チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

つまらぬ老後

 

 

チェンライ土曜市

ラニン(いずみ鯛)塩焼き

バナナ売り場

へちまの屋台、あかすりに使う

サンダル、200円

宝くじ販売

 

つまらぬ老後

■老後は何年あるか

老後とは何歳からか?ある調査によると男性は65歳から、女性は70歳からが老後であるという回答が多かったそうだ。2020年に厚労省が発表した日本人の平均寿命は、男性が81.64歳、女性が87.74歳であるから、男は16年、女性は17年ほどの老後を過ごすことになる。自分は後期高齢者であるから残された老後は5年ほどである。

ところで1990年代に国民的人気を誇った100歳姉妹のきんさん、ぎんさんは、CM出演はもちろんCDも出し、お金がどんどん入ってきた。そういった収入はどうなさるのですか、という質問に「老後のために貯金します」と答えている。100歳は老後じゃない、ということだったのか。自分の老後が平均であと5年であるのに対し、きんさん、ぎんさんは107歳、108歳まで生きたから、彼女たちの老後は自分より長かった、ということになりそうだ。

誰にも老後は来る。老後にどう備えるか、どう過ごすか、こういった書籍、ユーチューブがよく目につくようになった。

老年精神科医和田秀樹さんは6千人以上の高齢者を見てきた経験から、いい年の年のとり方を考察し、魅力的な理想の老人を、「品のある老人」「賢い老人」「おもしろい老人」という三つのカテゴリーに分けて解説し、それらを備えていることが「老いの品格」であると言う。70代、80代の人を販売ターゲットとしたこの著書、「老いの品格」は結構売れているらしい。
この先生は他に「50代からはじめる 老けない人の『脳の習慣』」、「60歳からはやりたい放題」、「70歳が老化の分かれ道」、「80歳の壁」、「90歳の幸福論」等の著書がある。まさに高齢者を市場としている。高齢者は増えるばかりだし、お金も多少は持っている。決してニッチな市場ではない。

 

■つまらない老後とは

こうした本が売れ、老後関連のユーチューブが多いということは「老後」に不安を感じる人が多いからだろう。ユーチューブの中に「老後つまらない人生を過ごす人の共通点5選」があったので我が身と引き比べてご紹介したい。

 

1この年だから、と年を取ったことを言い訳にする。

ジアップ先生が、真面目な交際をしたいというタイ女性がいるのよ、とお見合いを勧めてくれたが、「この年だから」と断ってしまった。若い子を求めて紅灯緑酒の巷を徘徊する老人、ン十歳も若いパートナーと暮らすご同輩は確かに若々しい。自分も見習うべきだったか。

2.お金がないと何もできないと思っている。

お金はなければないでなんとかなる。帰国してすぐ生活保護を受けた知人もいる。それほど貧乏でなくてもプミポン前国王の「足るを知る経済」を実行していれば老後は安心です。

3.これから先、やりたいことがない。

旅行も行きたいし、美味しいものも食べたい。今更、ウィンブルドンを目指すわけではないが、バシッとスマッシュが決まれば、の気持ちはまだある。気力、体力が何とかなるうちはやりたいことをやっておきたい。

4.何でも人任せにしている。

何食べる?なんでもいい。何処に行く?何処でもいい。自分もこう答えたいのだが、独り暮らしなの訊いてくれる人がいない。何でも自分でやらないとものごとが始まらない。人任せにして自分で決断しない人は認知症になるという。決められない人はパートナーも呆れて逃げだすとか。カミさんに離婚されたが決断力不足だったのだろうか。

5.日常生活を変える気がない

老後は毎日が日曜日、生活環境が変わるのであるから日常生活も当然変えなければいけない。今までの生活を続けたがる人は結局、つまらない毎日をかこつことになる。新しいことに挑戦、の気持ちが大切。

 

■自分で決める

つまらない老後を送る人の特徴を一言で言えば、自立心がないということだ。でも何十年もグダグダとした生活を送ってきた人に65歳からやる気を出せと言っても無理ではないか。だからつまらない老後だね、と言われようとも、何も決めず、年だからと積極的に動かず、テレビを眺めて暮らす生活が快適だ、という人がいてもいい。

このユーチューブでは楽しく老後を暮らすために1.収入が低くても働く、2.健康づくりになる趣味を持ち友人を増やせ、3.シニアサービスを利用する、の3つを上げている。でも、引退後でも仕事をしたい、友人を増やしたい、と少なくとも自分は思わなかった。

老後は不安かもしれない。でも人が何といおうとこれでいいのだ、つまらぬ老後?、大きなお世話、品格のない老人で何が悪い。曲がりなりにも60,70の年を生きてきたのだから老人たるもの、このくらいの気概を持つべきだと思うのだが違うだろうか。