チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

良いところも悪いところも

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良いところも悪いところも

■住みやすい国だが・・・
前号で日本はいい国だ、と書いた。そんなことはない、過去にはアジアを侵略したし、今は格差社会、日本はひどい国だ、ちゃんと監視していないと、またとんでもないことをしでかす、と言う人がいる。安倍首相のやることなすこと気に入らない。支持はしているものの、自分は安倍政権のやることがすべていいとは思っていない。日本に限らず外国もそれぞれいいところがあるし、悪いところもある。日本はいい国だ、は相対的に見ていいと言っているだけだ。

例えば、タイは気候もよく、人々は優しく、物価も安く、いい国だと思う。自分はタイの生活に満足している。だがタイは集会の自由のない軍事政権下にあって、未だに戒厳令が敷かれている。現プラユット首相の批判報道はマスコミから完全に消えている。日本では政権批判報道の自粛ムードがあるなどと一部マスコミが騒いでいるが、タイでの政権批判は命懸けだ。

先月はバンコクで軍事政権に国民の意見を聞く場を設けるよう求めてチラシやTシャツを配った男性3人が警察に身柄を拘束された。また、2013年にタイ国立タマサート大学のキャンパスで演じた劇でタイ王室を批判したとして、大学生の女性(24)と政治活動家の男性(27)が不敬罪に問われた裁判で、タイ刑事裁判所は、被告2人に禁錮2年6カ月の実刑判決を言い渡した。2人は2014年8月に逮捕、こう留され、保釈を認められないまま、判決を迎えた。軍事政権は不敬罪による摘発を強化し、それ以前の民選政権下で問題とされなかったケースも遡って摘発し、短期の裁判で重刑を科している。

■政策も遡って訴追
インラック前首相は日本の食料管理制度に似た〈コメ担保融資制度〉を導入し、事実上、政府が農家から市価の約4割高でコメを買い取っていた。コメ農家には好評だった。日本と同じく農民の所得向上に役立つ政策であったが、国に損失を与えたという罪でインラック氏に刑事訴追と2兆円の損害賠償を求める動きがある。有罪となれば兄のタクシン氏と同じく国外に逃れるしかない。

インラック政権のコメ担保融資制度が国家犯罪ならば、食管制度を推進した日本の歴代首相は刑事訴追され、損害賠償に応じる必要が出てくる。菅元首相も原発停止に伴う損害を個人的に賠償しなければならない。

タイ軍事政権は1月、軍政に批判的な前政権幹部を相次いで軍基地に召喚した。「態度を矯正するため」(プラユット首相)で、批判を止めない場合は国外渡航を禁じ、銀行口座を凍結する方針だ。前政権幹部は陸軍基地に呼び出されて数時間拘束され、軍幹部から、政治的な意見を表明しないなど「軍政への協力を要請された」という。

菅元首相はかつて「議会制民主主義は期限を切った、あるレベルの独裁を認めることだと思っております」と言ったことがあるが、それでも麻生さんや谷垣さん始め、野党幹部を逮捕したり、国外追放するようなことはしていない。

■在外邦人等の輸送
昨年12月、日本人会の餅つき大会があった。チェンマイ総領事館から領事さんが参加されていた。邦人保護は総領事館の大切な業務でございまして、何か皆さま困ったことはございませんか、とまるで営業マンのような愛想のよさだ。

以前、米国のチェンマイ総領事の講演を聞いたことがある。もしタイが無政府状態になり、在タイ米人に生命の危機が迫った場合、どうしてくれるかね、というフロアの質問に対し、米総領事は「ご安心ください。アメリカ合衆国は貴方達を助けます」と胸を張った。具体的にはチェンライ空港に米軍機が飛来し、米人及びその家族(タイ嫁)、ならびに同盟国の外人を収容すると言う。さらに総領事は、私はレバノンで5千人のアメリカ人脱出させた計画の立案者でした、と付け加えた。

と言うわけで、例えば中国が崩壊して雲南から難民が大挙押し寄せ、北タイが暴徒に蹂躙されるような事態になった時、総領事館は助けてくれますか、と尋ねたが、えーっ、と言ったきり言葉が続かない。実は昨年、タイで行われた多国間共同訓練(コブラ・ゴールド)における在外邦人等の輸送訓練に、初めて空自のC-130H輸送機が登場した。だからC-130Hのチェンライ空港飛来も夢ではない。ただ、空港に辿り着く途中で暴徒に襲われたら守ってもらえるかなど問題は残る。

3.11の大震災の折、タイ政府はタイ人の国外脱出ためにタイ国際航空機を即座に派遣した。タイの政治はいろいろ問題があるが、海外の自国民保護政策では、タイのほうが進んでいるように思う。
もしもの場合、チェンライの邦人は自己責任で、などと言わず、せめてタイ並みの支援をお願いしたいものだ。





写真1、2枚目はコブラゴールドに参加した自衛隊のC130H輸送機。自衛隊員に誘導されているのは訓練に参加した大使館関係者