チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラオス旅行 12

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ラオス旅行(12)

■ルアンナムターの街
朝、雨がGHの屋根を叩く音で目が覚めた。驟雨である。お祭りはどうなるのかと心配したが、すぐに降りやんだ。ムアンシン行きのミニバスが出るのは昼過ぎだから時間は十分ある。ゆっくり起きて、ルアンナムターの街を歩いてみることにした。
ルアンナムター県内の85%は800mから2000mの山岳地帯である。日中の平均気温は25度となっているが、11月から2月の乾季には、海抜2000mを超えるビエン・ポウカ地区では0度を下回ることもあるらしい。県の面積は9325平方キロ、山形県とほぼ同じ広さ、東京、神奈川、埼玉の1都2県を合わせた面積よりも広い。そこに15万人ほどが住み、県都ルアンナムターの人口は約4万5千人という。
雨上がりの街は暖かい陽光に照らされて、空気が澄み渡っている。まるで晩夏の上高地のような心地よさだ。多分高度も同じくらいではないか。

トレッキングに出かける外人はもう出発してしまったのだろう、大通りにはほとんど人影がない。時折、バイクやトラックが通り過ぎる。道路の真ん中を歩いても問題ないと思われるほど静かな街だ。大通りをまっすぐ北へ上がっていくと、左手に塀に囲まれた県立博物館の建物が見えてくる。今日は日曜なので閉館。この国では大きな建物、立派な建物は水道局、市庁、森林局など政府関係のものだ。入り口や建物にラオスとフランス、日本、ときには中国など2つの国の小さな国旗入りのプレートが掲示されている。国旗の下にはこの建物はこの国の援助で作られました、と英語で書いてある。
西部劇に出てくる開拓時代の街ではないが、そこそこ歩くと街外れに出てしまう。街は東西南北、井桁状に道路が配置されているので迷子になる心配はない。後戻りして大通りに平行する裏通りを歩く。

■観光案内所
住宅地の一角に高床式の建物があり、「ルアンナムター県観光案内所」と書いてある。階段の上の戸は開いているので、サンダルを脱いで上がってみる。室内の壁にはトレッキングに興じるファランや山岳民族の写真が貼ってある。観光案内の小冊子、パンフレットもいくつか置いてある。ツアーのメニューと定価表もあるので旅行代理店も兼ねているのだろうか。ツアーには2、3日、山岳民族の家にホームステイするというメニューもあったが、「このイベントに参加する人はあらかじめ、本事務所で面接試験を受けて頂きます」と書いてあった。北ラオスを旅行するファランの中には麻薬が目的という人もいるからトラブルを避けるため、怪しい人は受け付けないのだろう。イスに座り、英文で書かれた小冊子を読んでいたら、「お持ちになってかまいませんよ」という声が聞こえた。誰もいないと思っていたが、片隅に若い男性がひっそりと座っていた。

■何もない北ラオス
ルアンナムターは何もない街と言ってよい。陸路ラオスから中国へ入るバックパッカーやトレッキング愛好者以外にはあまり観光客はこない。
何年か前に欧州のテレビで、「トレッキング、最後の秘境」といった紹介をされたことがあり、それ以来、山歩きが好きなファランには人気のある街となったというが、それにしても静かな街だ。
人はみるべき遺跡、自然、民俗、建造物あるいは美酒や料理を求めて、旅をする。その点、ルアンナムターのウリは「何もないこと」である。バックパッカーの溜まり場で、「ああ、ルアンナムターね。何もないところだよ、でもその何もないところがいいんだよね」と物憂く呟くと、非常に恰好いい(らしい)。確かにアジアの喧騒とはかけ離れた静寂さがこの街の魅力かもしれない。

■満月祭り情報
もらってきたパンフにムアンシンの満月祭りのことが書いてあった。ムアンシンとは「獅子の街」を意味する。ルアンナムターから約50キロ北に位置する。さらに10キロも山を行けば中国領という北ラオスの小都市だ。昔はアジア最大の阿片市場があったというが、今は人口わずか3万5千人、アカ族が人口の47%を占める。
山の中の小さな街だが太陰暦12月の満月の夜、タイルー族(中国起源の山岳民族)中心の「タート・シェントゥン祭り」が行われる。タート・シェントゥンとはムアンシンで最も重要な仏塔の名前である。その中にはお釈迦様のアダムズアップル(喉仏)の骨が納められていると信じられている。祭りにはラオス国内はもとより、中国雲南省やタイ、ビルマからも信仰厚いタイルー族が馳せ参じ、さらに宗教を超えてアカ族、クム族、モン族、ランテン族、ラフ族など北ラオスの少数山岳民族が参拝に訪れる、とある。(続く)


写真は昨日、チェンライの家の近くにやってきた坊さんです。女中さんがタンブンしているところです。オイさんがうれしそうな顔をしているのは仏像ペンダントをプレゼントされているからです。