チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

法力を目の当たりに

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御厨人窟

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最御崎寺

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太龍寺の麓

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太龍寺本坊の桜

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太龍寺境内にて

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舎心ヶ嶽




法力を目の当たりに

■心に余裕
ひょいと思い立って四国へ行った。3月14日に発って、19日に戻ってきたから旅行からもうひと月過ぎてしまった。春、まだ浅い頃であったが、桜がほころび始め、日本の自然はいいなあ、と思いながらの旅だった。東京に戻ったら桜があちこちで咲き始め一気に春到来となった。まさか日本の桜を2回も楽しめるとは思ってもいなかった。

我が家の隣は小公園となっている。そこに大きな桜の木があり、二階の窓から夜桜を見ながら酒を飲むことが出来る。昔は印刷工場だったが区画整理があって児童公園となった。公園にどんな木を植えるべきか、町内会に品川区から相談があった。その時、母が、桜がいいと町内会をまとめて桜になったと聞いている。公園のベンチで缶ビールを片手に桜を仰ぎ見ている若者を見ると、なんとなく嬉しくなる。

昨年の春は、もしかしたらチェンライに戻れるのでは、と航空券を予約したり、キャンセルされたりと心忙しく、桜の花をめでる余裕がなかった。そして今、一生、このままでもいいかなと思うくらい東京生活を満喫していると、近所の藤やつつじの花が一層鮮やかに見える。去年もこんなにきれいに咲いていたっけ?

御厨人窟、ひと月違いで
3月の旅行は室戸の御厨人窟と阿波の太龍寺、主としてその二つを回った。弘法大師ゆかりの場所である。大師様が著した「三教指帰(さんごうしいき)」にはこの2ヵ所で修業した旨、記されている。御厨人窟は落石の恐れがあり、バリケード封鎖されていて近づくことが出来なかった。でも今は…、以下、友人の送ってくれた4月11日高知新聞の記事から。

御厨人窟あす入洞再開  室戸市 落石防止10ヶ月ぶり
【室戸】 落石の危険があるため立ち入り禁止になつていた御厨人窟と神明窟への入洞が12日、10ヶ月ぶりに再開される。青年期の空海が修行した場所と言われ、多くの観光客や遍路が訪れていた。ただ2012年と15年に落石が確認されたため、市が入洞を禁止。入り口上部に落石を防ぐ金網を2重に張り対策を施して19年4月に再開したものの、小石までは防ぎきれず昨年6月に再び入洞を禁止していた。観光客や住民からの入洞再開要請を受けた市は3月、さらに目の細かい(網目1センチ)プラスチック製ネツトを既存の金網の下に張った。市は「定期的に落石がないかを確認して、安全確保に努めていく。小さな落石にも十分注意してほしい」としている。入洞は午前8時~午後5時。

(引用終り)

残念、ひと月違いで入洞できなかった。

■失せ物祈願成就の時
太龍寺のあと阿波最東端の阿南市に泊まり、翌日、徳島を訪れ、高徳線で高松へ、高松で最後の夜を過ごし、翌朝、高松空港から成田へと戻った。徳島のことはいずれ書くが、高松空港で大師様の法力を実感することになる。

高松空港で、ジェットスター成田行きのチェックインを行った。係員のお姉さんに、期待はしていなかったが、「もしかしてスマホ、届いていないでしょうか。メーカーはギャラクシー、はげちょろけの合成皮革のカバーがついているのですが」と、数日前高松へ来た時の搭乗券を見せた。後ろにチェックインの列が出来ていたし、お姉さんは、あとで調べますから後方の席でお待ちください。

そろそろ搭乗待合室に行く時間だなあ、と腰を浮かしかけたところへ、お姉さんが二人、息せき切ってやってきた。「お客様、もしかしたらこのスマホではございませんか?」。しょぼい茶色カバー、黒いイヤホーンが巻き付いている。間違いない、諦めていた我がスマホだ。あったー!

成田から高松への便はほぼ満席で自分の席は緊急脱出口のすぐ横だった。いつもは肩に下げているバッグを客室乗務員に取り合上げられて、頭上の棚(オーバーヘッドビン)に入れられた。到着時、そのバッグを棚から取り出すときに、中に入っていたスマホが滑り落ちたらしい。

ありがとうございます、よかったー、と大喜びする自分に合わせて、おねえさんは「あはは」と笑った。「あなたは正直に自分のスマホと言いました。ご褒美にこのiPhoneも差し上げましょう」とまでは言ってくれなかったが、彼女らがまるで女神さまのように見えた。

これも最御崎寺太龍寺スマホが出てきますように、とお賽銭を上げての「失せ物祈願」が成就したということだろう。恐るべし、弘法大師様のご功徳、法力。「終わり良ければ総て良し」という。大師様のご加護でその通りに旅を終えることが出来た。

「おん あぼきゃ べいろしゃのう まかぼだら まにはんどま じんばら はらばりたや うん」(真言宗、光明真言