チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

愛国心

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愛国心

■八つ当たり
今月20日にトランプ氏が米国の第45代大統領に就任する。就任前のトランプ氏が大型減税、財政支出ツィッター上で呟いただけで、ニューヨーク株式のダウ平均は2万ドル、東京株式市場、日経平均株価は2万円に迫ろうという賑わいとなっている。景気刺激策を何も実施していないのにこれだけ市場は反応する。景気の「気」は気分の「気」と言われるが、気まぐれの「気」ではないか。

トランプ氏が当選したら円が急騰し、1ドル84円になると予言したエコノミストがいた。年末から年初にかけての為替は1ドル117-118円だ。数か月前、1ドル115円を超える円安になったら日本経済は不可逆的なダメージを受け、日経平均は数千円の下落と言った人もいる。この人たちは根拠もなく気分で予想していたに違いない。景気の「気」を変える力がトランプ氏より少なかっただけと言うべきか。人間、おのれに都合のいい話を信じる傾向があり、自分の円高期待は見事に裏切られてしまった。カビの生えた餅やフグを食べるときはおでこに「エコノミスト」と書いたお札を張っておくとあたらないのではないか。

投資はあくまでも自己責任、大体、ご託宣が当たっていたら、エコノミストは皆大金持ちになって、出演料や原稿料をあてになんかしませんよ、と開き直るエコノミストもいた。彼らだって家族があって稼がなければならない、鬼面人を驚かすような言説を垂れ流すのもすべて身過ぎ、世過ぎのため、そう思えば許せるような気がする。だがそのご託宣に一喜一憂する自分が情けない。

■恵まれた国
暮から正月にかけて机の上は雑然としたままだ。11月のミャンマーの旅で訪れたお寺や博物館の入場券、パンフレット、バスの切符などが散らかっている。旅行記を6本書いているが、旅程の半分もいっていない。「ケン坊」とあだ名がついてもいいほど忘れっぽくなっている。だから忘れないうちに書いておきたいことがある。それはヤンゴン市内からバスターミナルまでタクシーで行った時のことである。運転手は30代半ば、若い人ではあるがカタコトの英語で70年以上前に日本の軍隊がミャンマーに来たことを知っているか、と聞く。もちろんと答えると本当に嬉しそうな顔をした。その笑顔の中にアジアの日本に対する感情が表れていると言っては言いすぎではあるが、現実はその通りである。

アジアに日本は迷惑をかけた、憲法のお陰で日本は戦後70年平和だった、という人はどこでもいいから1月くらい外国で暮らしてもらいたい。タイは民主主義国ではないし、ミャンマーはまだ国内紛争があって陸路でどこにでも行けるわけではない。平和を守るためにどれだけムリをしているか、日本は特別に恵まれた国だということに気づくだろう。更に日本が戦前、戦後を通じて世界に果たした役割を誇りに思うはずだ。

■時代が変わった  
リベラル系の映画監督が「ただ日本に生まれたというだけで愛国心を持つ、という考えはおかしい」と書いていた。家族を大切に思い、親に感謝し、自分を育んだ郷土、母校に愛着を持つ、その延長線上に愛国心はある。たまたまこの男女の息子に生まれただけで、親など他人と同じだというのか。我が子を可愛いとは思わないのか。それよりも米国やタイや世界のどこの国でもいいが、外国人に愛国心を持つのはおかしい、と言えるのか。
マハトマ・ガンディーは「愛国心は人類愛と同一である。私は人間であり、人間的なるがゆえに愛国者である」と言っている。この国に生まれ、育ち、お父さん、お母さんが好き、だからこの国が好き、これがまっとうな人の言うことではないか。

米国は建国以来、戦争ばかりしていた国だ。勝った場合、相手を根絶やしにするか、少し調整して生かすかという2つの策を取る。日本に対しては「根絶やしにする」の政策を取ったとサミュエル・ハンチントンは書いているそうだ。それが憲法であり、WGIP(ウォー・ギルド・インフォーメーション・プログラム)だ。

憲法では皇室が自然に消滅するように11宮家を皇籍離脱させ、一切の戦力は保持せず、国家国民の安全と生存を平和を愛する諸国民に委ねることとした。占領下では、郷土の祭り、剣柔道、忠臣蔵などの仇討芝居までが禁止された。WGIPに従い、日教組、マスコミは愛国心を徹底的に排除した。

愛国心軍国主義、右翼の代名詞となっていたが、時代は変わって、米国大統領でさえ日本は自分で国を守れ、核装備もよいではないか、と言い出した。世界は経済力だけではなく、軍事的にも普通の国となる日本を大歓迎するだろう。為替の先行きより、祖国の繁栄を想像する方が精神衛生上よろしい。


写真はメ=コック河畔の花祭りから