チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

タイの政局

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タイの政局

■激震続くタイ政治
チェンライでは5日にタイ観測史上最大規模の地震があった。1週間たっても余震が続いている。女中さんは酒瓶を戸棚から出して床置きにした。また床に茣蓙を敷いて、いざとなったら母をここに寝かせて外に運び出す算段もしていた。3日目にはさらに大きな地震が来る、ダムが決壊するかも、などの流言飛語はあったが、日本の地震と同じく、落ち着く方向にある。

チェンライにいるとさっぱり実感がわかないが、首都バンコクでは政治社会に激震が走っている。チェンライの地震と違って鎮静化に向かう気配はない。タイは日本と同じく3権分立を掲げる立憲君主国である。しかし、その内情は日本とはかなり様相を異にする。

5月7日、憲法裁判所は、インラック首相はじめ9名の閣僚の失職を命じる判決を下した。理由は官僚の人事を巡るものだが、政治家に官僚の任免権が無くてどうして国政の運営ができるのか。NHK会長、経営委員を政府閣議で承認したところ、野党が「このコネ人事は不当だ、内閣は総辞職せよ」と裁判所に訴えて、結果、首相と関係閣僚が罷免されるというに等しい。

タイは「差別の国」で、都市部インテリ、富裕層と北部、東北部の貧困層とは相容れない対立関係にある。今の憲法は、2006年のクーデタでタクシン元首相を追放した軍が中心になって制定した。反タクシン派が憲法裁判所を始め、司法を抑えている。憲法により上院議員の半数は選挙で、半数は国王の任命で決められる。従って上院議員の多数は反タクシン派で占められる。

■無効となった総選挙
一方、首相は下院の多数派から選出される。インラック首相のタクシン派は2月の総選挙で圧倒的多数を占めた。ただ、5%の選挙区で選挙ボイコットがあり、それを理由に憲法裁判所は選挙そのものの無効を宣言した。従って、昨年12月の下院解散以来、国会は開かれていない。7月に再度下院選挙が行われることになっているが、総選挙をやればタクシン派が勝つ。だから都市部インテリ、特権階級は総選挙を望まない。また選挙ボイコットに出て、首相指名を行わせない。こういった政治的混乱は反タクシン派にとって悪いことではない。
政治混乱の責任を政府与党に負わせ、インラック首相を追放する。追放できなくても、混乱を見かねて軍部がタイのお家芸、クーデタをおこすという期待もある。そして反タクシン派が多数を占める上院で中立的な首相を選出し、国王(つまり特権階級)が任命する人民議会を作ろうという。要するに反タクシン派は下院の廃止をもくろんでいるわけだ。

■2分された国
インラック首相は2年9カ月の任期を務めた。この政権下で、コメを市場価格より高く買い取る制度(日本の食管会計に似ている)や小型車購入者への10万B補助などの政策が実施された。貧しい人々は喜んだが、富裕層は自分たちの払った税金が貧乏人のために「無駄に」使われた、と怒っている。バラマキ政策で農民や貧乏人の票を買収し、結果、国家財政を赤字にした、これは犯罪あるとインラック氏は告訴されている。財政赤字で首相が訴追されるなら日本の首相は全員監獄行きだ。

国家に損害を与えた罪で有罪となれば、インラック氏は兄と同じく国外に逃れるしか道はない。しかし、こうなればタクシン派も黙ってはいない。反政府デモ以上の動員をかけて2008年のように空港閉鎖を伴う社会的混乱を引き起こす。ウクライナやシリアのように国は2つに割れて抗争を繰り返す。

■お気楽な朝日新聞(5月9日の社説から)
このままでは国家のマヒ状態を解決するすべはない。
インラック氏の失職後も、副首相兼商業相が首相代行になったため内閣は存続する。だが、7月に予定される次の選挙ができるのかは不透明だ。
近年の混乱でタイは国際空港の閉鎖や、東南アジア諸国連合ASEAN)首脳会議の主催延期などを経験した。

知識人や中間層の多くは「タイにはタイの事情があり、外国人には分からない」と語りがちだ。だが、これだけ国際信用を損ねても危機感を強めない姿勢は理解に苦しむ。
グローバル時代に生きている自覚が欠けているのではないかと危惧せざるを得ない。
タイは地域大国である。その潜在的な成長力と指導力を生かせず、内紛に明け暮れるのを見続けるのは、アジアの友好国としてもどかしい思いだ。
国民の融和へ向けてタイ国民が理性的な政治決着の歩みに踏み出すことを強く望む。(引用終り)

何言ってんだか。お説教のように簡単にいかないから問題なのだ。「チェンライや東日本で地震が再発しないことを強く望む」と同じくらい意味が無い文章だ。





写真は失職したインラック氏、政府支持デモ、反政府デモと道路に作られた反政府派のステージ。