■平和だった縄文時代
縄文時代は、ざっと1万2千年前～2千数百年前まで、1万年ほど続いている。前回のブログで、縄文時代の2500点を越える人骨を調査した結果、暴力による死亡率が他国に比べ、異常に低いという山口大学、岡山大学の調査をご紹介した。女性の墓には腕輪、耳飾り、櫛飾り等の副葬品が発見されている。縄文と言って縄を編んでいたくらいだから、植物繊維から布がすでに編まれていて、服も来ていた。衣服は残っていないが、女性が美しく着飾ることができた時代だったようだ。ということは女性が美しく装っても外敵にさらわれる、暴漢に襲われる恐れが少なかった、つまり縄文時代は女性が強姦、暴行を心配しなくて済む平和な時代だったと推定される。
アルプスの氷河から見つかったアイスマンと呼ばれる男性ミイラは「はじめ人間ギャートルズ(園山俊二、懐かしい)」の登場人物が身にまとっているような毛皮を着ていた。アイスマンは今から約5300年前、縄文中期に生きていた人だが、欧州ではこの時代、布はなかったのだろう。因みに、アイスマンは肩に矢を受け、鎖骨下動脈を傷つけられたための失血、あるいは顔面を凶器で殴られたために死んだことがわかっている。
ほんの20-30 年前まで稲作は、弥生時代、つまり前3世紀から紀元3世紀の間に半島からもたらされた技術により始まったというのが定説であった。しかし、熊本県本渡市の大矢遺跡から出土した縄文時代中期（約5千～4千年前）の土器に稲もみの圧痕（あっこん）が確認され、縄文中期にすでに稲作が行われていたことが明らかになっている。
■異民族の侵攻なし
全国の遺跡を基にした古代人口推計によると、縄文早期、今から8000年前の日本列島総人口は約2万人。縄文早期から中期（4300年前)にかけて、列島は温暖化の影響でナラ、クリを中心とする暖温帯落葉樹林が広がり、人口は26万人に増加した。しかしその後の地球寒冷化で縄文晩期(2400年前)には8万人に激減。2000年前の弥生時代に30万人に増加、古墳時代の紀元500年頃には200万、平安時代の1000年前には700万、江戸時代に3000万人、そして明治時代末に5000万人、そして現代の1億2692万人に人口が増加。これ、すべて日本人。
弥生時代には多数の渡来人がやってきて縄文人とは違う弥生人が列島に住んでいた、という説があったが、これは騎馬民族説に代表される左翼史観に基づくガセネタらしい。縄文人、弥生人との違いを際立たせるために頭蓋骨の写真まで偽造された。縄文人、弥生人の色分けは、鎌倉時代、江戸時代、明治時代の人を鎌倉人、江戸人、明治人と別人種に分けるに等しいと、昨今のDNA分析は教えている。
数万年前、陸続きだった大陸からモンゴロイドの人が日本に渡ってきて、その後、東南アジアからの人種が少し混じって、日本人の原型ができた。最近のDNA分析によると日本人に半島人の痕跡はないそうだ。基本的に日本人は1万年前からずっと列島に住み続けてきた。
■あなたのご先祖の数は
人には2人の親がいる。親にもそれぞれ両親がいるから、人には祖父母が4人、曽祖父母が8人、4代前の高祖父母は16人。高祖父母にもそれぞれ両親がいて…と計算し始めると、300年前、500年前にはどれだけのご先祖がいることか。
ねえやは15で嫁に行き、という歌があったが、とりあえず25歳で子供ができるという計算をすると、
100年前：2の4乗 =16人
300年前：2の12乗 =4,096人
500年前：2の20乗 =1,048,576人 （約100万人）
700年前：2の28乗 =268,435,456人 (約2億6千万人)
計算が合わないのは、実際は親類同士の結婚があって、同一人物が頻繁に登場しているから、とのこと。縄文時代初めの2万人、古墳時代の200万人が1億2千万に増えたのだから日本人はすべて親戚みたいなものだ。
■天皇家を頂点として
今年、天皇皇后両陛下は、神武天皇の没後2600年の式年祭に臨み、同天皇陵に参拝された。2600年前のご先祖の法事をされたわけだが、世界のどこに2000年以上前の記念行事を行う国があるか。
今上陛下は第125代、今年は皇紀2676年となる。歴史的に証明されるだけでも1500年の男系家系を継承してきた。天皇となられなかった親王は各地の豪族となって散らばった。こうしてみると、日本人であれば、源平藤橘の流れでなくても、2676年のどこかで天皇家との結びつきがあるに違いない。
たまたま血統がはっきりしている陛下が日本の元首、国家の象徴とされているが、縄文時代からみんな同じ日本人、だから大震災のように一朝ことあらば、同じ日本人じゃないか、とまとまる。
タイは残念ながら、王様がいらしても赤シャツと黄シャツが融合することはまずない。
