チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

片雲の風にさそはれて 8

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片雲の風にさそはれて 8

■かなり時間が経ちました。
突然、思い立ってメコン河を渡り、ラオスから中国の雲南省へ入ったのは3月のことだった。もう4カ月も前のことになる。特にメモを取っていないので、旅行中どんなことがあったのか殆ど忘れてしまっている。やはり旅行記は感動さめやらぬうちに一気に書くのがいい。カンボジアラオス旅行では、心に残ることが多く、書くのも決して苦ではなかった。
ところが初めての中国旅行は言葉が通ぜず、ストレスの多い旅であった。だから、あれもこれも書かなければ、と思うような旅ではなかった。気分が載らないまま、よしなしごとを書き連ねては読んで下さる方に失礼だろう、と筆を取るのが億劫である。
雲南旅行が夢なんて、あとからほのぼの思うもの、雲南旅行の真ん中は胸にトゲ刺すことばかり・・・・・ 

ともあれ、西双版納の景洪に3泊し、そこからラオス経由で戻るつもりが、ひょんなことから雲南省省都昆明行きの航空券を買った。そこまでは書いた。
西双版納空港近くの食堂で早めの昼食を取った。田舎の空港であるから昼時であっても人通りは少なく、食堂も閑散としていた。代金を支払ったあとも、チェックインにはまだ時間があったので椅子に座って外を眺めていた。やおら席を立ち、店を後にすると店のお姉さんが追っかけてきて何やら大声で言う。わけがわからないのでぼんやり顔を見ていたら、代金を受け取った店員がやってきて、大声のお姉さんに説明している。どうやら無銭飲食と間違われたらしい。まあわかればいいよ。何かと無感動になっている自分に気づく。

■大都会昆明にビックリ
昆明空港に到着してみて驚いた。西双版納空港の毛の生えたような田舎空港だと思ったがさにあらず、あとで聞くと中国5大空港の一つ、中国南西部最大の国際空港で関空との直行便も飛んでいるらしい。
空港正面のバス乗り場から市内行きのバスに乗る。運賃は1元(12円)。空港と市内は15キロほど離れている。まずは銀行を見つけ、ドルを中国元に換えなければならない。空港から市内に向かう道路は広く、両側には高層ビルが林立している。建設中のビルも多い。また道路も2013年の地下鉄開通を目指してあちこちで掘り返されている。中国は不動産バブルと聞いていたが、こんな中国西南部まで建設ブームとは思わなかった。

西双版納の県都、景洪市の人口は36万人、それに引き比べ雲南省省都昆明市の人口は600万人、横浜市の人口が370万人というからその大きさが分かる。高層ビルといえばせいぜい5階建てのホテルくらい、というタイの田舎、チェンライから来ると、目が眩むような大都会だ。
昆明の街は生理的にも眩しい。というのは、昆明市は海抜1890mにある。日本でいえば万座温泉志賀高原辺りの太陽が照りつける。光と影のコントラストがはっきりしているのも当然だ。東京辺りから直接昆明に来ると、人によってはひどい高山病に悩まされる。「雲南をめぐる1週間の旅」のツアー客が頭痛に襲われ、3,4日ホテルで横になっていたという話を聞いた。チェンライの標高は平均580m。だから高山病にこそかからなかったものの、昆明が高地にあることを忘れて、のちに大変な目に遭うことになる。

昆明からは中国各地へ鉄道が走っている。日本から海路、中国本土に渡り、昆明まで鉄道、あとはバスを利用すれば航空機を利用しないで東南アジア各国に行くことができる。そのようなモノ好きな方は多分おられないと思うが。

■頼みの友人と連絡取れず
バスはショッピングモールや銀行、レストランが見える繁華街へさしかかった。ここら辺が中心街だろうと見当をつけてバスを降りた。昆明の予備知識が殆どない。こうなると自分の勘だけが頼りだ。まず、バスから見えていた大きな銀行に入ってドルを換金する。銀行の案内嬢が感じのよいお嬢さんだったので、不躾ではあるが、昆明に住む友人Fさんの電話番号メモを見せ、ここに連絡できませんか、と聞いてみた。Fさんはここ10年、年の半分を昆明で過ごし、プーアル茶の調査、研究をしている。彼女は上司に頼んで彼の携帯を貸してくれたが繋がらない。上司の男性はこの番号は国際電話で、一般の電話では海外との通話は不可能という。
Fさんが昆明に滞在中であることは日本にいる奥さんからのメールで知っていたが、連絡がつかなければ仕方がない。

旅行代理店を見つけて帰りの航空券を買い、適当なバスツアーに申し込む、あと時間があれば当てもなくバスに乗ったり、雑踏の中を歩いてみる。初めての中国旅行としてはこれで充分ではないか。


写真は昆明市街。