チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

すっかりタイ化

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すっかりタイ化

■ 体はメイド・イン・タイランド
人間を構成している細胞の数は約60兆個だという。これらの細胞は常に分裂を繰り返しながら、古いものは死んで、新しく生まれたものと交替している(細胞代謝)。そのペースは、1分間に実に250万個。白血球のような寿命の短い細胞は4,5日、赤血球でも約4ヶ月ですべて入れ替わり、心臓の細胞なら4ヶ月、肝臓や胃、肺等の内臓器官になると約半年。筋肉の場合は、9ヶ月で新しくなる。
タイにきてから1年半以上たつから、自分の体は概ね「メイド・イン・タイランド」ということになる。人の精神は脳にあるのでなく、内臓にあるという研究がある。心肺同時移植を受けた人の性格はドナーと同じものになる。心肺同時移植を受けたある女性はオートバイで疾駆する青年を夢によく見るようになった。その夢が余りにもリアルであるので夢とは思えなかった。調べてみると心肺のドナーはオートバイで事故死した青年のものであった。この話は「内臓が生みだす心」(西原克成著、NHKブックス)に詳しい。また、その土地の気候風土が人の心のあり方に大きな影響を与えるというから、タイ製の体を持つ自分の精神がタイ化してしまっていても決しておかしくはない。

■ いつもシャワーを浴びるようになった
タイ語の授業を始めたころ、ジアップ先生に「アープ・ナーム・マイ・カ(水浴びをしましたか)」と聞かれ、いいえと答えたところ変な顔をされた。この時は乾季で朝の気温は十数度、温水シャワーでもちと寒い。それに朝シャンなど軟弱な男のすることだ、せいぜい女子高生が親の懐も考えず、ガス代、水道代、石鹸代(シャンプー代か)を浪費しているくらいにしか考えていなかった。それが今ではどうか。朝、起きたらシャワーを浴びないことには気持が悪い。洗顔、歯磨きにも等しい行為である。外出先から戻ってちょっと汗をかいたな、と思うとすぐシャワー、寝る前もシャワー。これはタイ人と変らない生活習慣だ。
アカ族の村は標高1000メートルほどの所にあるから、チェンライに比べると数度は気温が低い。乾季の夜は10度をきる。しかし習慣というものは恐ろしい。この寒さの中でも「アープ・ナーム(水浴び)」をしないことには気がすまない。もちろん低温になる夜ではなく、まだ温かい日中に水を浴びるのであるが、村には温水シャワーなどというしゃれたものはない。パイプで引かれた谷川の冷水である。
あるアカ村のお寺に宿泊した時の水浴びはまさに水垢離修行そのものだった。まず足元に水を掛けて飛び上がる。頭を濡らして石鹸を泡立てる。頭から水をザブリと掛けるときは、それこそ真言祝詞、気合、何でも声を出したくなる。一度浴びてしまえば、あとは体に何度かけてもそれほどのことはない。心臓麻痺にならなかった安堵感が心を満たす。タオルで体を拭くころには体全体がぽかぽかしてくる。寒いから水浴びなどいやという邦人を見て、汚いなーと思う。ジアップ先生も同じ気持だっただろう。

■ 運転マナーが悪くなった
何処に行くのも車だ。1年半で4万キロ以上走っている。チェンライは基本的に渋滞がないので、すいすい走ることが出来る。ついついスピードが上がってしまう。追越をするとき、ウィンカーを出さない車が多い。自分も合図をせずに追い越しをしていることに気づく。
初めて日本人会の懇親会に参加したときは、飲まない人の車に同乗させてもらった。帰り、飲酒運転ではまずいと思っていたからである。今はどうかというと昼食での付き合い程度のビールであればそのまま運転して帰る。邦人の中にはビールをかなり飲んだあとバイクで帰る人がいるが、これは危ないと思う。タイでは新築祝い、結婚式、葬式などの冠婚葬祭では酒が付きものであるし、またそれとは関係なく、昼から焼酎を酌み交わしている人たちがいる。新築祝いに来た警察官が泥酔して歩けないのにバイクを運転して帰ったという話を聞いたことがある。車は4つ足、バイクと人間は2本足だ。時折、こんなところでと思う場所でいとも簡単にバイクがひっくり返っている。運転者も後部座席の人も立てないほど酔っている。だから蛇行してくるバイクには要注意、夜間、余り運転しないのは酒酔い運転の事故に巻き込まれる恐れがあるからだ。

運転マナーが悪くなったことは決してほめられることではない。「ここはタイ、何でもありだから」と自分のだらしなさ、自分勝手をタイのせいにして、結果として他人に迷惑をかけている人がいる。自分もその1人ではないかと心配になる。

画像は現地で購入した愛車(HondaシティのSV-AT)とよく利用するの焼鳥屋さん