チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

介護ロングステイ3年8カ月

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介護ロングステイ3年8カ月

■女中さん
富豪女中、サオさんの豪邸が完成したら彼女は我が家には来なくなった。1年以上勤めてくれたのに残念だ。

後任の女中だが、まず1月ほどジンさんという40歳位のシャン族の女性が来てくれた。母の面倒をよく見てくれたのはいいが、母の頭を五分刈りに刈り上げてしまったのにはびっくりした。今更、文句は言えないし、そのうち生えてくるからと諦めるしかなかった。

農作業が始まるので、と言ってジンさんがやめたあと、ブアの村からランさんという50歳ほどの人が来てくれた。心の優しい人であったが、やはり介護は体力勝負、疲れるからと言ってこれまた1月ちょっとで村へ戻ってしまった。

母はベッドで寝ていることが多いのだが、トイレ、シャワー、そして食事の時、長椅子に座らせるため、二人掛かりで立たせる必要がある。自分も時折手伝うのだが結構、腰にくる。

いくらでも女中さんはいるという状況はタイではすでに過去のものになりつつある。通い、あるいは週3日のパートタイムといった形ならばまだ来てくれる人は多いと思うが、我が家のように老人介護中心の女中奉公となると誰もが二の足を踏んでしまう。
介護は3Kの仕事だ。サバーイ、サバーイが身上のタイ人にはやはり嫌われるのか。

■来るといって来なかったり
ケーオさんという女中仲間の紹介で、ラオスの山の中から15歳の少女がうちに来るという話があった。交通費や電話代で1500Bほど支払った。外国人だからIDカードがなければ不法労働になる。それに、「おしん」ではないがまだ子供だ、家に帰りたいと夜、泣かれたりしたらどうしよう、などと心配したが、全くの杞憂に終わった。
今、メコンを渡ってチェンコンにいる、バスで夕方には家に着く、などとブアさんから逐一報告があったのだが、結局、彼女は姿を現さなかった。キツネにつままれた気分だ。

またケーオさんの紹介で体のがっちりした50歳ほどのラオス女性が家に来た。丁度その時、自分は外出していたのだが、兄の話だと亭主、娘一家、総勢7,8人できたそうだ。仕事内容などブアから説明を受け、それでは明日から、という話になったのだが、次の日、腰が痛くなりそうだから行けないという電話があってそれっきり。兄は子供に「貴重な」チョコレートをやったのになあ、とぼやいていた。

この頃、よくブアさんが女中を探しに行こうと言って自分に車を出させた。市場に行って売り場のおばさんに話しかけ、これこれの条件で女中奉公する人を知らないか、と聞くのである。チェンライの宝くじ売りのおじさん、お参りに行ったお寺で建設作業をしているおばさん、誰にでも女中はいないかと聞いて回る。話を聞いた人は皆、初対面にも拘らず、紙切れや手持ちのノートの隅にブアさんの電話番号を書きとめ、いい人がいたら連絡するから、というのであった。これがタイの一般的な求人方法なのだろうか。

■来てもすぐ辞めたり
自分もジアップ先生、アカ族のアダムなどに女中探しを頼んだが、はかばかしくない。IDカードのないアカ族は移動も労働もできない建前になっている。カードを持たないアカを雇う場合、道路の検問1回に付き500B、警察に労働お目こぼし料として月1500B必要というが、余り法に反することもしたくない。
アダムの紹介でパタヤから23歳の女性が来てくれた。でも一晩うちにいただけでドイチャンのアカ村へ帰ってしまった。アカの男友達から電話がひっきりなしだったし、パタヤからチェンライまでの交通費目当てだったのよ、というブアさんの話だった。

8月は女中さんの出入りが激しく、慌ただしかった。とにかく、先任女中ブアのお眼鏡にかなった人でなくてはダメだから、女中選びはかなり難しくなる。
ミャンマー人ならタイ人の半分近くの給料で雇える。チェンライはミャンマーと国境を接している。働き手はいるだろう。でも、ブアさんは、ミャンマー人は危険だ、と強い差別意識を持っている。昔、ランナー王国がミャンマーに攻められたときのDNAが残っているのか。

■やっと長期の女中さんが
9月からニイさんという32歳の通いの女中さんが来ている。母は気に入らない女中さんだと、食事の時、口を開けずに女中さんを困らせることがあった。どの女中さんでも初めて覚える日本語?は「アーン」だ。そう言って母の口を開けさせて食べさせる。母はニイさんとは始めからうまくいっていた。私のお祖母さんに似ているという彼女の親近感が伝わるのか。

女中さんのごたごたはあったが母の日常はなにも変わることはない。
1日1時間のリハビリも続いている。ニイさんが自発的にリハビリの手伝いをしている。サオさん以上に長く勤めてくれたらいいのだが・・・


写真は「パノム・ワン」一番下が「ニイさんと娘さん」