チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス旅行 13

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ラオス旅行(13)

■仲間が増える
ムアンシン行きのチャーターバスが出るのは13時である。昼食を終えて旅行代理店に行ってみると、マンフレッド夫婦はもう来ていた。今朝はどこか面白いところにいらしたの?、いえ、遅く起きてこの辺りを散歩していました、観光案内所でこの様な資料が無料でもらえるようです、などと話しながら、バスを待つ。こういった場合、時刻通りにバスが出ることは期待してはいけない。旅行代理店の店主、ポンさんの話ではバスはムアンシンからこちらに向かっているので、もうすぐ着きます、とのことだが、「もうすぐ」の時間観念は国によって違う。

代理店の前をアジア系の女性二人が通りかかった。30代初めといった年恰好か。彼女たちには午前中、街で何度かすれ違った。狭い街だし、歩く通りも限られている。韓国人か中国人か、雰囲気からして日本人ではない。
セイダはその二人に話しかけている。よかったらムアンシンの満月祭りに一緒に行かないか、と誘っているようだ。バスの座席には余裕があるし、チャーターだから、参加人数が増えれば増えるほど、単価が安くなる。
二人はセイダの説得に応じてツアー参加を決めた。マンフレッドに、「奥さんのセールストークはすごい、ビジネスでもされていたのですか」と聞いたが、微笑しながら頭を横に振っていた。
ポンさんから参加者が増えたから、と夫婦と自分に数百バーツの割戻しがあった。大変うれしい。

彼女たちと夫婦の会話を聞くと、北京で働くOLのようだ。4日の休暇を利用してルアンプラバンに行くとのこと。一人がムアンシンの満月祭りのことはガイドブックに出ていた、と言って中国語版の「ロンリープラネットラオス版」を取りだした。海賊版だろうか。

■ムアンシン、タート・シェントゥンに到着
定刻を40分ほど遅れて、バスは出発した。ガイド役で旅行代理店社長、ポンさんが同乗、7人のツアーとなった。バスは曲がりくねった山道を1時間ほど走って、車や人で一杯の道で止まった。ここがムアンシン郊外、タート・シェントゥンというありがたい舎利塔があるところだ。ポンさんに案内されて、坂道をラオスの善男善女と共に上る。山道は今朝の雨で滑りやすくなっており、足元に注意が必要だが、下ばかり見てもいられない。かなりの人出で、しっかり前を見ていないと人ごみの中に取り残されてしまう。タイでは、女性は概ね、短パンにTシャツと色気がないが、タイルー、モン、ラフ族などラオスの女性は踝までのロングスカート着用だ。色は紺や黒系統、シックで女性らしい。アカ族はほとんどいない。沿道には織物やバッグ、野菜、果物を地べたに並べて売る店や、それにチキンフライ、焼き豚、カオラム(竹筒入りおこわ)などの屋台で一杯だ。

坂道を上がりきったところに何かあるのか、と思ったが何もない。いや、大音量の巨大スピーカーのカラオケ設備が2つあって酔っ払いが調子っぱずれの歌をガナっている。丘の上一帯にはブルーシートが敷かれ、老若男女、親族、職場、村の仲間、何百ものグループが車座で酒を飲んでいる。4月の初めの上野の山の喧騒と言ったらいいだろうか。その上野の山から桜を取り去ったら、このタート・シェントゥンになる。
ポンさんはそれではここで用を足して下さい、と言ってブッシュを指さす。ここにはトイレが全くないのだ。マンフレッドと自分はちょっと茂みで、女性陣も交代で見張りとなって用を済ませた。

■カオ・ラム
直径4,5センチの竹筒にもち米とココナツミルク、時には小豆や芋を入れて蒸し焼きにしたお菓子がカオ・ラムだ。ココナツミルクの甘さともち米の触感がたまらない。長さ40センチほどのカオ・ラムが何十本も屋台に並んでいる。セイダがそれを見て、あれは何?と聞く。好奇心旺盛な女性だ。
丘を降りて、仏塔の近くに来てみると彼女がうれしそうに竹を割いて、カオ・ラムを食べているところだった。もち米であるが竹の薄皮がオブラートの役割を果たすので手はべたつかない。この薄皮はカビを防ぐ作用があり、カオ・ラムは昔、軍の携行食に用いられていたという。美味しいのよ、どうぞ、どうぞ、と勧めるので皆でごちそうになった。

お釈迦様の喉の骨が安置されているという仏塔をたくさんの人が裸足になって、花や線香、蝋燭を持って回っている。男性は時計と逆回りで内陣を、女性は時計回りで外陣を回る。女性が内陣を回ることは許されていないという。
セイダはラオス人と一緒に仏塔を回り、マンフレッドは高級一眼レフで参詣人を撮り続けていた。(続く)


一番上の写真はマンフレッド夫妻とボンさん、二番目も夫妻、次がマンフレッド氏。他は祭の様子
下から二番目はカオ・ラム売り、一番下がカオ・ラムと中国女性セイダ。