チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

日本語学習発表会

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「日本語学習発表会」の審査員をつとめる

先日、タシケントの日本ビジネスセンターで「第5回ウズベキスタン日本語学習発表会」が開催された。4月にここで大学生のスピーチコンテストがあったが、これはその高校生版といえる。

発表会は弁論の部と、学芸の部に分かれている。弁論の部ではウズベキスタン全国各地から集まった高校生19名が発表時間4分のスピーチを行う。学芸の部では14歳以下の子供たちが14グループに分れ、3-5分の日本に関する「歌」、「踊り」、「劇」を披露する。弁論の部には4月に配属されたばかりの青年海外協力隊員が、また学芸の部では同じく新任のシニア海外ボランティアが審査員として参加。自分も学芸の部の審査員を仰せつかった。

主催が日本ビジネスセンターとウズベキスタン日本語教師会ということで、日本人教師がJICAから派遣されている施設、すなわち東洋学大学付属高校、サマルカンド外国語大学付属高校、サマルカンド6番孤児院、サマルカンド観光カレッジ、ナボイ孤児院、タシケント117番学校、サマルカンド2番幼稚園学校等の子供たちが参加した。

交通費、滞在費、宿泊費は原則、出場機関、出場者が負担することになっている。サマルカンド組はバスに分乗して、当日午前3時に現地出発、夜中の12時に日帰り帰着という超ハードスケジュールだ。

当日の司会を務めたのは東洋語学大学付属高校の男子生徒とサマルカンドのりこ学級の女高生。てきぱきと日本語、ウズベク語、ロシア語の3ヶ国語を駆使して発表会を進めていく。

弁論はわずか2年あるいは3年足らずの学習でよくこれだけしっかりした日本語スピーチができるものだと感心するできばえだった。日本の高校生が英語のスピーチをしてもとてもこのレベルにはいかないだろう。みんなのスピーチからこちらの高校生の将来の夢、悩み、社会的関心事項が伺えた。

双子の兄弟が出場したが、双子は男の場合、ハッサン、ヒュサンと名づけられる。女子の双子もつける名前が決まっている。双子は結婚式を同時にしなければならない。ただし双子同士結婚はしない。またウズベクでは子供の10%が双子で生まれてくるという。
ウ国の失業率は政府発表で0.4%、世界銀行推定で20%となっているが、お父さんが失業しているという生徒はウ国の失業率を40%と紹介していた。40%の数字はあちこちで聞くので、この数字が実失業率を表しているのだろう。こちらの高校ではクラブ活動がないということも新鮮な驚きであった。発表者は日本の高校ではクラブ活動が盛んであり、部活を通してできる友人の結びつきの強さなど、日本の高校生生活をしっかり把握していた。

また、「辛口批評の甘い果実」というスピーチでは、この国の新聞はほめることばかりで批判記事がほとんどない、ということに言及していた。20年前だったら、こういった政府批判をした人はシベリア送りになったという。それだけ今は自由になったといえるのも知れない。「私の夢は日本語教師」というスピーチからは、現在世界で日本語を学んでいる人が230万人いることを教えてもらった。

優勝は「21世紀の問題、麻薬」と題して、ウ国の麻薬問題を取り上げた東洋学大学付属ユヌサバード高3年のウミッド君。3年生と2年生では日本語レベルの差が歴然としている。出場者はスピーチのあと、審査委員からの質問に答えなければならないのだが、質問の意味を正確に把握して答えられたのはウミッド君を含めて2,3名だった。スピーチ丸暗記だけでは上位に入るのは難しい。

この国の子供たちは目立ちたがり屋が多い。そういった子供たちと日本人教師が一体となった成果が「学芸の部」で発表された。自分は審査員だから、と初めは緊張していたが、演じられる劇、歌、踊りは、かわいい、元気がある、うまい、がんばった(練習量)、すごい、面白いの連続で感心するやら大笑いするやら。審査委員が一番楽しんだのではないだろうか。

最優秀賞は手作りの衣装で劇、「桃太郎」を演じたサマルカンド2番幼稚園学校。7歳くらいの子供が演じるおじいさん、おばあさんが、桃から桃太郎が出てきてびっくりする場面は秀逸。桃太郎は鉢巻、柔道着で生まれてくる。

歌を歌うグループも多かったが、ただの合唱ではなく、必ず振り付けがあって、大変リズム感よく踊る。やっている子供たちも演技を心から楽しんでいるのがわかる。

弁論、学芸の審査結果発表では、順位発表ごとに地域、学校、父兄グループから歓声が沸く。賞品はボールペンや団扇、下敷き程度。それでも子供たちは賞品を手にうれしそうに会場をあとにしていた。

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