チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラマダン

ラマダ

9月24日からイスラム教の断食月ラマダンに入っている。いつも生徒たちでごった返している食堂が閑散としている。1つか2つのグループがひっそりとテーブルを囲んでいるだけだ。イスラム教は5行と呼ばれる基本を守らなくてはならない。5行とは
信仰・・・アッラー以外に神はなく、モハメッドは神の使徒である。
礼拝・・・一日5回(夜明け、昼過ぎ、午後、日没、夜半過ぎ、メッカの方向に向かって)
喜捨・・・年収の40分の1を貧しい人に差し出す。
断食(ラマダン)・・・イスラム暦太陰暦ヒジュラ暦ともいう)の9番目の月に行われる。
巡礼・・・一生に一度メッカへの巡礼をおこなう。
の5つである。

ウズベクイスラム国家ではあるが、イランのようにミナレット(尖塔)からアザーン(お祈りの呼びかけ)が流れてくることがない。ウォッカ、ワインなどのお酒も飲むし、そう多くはないがバザールでは豚肉も売っている。アザーンも一度、地域限定でスピーカーから流したことがあるが、騒音苦情が出て中止になったという。ある邦人いわく「なんちゃってイスラム教ですからね」ということだ。自分の住んでいるイスラム街にはチャドルで顔を隠し、目だけ出している女性がいるが、市内中心ではせいぜいスカーフで髪を隠しているだけだから、ついここがイスラム国家であることを忘れてしまう。

イスラム教の暦は月の満ち欠けをもとにした暦で、我々の使っている太陽暦より1年に10日ほどずれが出る。今年は9月末からだが、数年先には日中の時間が長く、40度以上の熱波の中での断食となる。今から思いやられる、と異教徒の自分が心配することもないのだが、夏のラマダンはきついです、とウズベクの人は言う。断食と言っても日が昇る前と日が落ちてからは飲食をしてもいいことになっているので日干しになることはない。
クラスの生徒に、ラマダンで日中飲食していない人、と言って手を上げさせると8割くらいの生徒が手を上げる。なかなか感心だ、と思って、絶食は疲れるだろうから、このクラスではラマダンをしている人は寝てもいいです、などと余計なことを言って生徒から笑われてしまった。健康にいいから先生もやったら、などという。ゴハンも食べす、水も飲まず、健康に言いわけないだろ、と思うのだが。やはり疲れるのかラマダンが進むにつれて生徒の欠席が目立ってきた。
コーランには子供や病人、妊婦、戦争している兵士、旅人などは断食しないでもよいと書いてある。女子は9歳、男子は11歳から断食するとのこと。断食開始年齢は国や信仰心により違うらしい。自分は旅人だから、断食しないでもいいんじゃないの、というと先生はアパートにいますから旅人ではありませんといわれた。駱駝の背に乗っていないと資格はないらしい。

なぜ、断食をするのか。ああ喉が渇いた、腹も減った、でも隣を見ると同じようにげんなりしている奴がいる。おお、あいつもがんばっているのだという連帯感が沸く。この連帯感を世界のイスラム教徒10億人が分かち合っているのだ。そして日没とともに、家族、友人が集まり、まずみんなで水をグイッと飲む。東海林さだおのマンガでタンマ君がジョッキのビールを飲んで「プハー」と吹き出しが出る場面があるが、こちらでは一同、水でプハーがはじまり、いつもより豪勢な食事が始まる。ラマダン月はいつもの月より2,3割食費が多くなるという。ラマダンの期間中、毎日プハーを繰り返すわけで、お祭り、ハレの日が1月続くようなものだ。ラマダンの月は町を歩いてもレストランがいつもよりにぎわっている。外食費もかさむことだろう。いずれにしてもドカ喰いは避けられないので、ラマダン期間中に体重が増える人もいるそうだ。

それにしてもこの国の学生は夏休みが3ヶ月、棉摘みが2ヶ月あって、その上、ラマダンで腹ペコで1月勉強できません、ということになると一体いつ勉強するんだ、ということになってしまう。それでなくても勉学意欲のわかない国だから、これでは留学しようにも基礎学力不足でどうしようもない。今年、モスクワ大学への留学生試験にウ国から一人も受からなかったという噂が流れているが本当かもしれない。

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