チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

健康診断

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健康診断

ロングステイヤーの最大関心事はやはり健康である。チェンライ日本人会会員約70名の平均年齢は60才だ。こちらに来て健康になったという人は多いが、年は年、持病を持っている人も少なくない。病院の医師、看護師は英語を解するが、邦人の誰もが英語ができるわけではない。チェンライ県には領事館に在留届を出している日本人は約300名、一時滞在や旅行者を入れても1000名には満たないだろう。

その点、お隣のチェンマイ県はロングステイのメッカでもあり、在留届を出している邦人だけで3千名を越える。これだけの人数がいると、コスト的に引き合うのか、日本語通訳を常駐させている病院が複数ある。チェンライ日本人会が以前から要望はしているが、まだチェンライには日本語通訳のいる病院はない。それでもシルブリン病院に近々、電話通訳がつくらしい。病院に行って通訳に電話をして患者と医師の間の意思疎通のお手伝いをしてもらうというものだ。

日本人会ではそのシルブリン病院と話し合って、このたび、日本人の集団健康診断を行うことになった。日本では健康保険で年一回、地域や勤務先で集団健康診断を受けられるが、こちらでは個人的に行くしかない。今回は日本人会有志が奔走して実現した試みなので、自分も健康診断を受けることにした。

申込書を病院に送ると、自宅にVIPカードが送られてきた。健康診断が通常の4割引で受けられるばかりでなく、通院の際、処方される薬の代金が1割引、病院差し回しの救急車の料金も半額、といった特典付きのカードだ。指定時間の15分ほど前に病院の健診窓口に行ってみると、我々邦人(8名)ばかりでなく、タイ人、ファラン(欧米人)も何人かいる。

この日のため、特別に日本語通訳のタイ女性がいた。札幌で語学研修をしている栄養士さんで、たまたま帰国していたのでボランティアで手伝ってくれたらしい。彼女を紹介してくれた日本人会長のNさんが甘い生姜茶を飲んでいるので、さすがタイだ、健康診断の前にお茶が飲めるのかと思ったら、会長は様子を見に来ているだけで健診は受けないとのこと、いくらタイでも健康診断の前は飲まず食わずですよと、通訳のお姉さんに笑われた。

受付を済ませると血圧、身長、体重測定、採尿とてきぱきと進む。2年前、ウズベキスタンで健康診断を受けた時、採尿の容器は福神漬けが入っていたようなガラス容器で、その大きさ形状もばらばらだったが、さすがタイは国民所得一人当たり4千ドルを越える国、20ccほどの蓋付きのプラスチック製使い捨て容器だった。写真を撮っておけばよかった。
ウズベクでの健康診断はhttp://blogs.yahoo.co.jp/uzbekistan24/38927075.html で)

採血が終ると、病院で用意された服に着替える。前を合わせただけで待合室に行ったら、看護師さんが上着の紐を結んでくれた。日本人の集団健診はシルブリン病院として初めてのことだから、そんな様子を女子職員が写真にとっていた。広い待合室を囲むようにレントゲン室、超音波診断室、心電検査室等がある。女子職員に名前を呼ばれたら中に入って検査を受ける。はじめ、呼び出しが「マサオ」とか「トモコ」といった呼び方をしていたが、N会長のダメ出しで姓名の姓で呼ぶように統一された。各検査室の前にはタイ語、英語、そして日本語で検査科目が明示されている。超音波診断では医師の説明を通訳してくれる。ほとんど日本で健康診断を受けているのと変わりがない。

待合ロビーにはカウンターがあり、検査が一通り終ると、そこでクラッカーとコーヒーなど飲み物がサービスされる。女子職員がウェイトレスに早代わりして、甘い生姜茶を淹れてくれた。またロビー内に3つほど寝椅子があり、そこでタイマッサージが受けられる。1時間200バーツ。本日は特別20分無料サービスということで、付き添いできていたタイ人奥さんたちがマッサージをしてもらっていた。それ程長く待たされるわけではないが、検査の待ち時間にタイマッサージが受けられるのはいいことではないか。この病院にはいくつかのフロアにマッサージコーナーがある。病人でも寝てばかりいると、腰や背中が痛くなる。結構繁盛していると聞いた。

検査が終わり、病院服を着替えると、各自に医師から結果説明がある。通訳付だ。皆、面接試験に臨む学生のように緊張する。浮かぬ顔をして、「糖尿の薬を持って帰れと言われた」とぼやく人あり、「健康そのものだって」と満面笑顔の人あり。自分は尿酸値が少し高いが問題はない、モツ料理を食べ過ぎないように、というご託宣だけだった。総合結果は2週間後、自宅に郵送されるとのこと。2時間ほどですべて終了、費用は締めて4200B(1万2千円弱)なり。
是非、来年もマッサージも含めて受けたいと思う。集団健康診断実現に尽力された関係各位に感謝したい。