チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

2025年問題対処法

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2025年問題対処法

■2025年問題
未来予測の中で当てになるものは少ない。その中で先ず、信頼に足るという予測が人口推移予測である。2025年問題をご存知だろうか。2025年になると、1947年から1949年に生まれた団塊世代、約800万人がが75 歳以上の後期高齢者の仲間入りをする。2025年の後期高齢者は約2179万人、65歳以上の前期高齢者を含めると約3658万人に達する。日本人の3人に1人が年寄りだ。「認知症の高齢者の増加、介護の問題、医療の問題、社会保障費の問題、死の問題、住まいの問題」など、これまで問われることの少なかった多様な問題が、「2025年」を機に一気に表面化してくる。

高齢者が認知症にかかる割合は5人に1人、2025年には約800万人が認知症になる。識者の中には1200万になってもおかしくないという人もいる。国民の10人に1人が認知症。本当か。現在の国防体制を考えると日本人の50%くらいは平和ボケと言ってもいいが、それでも身の回りのことは自分でできることを考えると、2025年の認知症患者の増加は重大な問題である。その時に後期高齢者となる自分としては、これでは若い人に申し訳ない、ボケる前にこの世から去ったほうがいいのではないか、と落ち込んでしまう。こう書くと75以上まで生きるつもりだね、と揶揄されそうである。もう人生のロスタイムに入っているから、いつピーッと笛が鳴ってもおかしくないが、寿命統計から行けば75以上まで生きる確率は高い。それに認知症にかかるかどうかは神のみぞ知る。今から心配しても仕方がない。

■立ちいかない社会保障制度
認知症にならずとも年を取れば体のどこかが悪くなる。医療費は増大する。現在、高額治療、つまり月400万円以上の保険請求がある事例は毎月3千件を越えているという。その大半が80歳以上の高齢者とのこと。胃瘻でも透析でも新薬投与でも患者(家族)が望み、医師が許すのであれば、またそれを医療制度が認めているのであれば、高額治療は増えていく。
治療費が高額であっても患者が健康を取り戻し、社会に、学業に復帰していくのであれば治療の意味があるだろう。でも回復がほとんど見込めない高齢者の延命治療は社会的に意味があることだろうか。タイでは胃瘻などの延命治療は基本的に行わない。入院していても死期が近づくともうやれることはないから、と退院を勧められる。どっちがいいとは言えないが、超高齢化社会を迎えれば、現在の日本の医療制度は立ちいかなくなることは明らかだ。

年金にしても医療費にしても要するに金の問題と割り切って、できないことはできないと政府が開き直ることも必要になるだろう。例えば年金だったら、年金支給開始時期を75歳にする、支給金額を下げる、その代り75歳まで働ける人は働く。医療費も高齢者の負担率を引き上げる、高齢者の治療費に一定の枠を設けるなどの方策が考えられるだろう。こう書くと「老人は死ねというのかー」とキレる人もいるかもしれないが、このまま野放図に増大していく社会保障費を漫然と座視できるか。高齢者も痛みを分かち合う必要があるという気がする。

■せめてできることは
以前、農漁業、自営業の人は高齢になっても働き続ける傾向がある、と書いた。健康だから働き続けるのか、働いているから健康なのか、多分両方だろう。最近、和風総本家というテレビ番組を見ているのだが、中小企業に働く職人さんと言われる人たちも70、80になってもその道一筋に働き続けている。仕事に誇りを持ち、それを評価してくれる人がいる。
外国人の職人仕事への賛辞に対して職人さんは異口同音にこう答える。「ありがとうございます。これからももっといいものを作り続けていきたいと思います」。工場で働く人だから職人さんというより職工さんが正しいような気がするが職工は差別用語らしい。まあ特殊技能者だ。技能は加齢によって衰えるものではない。給料も大会社の事務職のように定年延長となった途端に半減することはないだろう。自分のような元ホワイトカラー、会社の事務職は、何も技術が身に付いていないから、働き続けて年金の原資増加に寄与することができない。できることと言えば、年金減額を甘んじて受ける、国民健康保険介護保険のお世話にならずにひっそりと異国で亡くなるくらいだ。

病気になると日本に帰って国保に入るというケースはあるが、死ぬ寸前まで健康に過ごしていれば帰国する必要もない。遅きに失した感はあるが、アンチエイジングに効果抜群というアンチャンを毎日飲み続けているのも、これで健康に2025年問題をクリアできるのでは、という一縷の希望があるからである。



写真はパヤオのワット・シーコムカムから