チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

インラック氏、国外逃亡

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インラック氏、国外逃亡

■産経8月25付記事から
インラック・シナワトラ・タイ前首相に逮捕状 国外逃亡か

ニューデリー=岩田智雄】ロイター通信によると、タイの最高裁は25日、職務怠慢の罪に問われていたインラック・シナワトラ首相に対する逮捕状を出した。在任時の「コメ買い上げ制度」で国に多額の損害を与えたとして起訴されたインラック氏が、健康上の理由でこの日の判決公判への出廷を拒否したため。裁判所は欠席の理由を「信用できない」としている。判決は9月27日に延期された。

 一方、インラック氏に近い筋はロイターに、同氏が判決前に国外へ逃亡したと明らかにした。プラウィット副首相も「その可能性がある」と述べた。裁判が始まった2015年以来、インラック氏は国外への渡航を禁止されていたという。

 インラック氏は06年の軍事クーデターで政権を追われた後、汚職を問われて国外で事実上の亡命生活を送るタクシン元首相の妹。自身も14年の軍事クーデター直前に首相の座を追われている。2人が国外で生活することになれば、タクシン派は、大きな痛手を受けそうだ。

 「コメ買い上げ制度」は、政府がコメを農家から、市価より高い金額で事実上、買い取る仕組みで、インラック氏は、これにより、政府に損害を与えたとして起訴されていた。有罪なら、最長で禁錮10年となる。インラック氏は、無罪を主張していた。(引用終り)

■悪くない制度では?
インラック前首相が在任中に推し進めたコメ買い上げ制度で国に多額の損失を与えたとして、軍事政権は昨年9月にインラック氏に約350億バーツ(約1040億円)の賠償金を納めるよう命じており、今年の7月になってタイ財務省が前首相の銀行預金など資産の差し押さえを開始していた。

タイの農村人口比は7割に近いが、農業部門のGDPに占める割合は10%前後となっている。要するに農民は貧しい。コメ買い上げ制度はそういった農工格差、あるいは都市部と北部、東北部の農村地帯との収入格差を是正するものであった。もちろん農民からは歓迎された。タクシン派の地盤は北タイや東北部、そこの票田を固めるという意味があったのかもしれない。でもそれほどコメ買い上げ制度は悪政で国に損失を与えたのだろうか。

日本でも年配者ならご存知と思うが、「食糧管理制度」という、政府が生産者である農家からできるだけ高い価格(生産者米価)でお米を買い入れ、消費者に対してはできるだけ安い価格(消費者米価)で販売するようにした仕組みがあった。きちんとお米を作れば政府が高く買ってくれる――。この食糧管理制度のおかげで農家は安心してお米を作ることができるようになった。当初の目的の通りにお米の生産量は大きく増加して日本は食糧不足から脱することができた。

でもタイの軍事政権が日本の食管制度を見たら、これは国に多額の損害を与える制度だ、歴代首相は有罪となって牢屋に入るべきだ、ということになってしまう。

政府の支出にはいろいろな補助金がある。補助金を支出したら国に損害を与えたと起訴され、私有財産の差し押さえ、禁固刑などと言われたら政治家になる人がいなくなる。要するに軍事政権はタクシン派追い落としのためにコメ買い上げ制度に目を付けたという見方もできる。

■単なる制度
ただ、米買い上げ制度の便益の40%が農民に与えられた一方で,14%が政府機関に,14%が精米業者に,24%が輸出業者に,4%が倉庫所有者の利益になった(USDA/FAS(2009))ため、この制度が汚職の温床になっているという指摘もあった。国際通貨基金IMF)はこの政策を、「財政負担が重い割に政策効果が低い」と批判した。軍事政権のプラユット首相は財政負担を是正するために米買い上げ制度を廃止した。日本でも政府買い入れ米の在庫が積み上がり、その財政負担に耐えかねて1995年に食糧管理制度を撤廃している。

ともあれ、有罪判決が出ればすぐに収監される予定だったインラック前首相は国外に出た。出国禁止令が出ていたのに出国できた、ということは当局が見逃したということだろう。法律はどうであれ、穏便にことを運ぶタイ式解決法であったかもしれない。

インラック氏は、兄であるタクシン氏が事実上の亡命生活を送るドバイに滞在しているそうだ。国民一人一票の民主的な総選挙をやればこれまでと同じく、タクシン派が勝つことはわかっている。民主主義よりも国の安寧を図るため、軍事独裁を守るため、タクシン、インラック兄妹には帰国してほしくない、これがプラユット軍事政権の願いだろう。




日本のスポーツ紙には「美熟女」と書かれていました。確かに・・・・。安倍さんも何となく嬉しそう。