チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライ観光案内 その5

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チェンライ観光案内(その5)

■ メーサイのタオさん
4回にわたって、チェンセーン、ゴールデントライアングル、そしてメーサイという観光コースを説明してきたが、それほど詳しいわけではない。まだ自分の知らない見どころは多いのだろう。
優秀なガイドの資質は知識や語学力、交渉力などいろいろあると思うが、ガイドブックには載っていない、取って置きの店や場所を知っていることも大切なことだ。お客の好みに従って、そのような場所に案内し、その人だけの旅のエピソードを作ってあげられるとしたら素晴らしい。

メーサイの中華市場の一角にタオさんの家がある。アーケードに間口一間ほどの入り口があるのだが、うっかりすると通り過ぎてしまう。タオさんのことは以前書いたことがある。(http://blogs.yahoo.co.jp/uzbekistan24/51724179.html 結婚披露宴に出席)
タオさんはこのアーケードにいくつも貸店舗を持つお金持ちだ。日本で100店以上の焼き肉店を展開していたが、結局、事業をたたみ、今はチェンライで高等遊民の生活をしている。20歳以下の女の子にしか興味はないというユニークな人だが、この春、19歳のタイ女性と結婚式を挙げた。披露宴ではデレデレであったが、披露宴のあと12日にして奥さんに逃げられてしまった。理由はよくわからない。何もしていないと退屈だから、と言ってバンコクへ行ってしまったらしい。

その後、彼の家の前を通りかかったので、中に入ってみると結婚を機に作った野天ジャグジー風呂を一生懸命掃除していた。タオさん、元気?と声をかけると、元気、元気、あと5回くらいは結婚できるよーという返事が返ってきた。

メーサイの商店街を歩き、彼の家の前に来ると、ちょっと覗いてみる。同行者にタオさんのユニークな家を見てもらう。総ガラス張り5階建て、階ごとに渦巻状によじれている。風水の関係でこうなったらしい。一階には外国製の大型オートバイが何台か収納されている。二階は高級洋酒やワインが並べられたバーになっている。
家も一見の価値があるが、それほど広くはない庭にオウムやクジャク、そして10匹以上の犬が入ったケージがあって、ちょっとした動物園となっている。以前は虎も飼っていたというが本当だろうか。ケージの周りには植物の鉢が所狭しと並べられている。しかしいつ行っても水が打たれ、きれいに掃除されている。タオさんはいつ行ってもせっせと掃除をしている。家に上がって飲み物をごちそうになることもあるが、通常は10分くらいで失礼する。いつも楽しそうに暮らしているタオさんと会うと何となく元気になる。

■半日コース1
チェンライは平均標高500mというから高原である。トレッキングに最適のコースがいくつもあるというが、自分の先祖が海幸彦であったのか山歩きは好きではない。登山靴もない。何年か前、アカ村メーチャンタイの住職、パヤップ師に連れられてチェンマイ県とチェンライ県にまたがる山の中を3時間も歩いたことがある。疲労困憊、なんでこの様な難行苦行をしなければならないのか、タイにも修験道があるのか、インパール作戦に参加した兵隊さんの苦労が少し理解できたように思ったものだ。
ところが、10月にウィーンから来たマンフレッドはトレッキングが趣味という。そこでクンコン滝に行くことにした。山に囲まれたチェンライはチェンライ26滝と言われるほど滝が多い。その中でも最大の70mの高低差を誇るのがクンコン滝だ。チェンライ市内から車で約1時間、国立公園の中にある。

国立公園の駐車場から滝まで1キロ半ほど清流に沿って山道を登る。丁度この日は10月にしては珍しく、時折小雨がぱらつく天候だった。濡れた山道は滑りやすい。マンフレッドの後ろを歩いたのだが、トレッキングに慣れているのだろう、道のくぼみを避け、ジグザグに足元のしっかりしているところを歩いていく。時には岩の上や道を横切る小川を渡る。鬱蒼と南国の木や太い竹が生い茂り、単調な蝉の鳴き声も聞こえる。

平坦な道ならば1キロ半は20分ちょっとで歩けるが滝に着いたのは登り始めて小一時間も経った頃だ。前日に雨が降ったのだろうか、流れ落ちる水の量が半端ではない。以前来た時は水泳パンツに着替えて滝の水に打たれたものだが、今回は滝つぼに入ったらそのまま下流に流されてしまう。轟音と共に流れ落ちる瀑布を満喫して、来た道を下る。途中で団体さんとすれ違った。マンフレッドに聞くとヘブライ語を話しているからイスラエルから来た観光客だろうという。前もイスラエルの団体さんが来ていた。イスラエルに滝はないだろうから彼らにとっては人気のスポットなのだろう。
(まだ続く)


写真は上から「タオさんの家」「タオさんと19歳の花嫁」、「トレッキング」「クンコン滝」