チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

日本で見た映画

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日本で見た映画

■三度目の殺人
帰国したら大きな画面で映画を見たいと思っていた。今はユーチューブで古今の名画が鑑賞できる時代だが、やはり暗い映画館で大きなスクリーンに見入るというあのワクワクする高揚感はPCでは無理だ。大体、スターウォーズジュラシックパークを30センチ程度のモニターで鑑賞する行為は映画への冒瀆ではないかとさえ思える。

池袋で会った友人と昼食を共にし、二人とも夕方の約束まで時間がある、というので一緒に映画館へ行った。見た映画は、「三度目の殺人」。福山雅治役所広司斉藤由貴広瀬すずが出演する法廷サスペンスドラマだ。福山が勝利優先の弁護士、役所が得体のしれない殺人犯、斉藤由貴が被害者の妻、暗い性格の娘が広瀬すずといった配役。

ネットによるあらすじは以下の通り。
勝利にこだわる弁護士重盛(福山)が、やむをえず弁護を担当することになったのは、30年前にも殺人の前科がある三隅(役所)。解雇された工場の社長を殺し、死体に火をつけた容疑で起訴されている。犯行も自供し、このままだと死刑はまぬがれない。はじめから「負け」が決まったような裁判だったが、三隅に会うたび重盛の中で確信が揺らいでいく。三隅の動機が希薄なのだ。 彼はなぜ殺したのか?本当に彼が殺したのか?重盛の視点で絡んだ人間たちの糸を一つ一つ紐解いていくと、それまでみえていた事実が次々と変容していく―。心揺さぶる法廷サスペンス。

■殺人犯と弁護士
役所広司って前も殺人犯の役をやっていたな、そう、1997年松竹制作、今村昌平監督の「うなぎ」だ。カンヌ映画祭でなにか賞をもらったと思う。夜釣りが趣味の役所が、予定を変えて家に戻ってくる。朝まで夫が戻ってこないと安心していた妻は浮気の真っ最中。その現場を役所が覗き見する。その時の彼の眼は何とも言えない。絶望、怒り、好色、すべての感情が眼に籠っていた。結局、彼は奥さんを殺害し、服役する。その後、仮出所した彼はペットのウナギにしか心を開かない孤独な生活を送る。だが彼は殺した妻にそっくりな女性と出会い、運命が激変していく。あの浮気現場を覗く眼の演技だけは忘れられない。

「三度目の殺人」でも彼の演技は際立っていた。何度も心の中でうまいなあ、と呟いてしまった。ちゃらんぽらんと思えば真面目、真実を語ると見せて嘘をつく、どこまで信じていいのか、弁護士の、また観客の頭の中も混乱していく。
福山雅治を歌手とばっかり思っていたが、ウィキでは作詞家、作曲家、編曲家、俳優、ラジオDJ、写真家、タレント、音楽プロデューサーと紹介されている。多芸な人のようだ。俳優としてどうかと聞かれれば、まあ頑張っているが役所広司との対決ではやはり貫禄負けしてしまうのは仕方ない、といったところか。

広瀬すず
何せ海外暮らしが長くなっているから、芸能情報には全く疎くなっている。広瀬すずちゃんをみたのはこの映画が初めて。心にわだかまりを持つ高校3年生を演じている。若いのに存在感のある子だなあ、という印象。気になってタイに戻ってから、彼女の主演した『チア☆ダン ~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』という青春ムービーをユーチューブで観た。蒼井優の「フラガール」や上野樹里の「スウィンガールズ」と同じく、地方の女高生が頑張って夢をかなえるというお定まりのストーリー。安心して観られる。優ちゃんの福島弁、樹里ちゃんの山形弁もいいが、すずちゃんの福井弁もなかなか可愛い。「絶対、アメリカに行ってやるでのー」、チェンライの爺さんまで影響されて「できっこないことやってやるし」などと呟いている。すっかり広瀬すずちゃんのファンになってしまった。

新宿、TOHOシネマズのロビーには壁一面、タレントのサインが飾ってある。娘の連れ合いが、「スーちゃんのはないかな」というので「えっ、ランちゃん、ミキちゃんのスーちゃん?」と聞き返してすっかりバカにされた。お陰で広瀬すずちゃんが「スーちゃん」と呼ばれていることを知った。そういえばキャンディーズのスーちゃんこと田中好子さんが亡くなってもう6年経つ。

一緒に「三度目の殺人」を見た友人は、昼食に飲んだ日本酒のためか、映画開始直後からスース―と寝入ってしまった。30分くらいして目が覚め、スクリーンに見入っていたが、終了後、「全然、わからなかった、どういう筋だったの」などと言う。最初の30分を見逃してはサスペンススストーリーは理解不能。心理サスペンスだから結末や筋をうまく説明できない。ま、役所広司の演技を見るだけでも価値ある一作といえる。