン、サラダ、ドリンクを売るコーナーがあった。パンは同じ種類であれば寸分違わぬ形で整然と並んでいる。おお、まるで宝石と見まごうばかりに美しい。並べ方のセンスの良さはチェンライでは決してみられない。まだ帰国して1月も経っていないころだから、街を歩いてもスーパーに入っても初訪日のタイ人並みに感動していた。

■住民登録のメリット
4月中旬に区役所で住民登録を済ませ、同時に国保に加入した。自動的に介護保険にも加入した。タイから持参した薬が無くなった頃、「お兄さんの健康保険証があれば薬は出せます」と好意で言ってくれた医師もいた。でも自分の保険証が手に入ったので、中国人の真似をしないで済んだ。

住民登録をしてよかったと思うことはまだある。政府が当初、「著しく減収した世帯に30万円を給付する」としていた方針を転換し、緊急経済対策として「国民1人あたり10万円の給付」を行うことになった。思いがけず、滑り込みセーフで自分にも給付金が支給された。もっとも2次補正予算には海外在留邦人への給付金が盛り込まれているが、早めに頂けるに越したことはない。
また8月からの申請になるが、品川区民は3万円の給付金が10万円とは別に給付される。まさか自分で申請手続きを行うことになるとは思っていなかったが、これも住民登録のおかげだ。

更に、数日前、友人のアドバイスで営地下鉄全線、都内のバスに無料で乗車できるシルバーパスを入手した。住民登録のおかげで東京生活に馴染みだした感がある。

日本国民、東京都民、品川区民である喜びを感じる。